Pythonを使用して結果を計算

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機能

Pythonを介してカスタマイズのスクリプトを実行し、計算結果をMech-Visionに出力します。

このステップの特徴は以下の通りです。

  • マルチスレッドでの使用をサポートします。

  • Pythonスクリプトをリアルタイムに読み込むことができます。

  • C++側とPython側でデータを転送する際に、複数のデータ型変換をサポートします。

  • Python側からのログをMech-Visionにリダイレクトすることに対応します。

使用シーン

カスタマイズの計算が必要な場合は、このステップを使用してビジョンソリューションを簡素化するPythonスクリプトを実行することができます。

入力と出力

  • 入力: パラメータ 入力ポート に入力されたデータ型によって決定されます。

  • 出力: パラメータ 出力ポート に入力されたデータ型によって決定されます。

このステップの入出力ポートのデータ型は、前後のステップの入出力ポートのデータ型に基づいて決定することができます。

インストールと使用

インストール方法

Python 3.6.8はMech-Visionに組み込まれており、このステップではソフトウェアの組み込み環境を使用します。使用中にPythonライブラリが不足した場合は、Mech-Visionの組み込みPython環境に不足したPythonライブラリをインストールする必要があります。インストール方法は以下の通りです。

  1. コマンドプロンプトを開きます。

  2. コマンドラインから「cd」コマンドを使用して、Mech-VisionのPythonディレクトリへのパスを切り替えます。

  3. python -m pip install Pythonライブラリのコマンドを実行し、対応するPythonライブラリをダウンロードしてインストールします。

Pythonの一般的なライブラリであるNumPyとOpenCVは、Mech-Visionに組み込まれています。

使用方法

詳細は以下の通りです。

  1. 入出力ポートのデータ型を設定します。入力ポート出力ポート のデータ型は、前後のステップの入出力ポートのデータ型に従って、または必要に応じて入力してください。

  2. Pythonスクリプトのパスを設定します。読み込むスクリプトのパスを スクリプトファイルのパス で選択します。

  3. 呼び出される関数の名前を設定します。スクリプトパスを選択すると、このステップではスクリプト内の関数名が自動的に取得されます。次に、 呼び出される関数名 のドロップダウンリストで必要なスクリプト関数名を選択する必要があります。

  4. ステップを実行します。

このステップで、最新のPythonスクリプトが変更されたときにリアルタイムで実行させたい場合は、ステップパラメータの 実行フラグ の下にある 必要なファイルを再読み込み にチェックを入れてください。

各パラメータの詳細については、 パラメータの説明 をご参照ください。

使用上の注意事項

このステップでPythonスクリプトを作成し、実行する場合、以下の点に注意する必要があります。

サードパーティライブラリの使用を推奨

Mech-VisionでPythonスクリプトを実行することと、Python環境でPythonスクリプトを実行することは異なるため、一部のPythonライブラリがインストールされていない、またはインストールしても動作しない場合がありますので、サードパーティ製ライブラリの使用を推奨します。

NumPyライブラリの使用に注意

Pythonがサポートするデータ型のうち、より複雑な型はNumPyライブラリを介して中間フォーマットとして使用されるデータ型です。NumPyの配列型であるパラメータ型があるにもかかわらず、NumPyにインポートされていない場合、エラーが発生します。したがって、スクリプトの先頭に import numpy を追加する必要があります。

スクリプト作成際にデータ型の次元に注意

Pythonスクリプトを作成には、ステップポートの基本データ型のデータ次元に注意を払う必要があります。

  • デフォルトのデータ次元は0: Image; Cloud(XYZ); Cloud(XYZ-Normal);

  • デフォルトのデータ次元は1: NumberList; BoolList; IndexList; StringList;

  • デフォルトのデータ次元は2: PoseList; Pose2DList; Size3DList。

データ型の後に[align="center"]記号を追加して、データ次元の追加を示します。

例えば、NumberListは1次元の値のリスト、NumberList[align="center"]は2次元の値のリストを表します。

パラメータの説明

入力ポート

パラメータ説明:このパラメータは、ステップの入力ポートのデータ型を設定するために使用されます。入力データ型は、対応する順序で呼び出された関数にパラメータとして渡されます。

初期値:なし。

出力ポート

パラメータ説明:このパラメータは、ステップの出力ポートのデータ型を設定するために使用されます。関数が返すデータは、対応する順序でステップに返され、対応するデータ型に従って解析されることになります。

初期値:なし。

現在対応しているデータ型は以下の通りです。

ポートタイプ

PoseList

[[10, 20, 30, 0.951, 0.255, 0.168, 0.045]], [10, 20, 30, 0.951, 0.255, 0.168, 0.045]]
(各データグループの最初の3つの値は座標値を表し、後ろの4つの値は四元数を表します。)

Pose2DList

[[0, 0, 0]], [2, 0, 120]]
(各データグループの最初の2つの値は座標のX値とY値で、3番目の値は角度です。)

NumberList

[1.1, 2, 999.9, -22]

StringList

['string_1', 'string_2', 'string_3']

Image

画像

Cloud(XYZ)

点群

Cloud(XYZ-Normal)

法線ベクトル付きの点群

Cloud(XYZ-RGB)

カラー点群

Size3DList

[[2.5, 5, 0.001]], [6, 5, 0.02]]
(各データグループの最初の2つの値は幅と高さを表し、3番目の値は各ピクセルの長さを表します。)

IndexList

[45, 10, 90]

BoolList

[True, False, True]

スクリプトファイルのパス

パラメータ説明:このパラメータは、読み込むスクリプトのファイルパスを選択するために使用されます。

初期値:なし。

呼び出される関数名

パラメータ説明:このパラメータは、呼び出されるスクリプト関数の名前を設定するために使用されます。

初期値:なし。

Pythonのサンプルコード

このステップのポートタイプを理解しやすく、Pythonスクリプトを使用してこのステップを実行するために、以下ではPythonのサンプルコードを紹介します。

クイックスタート

Pythonスクリプトによる同じ型データを出力

以下のサンプルでは、 同じ型データを出力 する関数を定義しています。 Pythonを使用して結果を計算 ステップの使用方法を参照して、この関数を呼び出すことができます。

def get_doublelist():
    return [1.1,22,3.3]

このサンプルに対応するMech-Visionプロジェクトを下図に示します。出力ポートのデータフローをダブルクリックして、出力結果を確認できます。

calc results by python single output project

Pythonスクリプトによる複数型のデータを出力

以下のサンプルでは、 複数型のデータを出力 する関数を定義しています。 Pythonを使用して結果を計算 ステップの使用方法を参照して、この関数を呼び出すことができます。

def example_of_basic_portTypes():
    numList = [1.1, 2, 999.9, -22]
    indexList = [45, 10, 90]
    boolList = [True, False, True]
    strList = ['string_1', 'string_2', 'string_3']
    poseList = [[10, 20, 30, 0.951, 0.255, 0.168, 0.045], [10, 20, 30, 0.951, 0.255, 0.168, 0.045]]
    pose2dList = [[0, 0, 0], [2, 0, 0.785]]
    size3dList = [[2.5, 5, 0.001], [6, 5, 0.02]]
    return numList, indexList, boolList, strList, poseList, pose2dList, size3dList

このサンプルに対応するMech-Visionプロジェクトを下図に示します。各出力ポートのデータフローをダブルクリックして、出力結果を確認できます。

calc results by python multi output project

2つの「Pythonを使用して結果を計算」ステップによるデータ処理

サンプル1は数値リストを出力する関数を定義し、サンプル2は各数値リスト内の値に対して合計演算を実行する関数を定義します。

Pythonを使用して結果を計算 ステップの使用方法を参照して、このステップで以下のサンプルコードを呼び出し、ステップをつないで入力の数値リストに対して合計演算を実行することができます。

サンプルコード1:

def get_numberlist_1():
    return [[1, 2, 3],[4,5,6]]

サンプルコード2:

def cal_number_list(nums_list):
    sums = [align="center"]
    for nums in nums_list:
        sum = 0
        for num in nums:
            sum += num
        sums.append(sum)
    return [sums]

このサンプルに対応するMech-Visionプロジェクトを下図に示します。各出力ポートのデータフローをダブルクリックして、出力結果を確認できます。

calc results by python single sum output project

複数の「Pythonを使用して結果を計算」ステップによるデータ処理

サンプル1は数値リストを出力する関数を定義し、サンプル2はブール値リストを出力する関数を定義します。サンプル3は数値リストに「9999」を追加し、ブール値リストに「False」を追加し、新しい数値リストおよびブール値リストを出力するために使用されます。

Pythonを使用して結果を計算 ステップの使用方法を参照して、このステップで以下のサンプルを呼び出して、複数の入力データに対して処理を行うことができます。

サンプルコード1:

def get_doublelist():
    return [1.1,22,3.3]

サンプルコード2:

def get_bool_list():
    return [[True,False],[True,True],[False,False]]

サンプルコード3:

def print_multi_values(numberList, boolList):
	numberList.append(9999)
	boolList.append(False)
	return numberList, boolList

このサンプルに対応するMech-Visionプロジェクトを下図に示します。各出力ポートのデータフローをダブルクリックして、出力結果を確認できます。

calc results by python multi output process project

実際応用に適応可能なサンプルコード

プロジェクト実行中の異常データを保存

実際の応用シーンでは、プロジェクト実行中に様々な問題が発生することがあります。Mech-Visionプロジェクト内のデータ保存機能とカスタマイズされたPythonスクリプトにより、異常データを保存し、問題のトラブルシューティングやビジョンシステムの安定性向上を実現しています。

詳細は以下の通りです。

  1. データ保存 機能を有効にします。

    Mech-Visionのプロジェクトアシスタントで データとパラメータを保存 を有効にすると、プロジェクトでエラーポップアップが発生した場合、生データが プロジェクトフォルダ/data/error_data パスに保存されます。

  2. Pythonスクリプトを作成します。

    「3D位置姿勢推定」の出力位置姿勢が空かどうかを判定するPythonサンプルコードを例に説明します。詳細は以下の通りです。

    def abnormal_output_detection(outputs):
        if len(outputs) == 0:
            raise Exception("NO RESULT!!!")
        else:
            pass
  3. Pythonを使用して結果を計算 ステップの使用方法を参照して、「Pythonを使用して結果を計算」ステップで上記のサンプルを呼び出して、このステップを「3D位置姿勢推定」の後につなぎます。

    プロジェクト実行後、「3D位置姿勢推定」の出力位置姿勢が空の場合、ポップアップウィンドウが表示され、異常データが プロジェクトフォルダ/data/error_data パスに保存されます。

入力点群のZ値に基づいて疑似カラー点群を生成

プロジェクトの出力点群にテクスチャ情報がない場合、出力点群をより可視化表示するために、カスタマイズされたPythonスクリプトを使って、入力点群のZ値に基づいて擬似カラー点群を生成することができます。

主な処理流れは次の通りです。Z値を0~255の範囲にマッピングしてグレースケール値を取得します。その後、OpenCVを使用してグレースケール値をカラー値にマッピングして、擬似カラー点群を取得します。

Pythonのサンプルコードは以下の通りです。

import math

import cv2
import numpy as np

def generate_color_point_could_by_depth(point_cloud):
    x = point_cloud[:, 0]
    y = point_cloud[:, 1]
    z = point_cloud[:, 2]

    z_min = np.min(z)
    z_max = np.max(z)

    if math.isclose(z_max - z_min, 0):
        return np.column_stack((x, y, z, np.full(z.shape, 0xFFFFFFFF, np.uint32).view(np.float32)))

    color = 255 * (z - z_min) / (z_max - z_min)
    color = cv2.applyColorMap(color.astype(np.uint8), cv2.COLORMAP_JET)

    color = np.squeeze(color).astype(np.uint32)
    color = (0xFF000000 | (color[:, 0] << 16) | (color[:, 1] << 8) | color[:, 2]).view(np.float32)

    return np.column_stack((x, y, z, color))

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