Mech-Vision 2.0バージョンの更新説明
以下では、Mech-Vision 2.0バージョンの新機能や機能最適化、問題修復について説明します。
Mech-Vision 2.0.0バージョンの更新説明
以下では、Mech-Vision 2.0.0バージョンの新機能や機能最適化、問題修復について説明します。
新機能
ソリューションライブラリの再設計
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、実際のニーズに基づいてソリューションライブラリを再設計しました。さらに、各グループには新しいソリューションを追加しました。詳細な説明は以下の通りです。
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アプリケーションテンプレート:一般的な適用シーンに対応し、汎用的かつ標準化されたソリューションをテンプレートとして提供し、現場での迅速な導入と調整を可能にします。
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実践例:現場でよく見られるニーズに対応し、一般的なステップの組合せや部分的なプロジェクトの構築方法を提供します。これにより、基本的なトレーニングに加え、直接再利用することで重要な機能を迅速に実装することも可能です。
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導入事例:数多くの実際のアプリケーションを元に、特定のシーンに適した代表的なソリューションをまとめて提供します。ワンクリックで実行でき、3D ロボットビジョンソリューションの実行効果を直感的に確認できます。
新しい「ワークライブラリ」機能
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、ワークライブラリ 機能を新しく搭載しました。ワークライブラリには、点群モデルの生成と編集、把持位置姿勢の追加、衝突モデルの設定など、ワークの設定に関する機能が統合されています。分かりやすい設定フローを使用して、ワークの設定を段階的に完了させ、その後のマッチング処理で設定済みのワークを使用することができます。また、2.0.0バージョンからは、Mech-Vizプロジェクトは必ずソリューションに割り当てる必要があります。Mech-VisionとMech-Vizプロジェクトはロボットハンドやワーク設定を共有します。
ワークライブラリに関する注意事項は、アップグレードに関する注意事項 をご参照ください。
新しい「ワーク認識」設定ツール
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、ワーク認識 ステップには新しい ワーク認識の設定ツール が内蔵されており、点群前処理、3Dマッチング、重ねられている対象物の位置姿勢除去などのビジョン処理機能が統合されています。このツールを使用することで、ワークの認識を迅速に完了することができます。
新しい「3Dマッチング」ステップ
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、3Dマッチング ステップを追加しました。このステップでは、高精度マッチングと低精度マッチングの機能が統合されており、ワークの点群モデルを元の点群とマッチングさせ、重なり合っいるおよび重ねられている対象物の位置姿勢を除去し、ワークの正確な位置姿勢を出力します。同一種類の対象物の位置姿勢に対して低精度マッチングと高精度マッチングの両方が必要なほとんどのシーンに適しています。
新しい「アラート設定」機能
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、アラート設定 機能を追加しました。ユーザーはアラートのトリガー条件、アラートコード、アラートメッセージなどを設定できます。プロジェクトの実行中にデータ異常が発生した場合、システムは自動的にアラートをトリガーし、ユーザーが迅速に問題を特定して解決できるようにサポートします。これにより、生産の安定性が確保されます。
新しい「システムメモリリスク警告」機能
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、新たに「システムメモリリスク警告」機能を追加しました。ソフトウェアが長時間連続で動作している場合や、システムメモリが不足している場合に、ソフトウェアの再起動を促す警告が表示されます。
機能最適化
ソリューションとプロジェクトの関連設定について
Mech-Vision 2.0.0バージョンから、「ソリューション」がストレージ単位としてのみ使用されるようになります。詳細な説明は以下の通りです。
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新しいソリューションを作成する際、ソリューション内のプロジェクトは自動的に登録されます。これにより、プロジェクトはデフォルトで外部サービスから呼び出すことが可能です。
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ソリューションに含まれていないプロジェクトの自動読み込みはサポートされなくなり、このようなプロジェクトは外部サービスからの呼び出しができなくなります。
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「プロジェクトの名前を付けて保存」および「プロジェクトをバックアップ」機能はサポートされなくなります。プロジェクトのバックアップが必要な場合は、「ソリューションをバックアップ」機能を使用してください。
オペレーターインターフェイスについて
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、オペレーターインターフェイスを以下のように最適化しました。
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互換性に関する問題
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Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、2.0.0以前のバージョンで設定されたオペレーターインターフェイスを開くことができません。新しいバージョンのMech-Visionを使用して、オペレーターインターフェイスを再度設定する必要があります。
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オペレーターインターフェイスの設定ツールについて
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基本情報の設定:生産セルの数の制限が変更され、最大10個の生産セルを追加できるようになりました。
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ワーク追加の設定:STLファイルのインポート や ワークライブラリ を使用してワークの点群モデルを作成することがサポートされるようになりました。「マッチングモデル・把持位置姿勢エディタ」を使用してワークの点群モデルを作成する機能はサポートされなくなりました。
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ワーク追加の設定:点群モデルの作成方法が「モデル作成用プロジェクト」の場合、点群や把持位置姿勢の選択方法が、ステップの選択からステップポートの選択に変更されました。
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共通設定:ソフトウェアの起動設定をサポートし、再度ソフトウェアを起動した際にデフォルトで表示される画面を選択できます。この設定は、ソリューションが自動読み込みに設定されている場合にのみ有効です。
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オペレーターインターフェイスについて
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カメラのネットワーク速度を監視でき、「運用保守」画面でカメラの帯域幅ログを確認できるようになりました。
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アラートのフィルタリングをサポートし、すべてのアラート、デフォルトアラート、またはカスタムアラートを選択して表示できます。
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ワーク情報の表示レイアウトを最適化し、情報表示がより合理的で読みやすくなりました。
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その他の最適化
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Mech-Visionの
に、オペレーターインターフェイスの設定項目を追加しました。オペレーターインターフェイスで高品質の点群を表示するか、待機中にグリッドビューを表示するかを設定できます。
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ステップライブラリについて
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、ステップライブラリを以下のように最適化しました。
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実際のプロジェクト構築のニーズとユーザーの使用習慣に応じて、ステップグループを再設計し、ステップの使用がより便利になりそうです。
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一部ステップやすべてのステップの組合せを削除し、ステップライブラリが簡素化されました。
こちらをクリックして、他のステップで代替可能な削除されたステップ を確認してください。
番号 ステップ 代替ステップ 1
点群の点を一部除去(古い)
点群の点を一部除去
2
3D位置姿勢低精度推定
3D位置姿勢低精度推定(V2)
3
3D位置姿勢低精度推定(マルチモデル)
3Dマッチングと分類(マルチモデル)
4
3D位置姿勢高精度推定(マルチモデル)
3Dマッチングと分類(マルチモデル)
5
重複対象物を除去
重複対象物を除去(簡易版)
6
重複対象物を除去(V2)
重複対象物を除去(簡易版)
7
円柱形の点群モデルを生成
対象物のモデルを作成
8
3D ROI内の位置姿勢を取得
位置姿勢が3D ROI内にあるかどうかを検証
9
3D ボックス内の点群を抽出
直方体内の点群を抽出
10
マスクによって画像領域を抽出
マスク内の対応する画像を抽出
11
画像を読み取る
画像を読み取る(V2)
12
点群を読み取る
点群を読み取る(V2)
13
絶対値を計算
数値演算
14
点群リストの要素を削除
出力の数を制限
15
点群処理(GPU)
点群の法線ベクトルを計算してフィルタリング、点群の法線ベクトルを計算してエッジを推定
16
点群における法線ベクトルを追加
点群の法線ベクトルを計算してフィルタリング、点群の法線ベクトルを計算してエッジを推定
17
ラベルによってフィルタリング
必要なラベルであるかどうかを検証、フィルタリング
18
最初の画像を取得
出力の数を制限
19
点群リストをマージ
マージ
20
ラベルリストをマージ
マージ
21
線分リストをマージ
マージ
22
位置姿勢リストをマージ
マージ
23
法線ベクトルの計算
点群の法線ベクトルを計算してフィルタリング、点群の法線ベクトルを計算してエッジを推定
24
数値スケーリング
数値演算
25
点群フィルタリング
点群が要求を満たすかどうかを検証
26
位置姿勢フィルタリング
基準方向との角度によって位置姿勢が有効かどうかを検証
27
深度画像を平滑化処理
画像フィルタリング
28
点群をソート
指定した点群のプロパティを計算、ソートしてインデックスリストを出力、インデックスによって要素を並べ替える
29
実数減算
数値演算
30
位置姿勢の数を制限
出力の数を制限
31
深度画像をカラー画像にマッピング
画像の座標系を補正
32
3D位置姿勢をソート
3D位置姿勢をソート(V2)
33
VariantListをNumberListに変換
データ型を変換
34
VariantListをVariantに変換
データ型を変換
35
2Dコーナーを取得
頂点を検出
36
VariantをVariantListに変換
データ型を変換
37
リング形状の点群を生成
対象物のモデルを作成
38
ワーク認識
ワーク認識
39
マスクの最小外接長方形を描画
領域の形状特徴を検出
40
位置姿勢を一括調整
位置姿勢を一括調整(V2)
41
深度画像で最高領域を取得
最高層の点群を取得
42
コーナー検出
頂点を検出
43
中継
全てのパラメータを受け入れる
こちらをクリックして、他のステップで代替できない削除されたステップ を確認してください。
深度画像の3D ROIにゼロ深度値の領域を抽出
点群の曲率を計算
点群平滑化と法線ベクトル計算
点群の歪み補正
点を平面に投影
平面の点群を指定平面に合わせる
リング形状の点群リストをフィルタリング
遮蔽された対象物を検出
点群で仮想側壁を生成
箱外の位置姿勢を除去
構造化光センサーのキャリブレーション行列を計算
ポリゴンの頂点を描画
一部領域で低いスコアの位置姿勢を除去(NMS)
ヒストグラムを計算
深度画像のエンコード
最高スコアの結果を取得
ヒストグラムマッチング
経路点のマッチング
2D位置姿勢を3D位置姿勢に変換
マスク間の距離を計算
マスクに2D位置姿勢があるかどうかを検証
2D経路を抽出
2D経路を読み込む
2D位置姿勢をグループ化
オフセットによって位置姿勢を調整
傾きによって位置姿勢を調整
カメラの歪みによる不正確な位置姿勢を調整
リング形状の対象物の位置姿勢を補正
正ポリゴンに沿った分布する位置姿勢を保持
位置姿勢のオフセットを生成
位置姿勢のZ値をしきい値と比較
マスクによって2D位置姿勢を検証
位置姿勢が遮蔽されているかを検証
位置姿勢とオフセットの対応関係を求める
3D ROIの中心を読み取る
STLファイルを読み取る
位置姿勢の近傍領域を3D ROIとして保存
画像をコピー
測定結果を計算して表示
把持位置姿勢を検証
結果をXMLファイルに保存
スキャンラインに沿ったディープクラスタリング
軸に平行な方向に沿った平面の高さの差を測定
ギャップ幅を測定
平面の幅を計算
輪郭度の平面度を計算
輪郭度の平面度を計算(ダウンサンプリング)
点群を均等に分割
二つの深度画像を比較
視差画像によって深度画像を生成
深度画像をマージ
連続した線を描画
背景除去
実際のサイズをピクセルサイズに変換
法線ベクトルの偏差が大きい領域を抽出
基準位置姿勢を中心に回転した離散位置姿勢を生成
リスト内の要素を置き換える
深度画像の3D ROI外の領域を無効に設定
基準方向に沿った投影距離を計算
テスト画像を生成
箱の寸法を計算
テスト点群を生成
エッジ点群の法線ベクトルを計算
経路点を保存
近すぎる位置姿勢を除去
経路点を読み取って変換
NumberListをVariantListに変換
直径と厚さを計算
円柱の位置姿勢オフセット
線分を検出
テスト
OCR
点群を外部サービスに送信
モデルフィッティングからの位置姿勢によって点群をフィルタリング
QRコードを読み取る
サイクルトリガー
トリガー
2D平面で丸穴を検出
平均諧調値を計算
画像の鮮明さを評価
色情報をカウント
2D形状マッピング
2Dテンプレートマッチング
基準位置姿勢を記録して変換を計算
2Dテンプレートを作成
こちらをクリックして、削除されたステップの組合せを確認してください。
丸穴の中心位置姿勢と直径を計算
長穴の中心位置姿勢と長軸・短軸を計算
平面点群を抽出
深度画像から点群を分割
位置姿勢をカスタマイズされた座標系に変換
カメラ中心までのXOY距離によって点群をソート
把持位置姿勢をソート
3Dソート
2Dソート
点群前処理
最高層のカラー画像を取得
最高層のマスクを取得
点群を現在の座標系から指定座標系に変換
3Dマッチング
平面点群の位置姿勢を計算して調整
マスクが対応するカラー画像を取得
元素の数によって二項分類
ハンドアイのドリフト補正
点の数が制限を超えた点群を除去
ROI以外の位置姿勢を除去
角度が限界を超えた位置姿勢を除去
画像のデータとパラメータを保存
- NOTE
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実際のニーズに応じて、ソリューションライブラリの 実践例 から対応するステップの組合せやサンプルプロジェクトを取得することができます。
ステップについて
番号 | ステップ | 説明 | ||
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1 |
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2 |
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3 |
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4 |
入力ポートを通じて対象物モデルの寸法情報を入力することをサポートします。 |
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5 |
「静的背景除去設定」パラメータが削除され、深度画像から背景情報を除去する機能はサポートされなくなりました。 |
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6 |
ステップ名の英語訳を「Remove Cloud Points from Point Cloud」から「Delete Points in Point Cloud」に変更しました。 |
インターフェイスとインタラクティブな機能について
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、インターフェイスとインタラクティブな機能を以下のように最適化しました。
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インターフェイス
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ツールバーのスタイルとレイアウトを最適化しました。
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メイン画面のレイアウト設定を最適化しました。ソフトウェアを再起動すると、ソフトウェアの画面がデフォルトレイアウトに戻り、ソフトウェア終了前のレイアウトが保持されなくなります。
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ステップ画面とインタラクションな機能
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一部の重要なステップに「☆マーク」を追加しました。
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ステップの出力ポートに矢印ガイド線を追加し、カーソルを出力ポートに移動させると矢印が表示されるようになります。
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複合ステップに「設定ツール」ボタンを追加し、クリックすると対応するツールが開きます。
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マウスの左クリックを長押ししてドラッグすることで可視化出力結果を表示する方法はサポートされなくなり、デバッグ結果出力 を有効にし、ステップの可視化機能(「目」アイコンをオンにする)を使用して可視化出力結果を表示するのみがサポートされます。
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現在のステップからプロジェクトを実行 する機能はサポートされなくなりました。
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可視化表示エリア
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マウス操作のインタラクションを改善し、操作ウィンドウに動画形式のヒントを追加しました。
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サポートされなくなる機能
Mech-Vision 2.0.0バージョンから、以下の機能はサポートされなくなります。
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クイックキャリブレーション
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内部パラメータのキャリブレーション
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測定モード
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接着剤塗布ツール
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カメラビューア
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マッチングモデル・把持位置姿勢エディタ
点群モデルの作成と把持位置姿勢の設定には、ワークライブラリ を使用してください。
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ハンドアイのドリフト自動補正
この機能は最適化のため、現在はプラグインとして変換されており、プラグインの選択はできません。
問題修正
Mech-Vision 2.0.0バージョンでは、以下の問題を修正しました。
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ソリューションにプロジェクトを新しく作成し、既存のプロジェクトと同じ名前を付けた場合、ソフトウェアがクラッシュする問題を修正しました。
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プロジェクトに権限を設定した後、.visファイルをダブルクリックしてもプロジェクトが正常に開かない問題を修正しました。
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経路計画の設定ツールの3D仮想画面の文字や座標軸のサイズ設定は、ツールを再度開いた後にのみ適用される問題を修正しました。
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「経路計画」設定ツール内で経路計画の設定をリセットすると、Mech-Visionソフトウェアがクラッシュする問題を修正しました。
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ディープラーニングモデルパッケージ管理ツールで設定を変更した後、ソフトウェアを再起動すると設定が失われる問題を修正しました。
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直行ロボットのキャリブレーション前の設定で、「カメラ位置に影響を与える直行ロボットの動き」が「Z軸を中心に回転」に設定した場合、設定が反映されない問題を修正しました。
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直行ロボットのキャリブレーション中に、複数のキャリブレーションボードを使用してキャリブレーションポイントを追加した後、キャリブレーションが失敗する問題を修正しました。
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キャリブレーション中にロボットのフランジ位置姿勢を手動で入力した際に、ソフトウェアがロボットモデル情報に基づいてオイラー角タイプを更新しない問題を修正しました。
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グラフィックスカード情報を正常に取得できない場合、ソフトウェアがGPU使用率が高いと誤判定し、点群が表示されない問題を修正しました。
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ダウンサンプリング関連の機能使用時に、稀にソフトウェアがクラッシュする問題を修正しました。
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「Pythonを使用して結果を計算」ステップを使用してスクリプトを実行した際にエラーが発生した場合にエラーメッセージに文字化けが含まれる問題を修正しました。
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「マスクをメッシュ化」ステップを使用して特定のデータを処理する際に、稀にソフトウェアがクラッシュする問題を修正しました。
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「輪郭から経路を生成」ステップで生成された経路に誤りがある問題を修正しました。
Mech-Visionを2.0.0バージョンにアップグレードする際は、アップグレードに関する注意事項 をご参照ください。 |