アップグレードに関する注意事項
1.7.2 バージョンへのアップグレード
1.7.2バージョンのMech-Visionでは、 ディープラーニングモデルパッケージを推論 ステップが追加され、「ディープラーニングモデルパッケージを推論(CPU)」および「ディープラーニングモデルパッケージを推論(Mech-DLK 2.2.0+)」ステップが削除されました。
Mech-Visionが1.7.2バージョンにアップグレードされた後、過去バージョンのプロジェクトの「ディープラーニングモデルパッケージを推論(CPU)」および「ディープラーニングモデルパッケージを推論(Mech-DLK 2.2.0+)」ステップは、自動的に「ディープラーニングモデルパッケージを推論」に置き換えられます。「ディープラーニングモデルパッケージを推論」ステップは削除された「ディープラーニングモデルパッケージを推論(CPU)」および「ディープラーニングモデルパッケージを推論(Mech-DLK 2.2.0+)」ステップと同じ機能を提供するため、この変更はプロジェクトの通常の使用には影響しません。
1.7.2バージョンのMech-Visionでは、過去バージョンで最適化されたモデルパッケージを使用する場合、「ディープラーニングモデルパッケージを推論」ステップでモデルパッケージを初めて実行する際に時間がかかる場合があります。
1.7.0 バージョンへのアップグレード
以下では、Mech-Vision、Mech-VizおよびMech-Centerを1.7.0バージョンにアップグレードする際の注意事項について説明します。
Mech-Vision
「ソリューション」について
Mech-Vision 1.7.0バージョンでは、ロボット選択、通信設定、ビジョンプロジェクトの構築、経路計画をまとめて行うことができる「ソリューション」機能を追加しました。使用中に以下の事項に注意してください。
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標準インターフェース通信またはAdapter通信を使用する場合、ロボットプログラムが呼び出すMech-Visionプロジェクト番号はMech-Centerからではなく、Mech-Visionプロジェクトリストから取得するようにしました。
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過去バージョンのMech-Visionプロジェクトについては、アップグレード後にプロジェクトの変換を完了させる必要があります。詳細については、 プロジェクトを1.7.0バージョンへアップグレードする方法 をご参照ください。
「Mech-Centerの通信サービス」の統合について
Mech-Vision 1.7.0バージョンでは、インターフェース通信サービスを内蔵しているため、以下の事項に注意が必要です。
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Mech-Visionソリューションを使用し、通信方式が標準インターフェースまたはAdapter通信の場合、Mech-Centerソフトウェアは必要ありません。
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Mech-Visionのツールバーで ロボット通信設定 をクリックし、ロボットを選択して通信方式を設定し、 適用 をクリックすると、インターフェースサービスが自動的に起動されます。
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ロボットのメーカーがABB、FANUC、YASKAWA、KAWASAKI、KUKA、UR、TM、ELITE、JAKAの場合、デフォルトで選択される通信設定は、Mech-Mindが提供するロボット側の標準インターフェースのサンプルプログラムで使用されている通信設定と一致しています。その他のメーカーのロボットの場合、デフォルトで選択されている通信設定はTCP/IPです。
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インターフェース設定を行う際に、「ソリューションを開くとインターフェースサービスを自動的に起動」にチェックを入れることが可能です。これにより、次回ソリューションを開くと、プロジェクトがロボット側と直接通信するようになります。
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通信の関連ログは、Mech-Visionのログバーの「Console」タブで確認できます。
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Adapterのインターフェース設定を行う際に、Adapterプロジェクトフォルダを選択すると、選択したフォルダは自動的に現在のソリューションフォルダに移動されます。
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ソリューション内のAdapterプログラムを変更して有効にするには、Adapterプログラムを再起動し、インターフェースサービスを再起動する必要があります。
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Mech-Centerで「PC起動時にMech-Centerを自動的に実行」のチェックを外す必要があります。
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通信方式がVizティーチングの場合や、Mech-Vizを使用して複雑な作業を実施する場合は、Mech-Centerソフトウェアが必要です。
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まずMech-Centerを起動します。次にMech-Visionを起動し、過去バージョンと同様に通信設定を行う必要があります。
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Mech-Centerで「PC起動時にMech-Centerを自動的に実行」にチェックを入れること、Mech-CenterからMech-Visionを起動することを推奨します。
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キャリブレーションについて
Mech-Vision 1.7.0バージョンでは、キャリブレーションの設定手順内で、ロボットの選択、プログラムの読み込み、ロボットの接続ができるようになりました。プロジェクトがソリューションに割り当てられていない場合、キャリブレーション機能は使用できません。
ステップについて
Mech-Vision 1.7.0バージョンでは、ステップに関する注意事項は以下の通りです。
一部のステップを削除
Mech-Vision 1.7.0バージョンでは、下記のいくつかのステップを削除しました。
親グループ-子グループ | 削除したステップ |
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2D特徴抽出-ほか |
指定コーナーおよび寸法によって長方形を検出 |
2D汎用処理-ほか |
ポリゴンを配置 |
ディープラーニング-未知対象物の把持 |
把持のヒートマップから位置姿勢を計算、把持位置姿勢を予測(同じタイプ)、各画素の把持可能な確率を予測 |
測定-3D長さ/距離 |
点から二つの平面の交線までの距離を計算、点から平面までの距離を計算 |
古いバージョンのステップ |
画像で情報を可視化、障害物に応じて目標点を調整 |
位置姿勢-並進/方向を調整 |
障害物に応じて目標点を調整(V2) |
その他 |
把持可能な長方形を検出 |
過去バージョンのディープラーニング関連ステップについて
欠陥検出、エッジ検出、画像分類、インスタンスセグメンテーション、対象物検出、ディープラーニングモデルを推論(Mech-DLK 2.1.0/2.0.0)ステップはメンテナンスが終了しており、以降のリリースで削除される予定です。
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ハードウェアタイプがGPUで、欠陥検出、画像分類、インスタンスセグメンテーション、対象物検出、ディープラーニングモデルを推論(Mech-DLK 2.1.0/2.0.0) ステップを使用する必要がある場合は、新しいバージョンのステップ「ディープラーニングモデルパッケージを推論(Mech-DLK 2.2.0+)」を使用してください。
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ハードウェアタイプがCPUで、画像分類、インスタンスセグメンテーション、対象物検出、ディープラーニングモデルを推論(Mech-DLK 2.1.0/2.0.0) ステップを使用する必要がある場合は、新しいバージョンのステップ「ディープラーニングモデルパッケージを推論(CPU)」を使用してください。
Mech-Viz
Mech-Viz 1.7.0バージョンでは、ロボットの命名が標準化され、多数のロボットモデル名が変更されたため、ロボットモデルライブラリでロボットを再選択する必要があります。
Mech-Viz 1.7.0バージョンでは、一部のロボットのDOポート制限が変更されたため、一部の過去バージョンのプロジェクトを開くとポップアップが表示されることがあります。このポップアップを消すには、robot_abilityで該当するロボットのdigital_out_rangeを手動で変更する必要があります。
Mech-Viz 1.7.0バージョンでは、箱の位置姿勢の有効範囲を手動で設定できるようになりました。箱を使用する過去バージョンのプロジェクトでは、箱の位置姿勢の有効範囲は、箱の底面から上への無限拡張から、箱の上面から1メートル以内まで調整されます。
「ビジョン処理による移動」ステップの「デパレタイズ用吸盤」の実行モードが完全に再構築され、元のソフトウェアの機能の一部が分割され、新しいバージョンの機能に直接対応しないため、箱の複数把持に関連するパラメータを再設定する必要があります。
「ビジョン処理による移動」ステップの「デパレタイズ用吸盤-デパレタイズ用吸盤(複数把持)」の実行モードでは、箱の組み合わせ後のモデルは、過去バージョンの1つの大きな箱から複数の小さな箱に変更されました。モデルはより実際の状況に近いですが、モデルの変更により、ロボットの経路計画で追加の衝突が発生することがあります。
吸盤設定ウィンドウは、リソースパネルで開くことができるロボットハンド設定ウィンドウに統合されています。吸盤設定を使用するプロジェクトについては、吸盤を再設定する必要があります。
ロボットハンドの衝突モデルはobj形式のみに対応し、stl形式には非対応になりました。衝突検出の設定画面から、関連する衝突設定パラメータが削除されました。
ロボットハンドの衝突モデルが3Dモデルと全く同じファイル名とファイルタイプを持っている場合、ソフトウェアは3Dモデルを衝突モデルに置き換えます。