デパレタイズ用吸盤(単一把持)

「実行モード」「にデパレタイズ用吸盤(単一把持)」を選択した場合に以下のパラメータを調整できます。

吸盤オフセット‐オフセット方法

吸盤により箱をデパレタイズする現場では、使用する吸盤の構造は変更できず交換もできませんが、寸法が異なる箱を処理します。 対象外の箱を吸着することを回避するために、吸盤のオフセットが必要となります。

吸盤のオフセットは 3つの方法があります:「デフォルト」、「カスタマイズ戦略優先度」、「エッジ/コーナーのシーケンスによって」。

デフォルト

優先的に吸盤のコーナーで箱を把持しようとします。

箱カバー率下限

把持を実行する時に吸盤が箱上面をカバーする面積が箱上面面積に対する割合。カバー率がこの値より小さいとき、しっかりと箱を吸着していないと判断し把持を実行しません。

カスタマイズ戦略優先度

ユーザーが指定した優先度に従って把持します。

戦略の優先度

中心合わせ、辺の中心合わせ、コーナー合わせという 3つの戦略を選択できます。

下図では、黄色い長方形は箱を、灰色の長方形は吸盤を表します。灰色の長方形の緑の部分はオンにしたブロックで、赤い部分はオフにしたブロックです。

custom strategy priority1
  • 1つのブロックをオンにした場合

    以下では、左のイメージ図は中心合わせ把持で、中のイメージ図は辺の中心合わせ把持で、右はコーナー合わせ把持です。

    custom strategy priority2
  • 2つのブロックともオンにした場合

    以下では、左のイメージ図は中心合わせ把持で、中のイメージ図は辺の中心合わせ把持で、右はコーナー合わせ把持です。

    custom strategy priority3
  • より多くのブロックをオンにした場合はこれによって類推します。

箱カバー率下限

把持を実行する時に吸盤が箱上面をカバーする面積が箱上面面積に対する割合。カバー率がこの値より小さいとき、しっかりと箱を吸着していないと判断し把持を実行しません。

吸盤の向き

箱を把持する時に吸盤と箱の組合せの方向との相対向きを指定します。

「カスタマイズ」を選択すると、吸盤の長辺の向き方向の基準 を設定できます。これによって、4つの形式を指定できます。

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に平行

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に垂直

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に平行

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に垂直

long side direction suction cup

吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に平行(左)、吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に垂直(右)

オフセット順序

「(TCP と)基準点との距離によってソート」をチェックすると、TCP と基準点との距離が小さいほど優先的に実行します。 以下のパラメータを設定できます。

基準点 X/Y

基準点を指定します。指定した基準点は仮想空間に現れます。

優先度の高いオフセットのみを保持

実行成功の確率が高い解のみを試行します。

計画解の最大数

保持するオフセットの解の最大数。

下図では、赤いドットを基準点とします。

offset priority example1

コーナー合わせ 戦略だけを使用すると、オフセットを試行する優先度は以下のようです。

offset priority example2

エッジ/コーナーのシーケンスによって

エッジ/コーナーのシーケンスは吸盤コンフィギュレータで自動的に生成されます。

下図に示すように、吸盤の各ブロックのエッジ/コーナーにある番号はエッジ/コーナーのシーケンスです。

side number list

箱カバー率下限

把持を実行する時に吸盤が箱上面をカバーする面積が箱上面面積に対する割合。カバー率がこの値より小さいとき、しっかりと箱を吸着していないと判断し把持を実行しません。

エッジコーナーのラベル番号

エッジ/コーナーのシーケンスを指定します。 例えば、「11,17,21,22」を入力すると、ソフトウェアはこれを順序として把持します。

吸盤の向き

箱を把持する時に吸盤と箱の組合せの方向との相対向きを指定します。

「カスタマイズ」を選択すると、吸盤の長辺の向き方向の基準 を設定できます。これによって、4つの形式を指定できます。

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に平行

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に垂直

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に平行

  • 吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に垂直

long side direction suction cup

吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に平行(左)、吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に垂直(右)

箱落下の検出

吸盤底部に取り付けられたセンサー(DI)を利用して箱の落下を検出します。

吸盤コンフィギュレータで DI の位置を指定すると、箱の把持を計画する時に箱をカバーしたセンサーを自動的に判別することで検出が必要な DI 信号を自動的に計算します。

箱のエッジを取り除く距離

実際のデパレタイジングの現場では、センサーが箱のエッジ近くにある場合、箱同士の間隔が大きいか、箱のエッジをしっかりと吸着していないなどで箱の落下を誤判定することがあります。 箱のエッジを取り除く距離 を設定することでこの問題を解決できます。センサーが指定した距離内にあれば落下検出に関与しません。下図では、赤い線の部分は箱落下を検出しない範囲を表します。

box remove distance

把持数

把持の合計数を設定します。

計画総計数

把持の合計数の上限。

把持済み数

把持した箱の合計数。

今回の把持数

今回把持する箱の総計数。

同じ位置姿勢で把持することを回避

把持に失敗した場合に使用し、失敗した位置で繰り返して把持することを回避します。

優先度を減少する範囲の半径上限

初期値

0

調整説明

前回把持を実行した位置姿勢との距離が指定した値より小さい位置姿勢に対し、前回の位置姿勢とは同じ位置姿勢として優先度を減少します。

破棄する範囲の半径上限

初期値

0

調整説明

前回把持を実行した位置姿勢との距離が指定した値より小さい位置姿勢に対し、直ちに破棄します。

クランクシャフトを把持するとします。最初の把持に失敗し、クランクシャフトがロボットハンドに触れられて位置が変わりました。次回の把持に成功する可能性があるので 優先度を減少する範囲の半径上限 を設定して破棄せずに優先度を下げます。初回の把持にクランクシャフトの位置が変わらない場合は、次回の把持でも成功する可能性がないので 破棄する範囲の半径上限 を設定して直ちに破棄します。

回避リストの最大長さ

初期値

1

調整説明

把持を回避する対象物の位置姿勢あるいは対象物の最大数。

「2」と設定した場合に、Mech-Vision から Mech-Vision3つの位置姿勢が出力されたとします。位置姿勢 1 での把持に失敗してこれを記録します。また位置姿勢 2、位置姿勢 3 での把持に失敗して記録します。位置姿勢 2 と 3 しか記録しません。

回避のタイプ

対象物の位置姿勢

対象物の位置姿勢(把持点)を記録します。ある対象物に 3つの把持点があるとします。1つの把持点で把持を実行したと記録したら、残りの 2つの把持点はまだ試行していないと判断して把持します。

対象物

把持対象物を記録します。ある対象物に対し、その把持点で把持を実行したと記録したら、次回の把持を実行する際に、この対象物のほかの把持点も試行したと判断しこの対象物を優先的に把持しません。