回転対称
本節では、対象物の回転対称性について説明します。
概要
本節で説明する「対称性」は「回転対称性」を指します。 |
回転対称とは、ワークをある点を中心に回転させた場合に元の図形に完全に重なり合うことです。
対称性がある対象物に対し、ワークライブラリでその対称性を設定することができます。
経路点の目標点タイプが対象物位置姿勢の場合、ワークの対称性を設定することでロボットがワークを保持している際のロボットハンドの回転を減らし、経路計画の成功率が向上し、計画時間が短縮され、ロボットの動作がよりスムーズで迅速になります。
対称性のタイプ
回転対称軸を確認する
ワークライブラリウィンドウで衝突モデルを設定する時にワークの対称軸を指定できます。X、Y、Z 軸はいずれもワーク座標系を基準とします。

以下では一般的な対象物の対称タイプを示します。
対称回数
対象物を対称軸を中心に a°回転させた後元の図形に完全に重なり合う時、対象物の対称回数は N =360°/a°です。
長方形箱の対称回数は 2 であり、三角柱は 3、円柱は円対称です。
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対称回数 = 2 |
対称回数 = 4 |
対称回数 = 9 |
円対称 |
角度範囲
下図に示すように、B と C の間の角度が角度範囲となります。

ロボットは指定された角度範囲内でワークの対称性に基づいて把持を試行します。
角度範囲は対象物の配置方式やコンテナの形状、ロボットハンドの種類、タクトなどによって設定する必要があります。
角度範囲が大きくて対称回数も多すぎると経路計画の速度は低下しますが、角度範囲があんまり小さいと実行可能な把持点を見逃す可能性があります。