ビジョンシステムの概要

Mech-Mindビジョンシステムの説明

Mech-Mindビジョンシステムは、Mech-Mindが提供する自動車、物流、スーパーマーケット、重工業などの幅広い業界に適用可能な完全な3Dビジョンソリューションです。これは、部品供給、デパレタイジング・デパレタイジング、位置決め・組立、商品仕分け、品質検査などのシーンで広く採用されています。

Mech-Mindビジョンシステムは、一般的に産業用ロボットや協働ロボットと組み合わせて使用されます。

ビジョンシステムの構成

下図に示すように、Mech-Mindビジョンシステムは一般的に、カメラ、Mech-Mindソフトウェアシステム、IPCおよびロボットで構成されています。

vision system hardware
カメラ

Mech-Mindが独自に研究開発したMech-Eye産業用3Dカメラを指します。それを使用して対象物の画像や位置情報を取得できます。

Mech-Mindソフトウェアシステム

Mech-Mindソフトウェアシステムは、カメラで取得した画像と位置情報をもとにビジョン処理を行い、対象物の位置と姿勢、計画されたロボットの動作経路を出力し、把持、パレタイジング・デパレタイジング、接着、仕分けなどの自動化作業でロボットをガイドするために使用されます。

IPC

Mech-Mindソフトウェアシステムの動作環境を提供するコンピュータ機器を指します。

ロボット

ロボットは、移動、動作、位置決めなどのタスクを実行するために、ある程度の自律性を持ってプログラムされた機械装置です。Mech-Mindビジョンシステムにおいて、ロボットはビジョンシステムの出力結果に応じた自動化作業を実行します。

  • ロボットセルは、ロボット本体、コントローラおよびティーチペンダントで構成されます。

  • 高度な自動化が求められる産業用途では、ロボットの動きや動作を制御するためにPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を使用することがあります。より高度な制御とモニタが必要な場合、ロボットは、動作経路計画、タスクスケジューリング、動作制御など、より複雑なプログラミングとロボットの制御のために上位システムを使用することもできます。Mech-Mindビジョンシステムは、PLCや上位システムと組み合わせて使用することをサポートしています。

  • 本ガイドでは、ロボット、PLC、上位システムを総称して「ロボット側」、カメラとMech-Mindソフトウェアシステムを総称して「ビジョン側」とします。

Mech-Mindソフトウェアシステムの概要

Mech-Mindソフトウェアシステムは、ロボットとその周辺機器に3Dビジョンソリューションを提供するためにMech-Mindが独自に研究開発したソフトウェア群で、以下のソフトウェアで構成されています。

  • Mech-Eye Viewer カメラ調整ソフトウェア

    Mech-Eye Viewerは、Mech-Eye産業用3Dカメラのパラメータを対象物の特徴に合わせて調整し、高品質な2D画像、深度画像および点群を簡単かつ迅速に取得することができます。

    getting started index eye
  • Mech-Vision 画像処理ソフトウェア

    Mech-Visionは、完全なグラフィカルインターフェースにより、ノーコードでバラ積み対象物のピッキング、高精度位置決め、組立、工業検査/測定、自動経路生成などの高度なマシンビジョンアプリケーションを実現します。

    このソフトウェアは、現場で取得された画像データに基づいて一連のビジョン処理を行い、最終的にビジョン結果(対象物の位置や向きなど)を出力します。また、ビジョン結果に対して簡単な経路計画を行い、ロボットの把持経路を出力することも可能です。

    getting started index vision
  • Mech-Viz ロボット制御ソフトウェア

    Mech-Vizは、Mech-Visionから得られた点群やワークの位置情報を使用して、把持、取り扱い、配置などのロボット経路を自動的に計画します。

    ロボットのワークフローを可視化で構築することに対応し、実際に操作する前に動作確認ができる3Dシミュレーション機能を提供します。数多くの世界中のメーカーのロボットに適応しています。

    getting started index viz
  • Mech-Center 統合管理ソフトウェア

    Mech-Centerは、標準インターフェースの通信プロトコルを提供するほか、お客様が通信サービスをカスタマイズし、外部機器と通信してビジョンシステムによるロボットの自動化作業のために連携できるようにすることも可能です。

    ソフトウェアシステムでは、Mech-Centerがソフトウェア群の仲介役を担っています。例えば、Mech-Visionによって出力されたビジョン結果を送信し、ロボットの把持経路を計画するためにMech-Vizに送信します。外部機器と通信する場合、Mech-CenterはMech-VisionやMech-Vizによって出力されたビジョン結果または計画されたロボットの動作経路をロボット、PLCまたは上位システムに送信します。ソフトウェアシステムと外部機器との通信方式は下図のどおりです。

    getting started index center

Mech-Mindソフトウェアシステムでは、各ソフトウェア間の関係を下図に示します。

software system relation

ロボット側との通信

ビジョン側によって出力されたビジョン結果(Mech-Vision)または計画されたロボットの動作経路(Mech-VisionまたはMech-Viz)をロボット側に送信するために、Mech-Mindソフトウェアシステムがロボット側と正常に通信できる必要があります。

Mech-Mindビジョンシステムは、以下の通信方式をサポートしています。

  • Vizティーチング通信

    Vizティーチング通信では、ビジョン側がロボットを制御する、つまり、ビジョン側がマスター、ロボットがスレーブとして機能します。ビジョン側は、ワークの供給やパレタイジング・デパレタイジングなど、計画されたロボットの動作経路に従って、対応するタスクを実行するようにロボットを制御することになります。

    この通信方式を使用する場合、Vizとの通信プログラムをロボットに読み込むか、またはロボットのSDK(ソフトウェア開発キット)を介してロボットの制御を取得する必要があります。ビジョン側とPLCまたは上位システムとの通信に対応していません。

  • インターフェース通信

    インターフェース通信では、ビジョン側がロボットの制御を取得する必要がなく、ロボット側がマスター、ビジョン側がスレーブとして機能します。ロボット側とビジョン側は同じ標準インターフェースの通信プロトコルで通信を行い、ロボット側からリクエストを送信し、ビジョン側がそれを処理して結果を返します。リクエストに応じて、ビジョン側はビジョン結果か、計画されたロボットの動作経路を返すことになります。ロボットは、ビジョン側から返された結果に基づいて、さらなる判断や適切なタスクを実行します。

    この通信方式を使用する場合、ロボットのインターフェースプログラム(ビジョン側と通信するためのプログラム)とロボットの把持プログラム(ビジョン側から返されたデータを受信し、ロボットを制御するためのプログラム)を作成してロボットに読み込む必要があります。ビジョン側がロボット、PLC、上位システムとの通信に対応しています。

通信方式の詳細については、 通信方式の概要 をご参照ください。