1.8.0バージョンへのアップグレード

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以下では、1.8.0バージョンのMech-VisionとMech-Viz、通信コンポーネントをアップグレードする際の注意事項について説明します。

1.8.0バージョンでは、一部のロボット座標系の原点がロボットベース中心にないことによるロボットとソフトウェアのツール位置姿勢のZ値が一致しない問題を解決しました。

  • 1.8.0バージョンのソフトウェアでプロジェクトを新規作成する場合、一部のロボットの手動キャリブレーション、把持位置姿勢の設定、またはAdapterを介して計画されたまたは認識された結果をロボットに送信する際に、dh1を手動で補正する必要がなくなります。

  • 1.8.0バージョンのソフトウェアで過去バージョンのプロジェクトを開く場合、ソフトウェアは 互換モード になり、「互換モード」のウォーターマークが表示されます。一部のロボットの手動キャリブレーション、把持位置姿勢の設定、またはAdapterを介して計画されたまたは認識された結果をロボットに送信する際に、引き続きdh1の手動補正が必要です(既に過去バージョンのプロジェクトで補正済みの場合は無視してください)。

Mech-Vision 1.8.0とMech-Viz 1.8.0を連携して使用する場合、両者が同じモードにあることを確認してください。モードが一致しない場合、正常に使用できません。この場合、対応する操作を実行する必要があります。詳細は下表の通りです。

Mech-Vision通常モード

Mech-Vision互換モード

Mech-Viz通常モード

通常の通りに使用できます。

従来の方法でMech-Visionでプロジェクトを新規作成し、カメラの外部パラメータを再度キャリブレーションします。

Mech-Viz互換モード

従来の方法でMech-Vizでプロジェクトを新規作成します。

通常の通りに使用できます。

  • 1.8.0バージョンのソフトウェアで過去バージョンのプロジェクトを開くと、互換モードになります(プロジェクトを開いた後に保存しても互換モードのまま)。

  • 1.8.0バージョンのソフトウェアでプロジェクトを新規作成すると、通常モードになります。

Mech-Vision 1.8.0バージョンのアップグレードに関する注意事項

  • Mech-Visionを1.8.0バージョンにアップグレードした後、オペレーターインターフェイスを使用する際には以下のことに注意してください。

    • Mech-Vision 1.7.0およびそれ以前のバージョンで「代表的なプロジェクトを新規作成」機能を使用して設定されたオペレーターインターフェイスは使用できません。

    • Mech-Vision 1.8.0およびそれ以前のバージョンでカスタマイズされたオペレーターインターフェイスは引き続き使用可能ですが、関連する一部のファイルが変更されている可能性があるため、オペレーターインターフェイスが正常に開かれない場合があります。この問題を解決するには、Mech-Mind株式会社の技術サポートにお問い合わせください。

  • 1.8.0バージョンから、 カメラから画像を取得 ステップはMech-Eye TOFカメラ、MindVision 2Dカメラ、SmartRay 3Dラインレーザーセンサーの接続をサポートしなくなりました。

  • Mech-Vision 1.8.0バージョンでは、3D位置姿勢高精度推定 および「3D位置姿勢高精度推定(マルチモデル)」ステップの「サンプリング間隔」を最適化しました。過去バージョンのプロジェクトで「サンプリング間隔」が正しく設定されていない場合、プロジェクトの実行速度が低下する可能性があります。

  • Mech-Vision 1.8.0バージョンでは、把持位置姿勢を予測(複数タイプ) ステップのディープラーニングモデルを最適化し、ステップの実行中にモデル最適化時間が短縮されました。ただし、ソフトウェアのインストールやIPCの交換後にこのステップを初めて実行すると、モデルの最適化には時間がかかる場合があります。

  • Mech-Vision 1.8.0バージョンでは、把持位置姿勢を予測(V2) ステップの把持設定ファイルを最適化しました。Mech-Vision 1.7.4およびそれ以前のバージョンのソリューションライブラリからダウンロードしたプロジェクトは、Mech-Vision 1.8.0およびそれ以降のバージョンでは実行できず、対応するプロジェクトを再度ダウンロードする必要があります。

  • Mech-Vision 1.8.0バージョンでは、ステップライブラリを最適化し、いくつかのステップを削除し、いくつかのステップのグループを変更しました。詳細は下表の通りです。

    削除されたステップ 「古いバージョン」グループに変換されたステップ

    視差画像を計算、長方形の2D位置姿勢を計算、長方形の寸法と位置姿勢を計算、2Dマッチング、箱を数える、ディープラーニングモデルを推論(Mech-DLK 2.1.0/2.0.0)、欠陥検出、マーカーを検出、エッジ検出(ディープラーニング)、画像分類、長方形候補を生成、インスタンスセグメンテーション、2Dテンプレートを読み込む、対象物検出、パレット情報認識、カメラのパラメータ補正を検証して計算、2D位置姿勢を評価、指定したサイズの長方形のエッジテンプレートを生成、重複ポリゴンを除去、マスク以外のポリゴンを除去、キャリブレーションボードの位置姿勢を計算

    重複対象物を除去、重複対象物を除去(V2)、3D位置姿勢低精度推定、3D位置姿勢高精度推定(マルチモデル)、3D位置姿勢低精度推定(マルチモデル)、位置姿勢を一括調整、3D位置姿勢をソート

Mech-Viz 1.8.0バージョンのアップグレードに関する注意事項

  • 1.8.0バージョンでは、奇異点検出アルゴリズムが最適化されました。アップグレード後、奇異点検出の結果が過去バージョンと一致しない可能性がありますが、ソフトウェアはより正確な奇異点検出結果を提供します。

  • 1.8.0バージョンでは、ロボットの肩、肘、腕の動作範囲制限アルゴリズムが最適化されました。アップグレード後、ロボットの経路が過去バージョンと一致しない可能性がありますが、最適化されたアルゴリズムにより、ロボットの肩、肘、腕の動作範囲制限が有効になり、ロボット動作の精度と制御性が向上します。

  • 1.8.0バージョンでは、逆解の選択アルゴリズムが最適化されました。アップグレード後、ロボットの経路が過去バージョンと一致しない可能性がありますが、ソフトウェアはより多くの解を見つけ、その中から最適な解を選択し、より優れた経路を計画できるようになります。

  • 1.8.0バージョンでは、STL形式のロボットハンドの衝突モデルはサポートされなくなりました。STL形式のロボットハンドの衝突モデルを使用しているプロジェクトの場合、モデルエディタを使用して.stlファイルを.objファイルに変換し、ロボットハンドの衝突モデルを再設定する必要があります。

通信コンポーネントのアップグレードに関する注意事項

通信コンポーネントの使用方式について

  • 1.8.0バージョンから、Mech-VisionまたはMech-Vizの起動時に、Mech-Centerはビジョンシステムの通信コンポーネントのみとしてバックグラウンドで実行されます。

  • Mech-Centerのユーザーインターフェイスは提供されなくなります。標準インターフェース通信とAdapter通信に関する設定はMech-Visionで、Vizティーチング通信に関する設定はMech-Vizで実行する必要があります。

Adapterプロジェクトについて

  • Mech-Viz 1.8.0バージョンでは、「DOを設定」および「DIをチェック」ステップのパラメータを変更しました。したがって、過去バージョンのAdapterプロジェクトにこの2つのステップが含まれている場合は、対応するコードのステップパラメータを変更する必要があります(ステップパラメータの対応するキー名は、キークエリツール で確認できます)。

  • 標準インターフェースを継承して作成された過去バージョンのAdapterプロジェクトは、ソフトウェアのアップグレード後に正常に使用するために初期化パラメータを追加する必要があります。各プロトコルの変更内容は、ソフトウェアのインストールディレクトリにある Mech-Center\Robot_Interface\Adapter_Sample_Projects\Adapter Inherits Standard Interface フォルダで確認できます。

ロボットの標準インターフェース通信について

  • 現場で標準インターフェースプログラムを再度インストールしていない場合、かつ「通知」ステップのメッセージを受信する(601コマンド)必要がない場合、ロボットプログラムを変更する必要はありません。

  • 現場で標準インターフェースプログラムを再度インストールしていない場合、かつ「通知」ステップのメッセージを受信する(601コマンド)必要がある場合、ロボットプログラムでmm_get_notifyプログラムを手動で実装する必要があります。サポートが必要な場合は、Mech-Mind株式会社の技術サポートにお問い合わせくさい。

  • 現場で標準インターフェースプログラムを再度インストールしている場合、以下の手順に従ってロボットプログラムを変更する必要があります。

    • 標準インターフェースを使用してABBロボットと通信する場合、ロボットプログラムは通信を接続および切断するためにMM_Open_SocketとMM_Close_Socketを使用する必要があります。

    • FANUC、KUKA、ABB、YASKAWA、およびKAWASAKIの5つのロボットメーカーの標準インターフェースのサンプルプログラムには、以下の変更があります。

      • mm_get_vizdata、mm_get_visdata、mm_get_vispath、mm_get_plandata、およびmm_get_dydataの5つのプログラムからlastdataパラメータを削除し、すべてのビジョンデータを受信するまで、プログラム内でループするように変更しました。

      • mm_get_dolistおよびmm_get_plandataプログラムには、DO信号または「ビジョン処理による移動」の計画結果の出力先(Mech-VisionまたはMech-Viz)を区別するためのresourceパラメータを追加しました。

      • ロボットプログラムは、プロジェクトの「通知」ステップで設定されたメッセージを受信するために、以前はメッセージデータを直接受信するのとは異なり、mm_get_notifyプログラムを呼び出す必要があります。

PLC標準インターフェース通信について

  • 現場で標準インターフェースプロジェクトを再度ダウンロードしていない場合、かつ「通知」ステップのメッセージを受信する(601コマンド)必要がない場合、PLCプログラムを変更する必要はありません。

  • 現場で標準インターフェースプロジェクトを再度ダウンロードしていない場合、かつ「通知」ステップのメッセージを受信する(601コマンド)必要がある場合、PLCプログラムでMM_Get_Custom_Notify機能を手動で実装する必要があります。サポートが必要な場合は、Mech-Mind株式会社の技術サポートにお問い合わせください。

  • 現場で標準インターフェースプロジェクトを再度ダウロードしている場合、以下の手順に従ってPLCプログラムを変更する必要があります。

    • PLCは、メッセージデータを直接受信するのではなく、プロジェクトの「通知」ステップで設定されたメッセージを受信するために、MM_Get_Custom_Notify関数を使用する必要があります。

    • PLCは標準インターフェース通信にSiemens PLC Snap 7を使用し、入出力パラメータに変更が加えられます。

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