サンプルプログラム1:MM_S1_Vis_Basic

現在ご覧いただいているのは最新版の内容です(V2.1.1)。異なるバージョンを参照する場合は、画面右上のボタンから切り替えが可能です。

■ ご利用中のバージョンが分からない場合はお気軽にサポート窓口までご連絡ください。

プログラム概要

機能

ロボットがMech-Visionプロジェクトをトリガーして実行し、その後ビジョン結果を取得して、把持および配置を実行します。

ファイル場所

Mech-VisionとMech-Vizソフトウェアのインストールディレクトリにある Communication Component/Robot_Interface/ABB/sample/MM_S1_Vis_Basic

RobotWare6システムを使用する場合、ファイルの拡張子は .mod です。RobotWare7システムを使用する場合、ファイルの拡張子を .mod から .modx に変更する必要があります。

必要なプロジェクト

Mech-Visionプロジェクト

使用前提

  1. 標準インターフェース通信設定が完了したこと。

  2. 自動キャリブレーションが完了したこと。

このサンプルプログラムは参考用です。ユーザーは実際の状況に応じて、このプログラムを基に変更を加える必要があります。このプログラムをそのまま使用しないでください。

プログラム説明

以下はMM_S1_Vis_Basicサンプルプログラムのコードと関連する説明です。

MODULE MM_S1_Vis_Basic
!--------------------------------------------------------------
! FUNCTION: trigger Mech-Vision project and get vision result
! Mech-Mind, 2023-12-25
!-------------------------------------------------------------
!define local num variables
LOCAL VAR num pose_num:=0;
LOCAL VAR num status:=0;
LOCAL VAR num label:=0;
LOCAL VAR num toolid:=0;
!define local joint&pose variables
LOCAL CONST jointtarget home:=[[0,0,0,0,90,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL CONST jointtarget snap_jps:=[[0,0,0,0,90,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget camera_capture:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget pick_waypoint:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget pickpoint:=[[500,100,300],[0.00226227,-0.99991,-0.00439596,0.0124994],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget drop_waypoint:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget drop:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
!define local tooldata variables
LOCAL PERS tooldata gripper1:=[TRUE,[[0,0,0],[1,0,0,0]],[0.001,[0,0,0.001],[1,0,0,0],0,0,0]];

PROC Sample_1()
    !set the acceleration parameters
    AccSet 50, 50;
    !set the velocity parameters
    VelSet 50, 1000;
    !move to robot home position
    MoveAbsJ home\NoEOffs,v3000,fine,gripper1;
    !initialize communication parameters (initialization is required only once)
    MM_Init_Socket "127.0.0.1",50000,300;
    !move to image-capturing position
    MoveL camera_capture,v1000,fine,gripper1;
    !open socket connection
    MM_Open_Socket;
    !trigger NO.1 Mech-Vision project
    MM_Start_Vis 1,0,2,snap_jps;
    !get vision result from NO.1 Mech-Vision project
    MM_Get_VisData 1,pose_num,status;
    !check whether vision result has been got from Mech-Vision successfully
    IF status<>1100 THEN
        !add error handling logic here according to different error codess
        !e.g.: status=1003 means no point cloud in ROI
        !e.g.: status=1002 means no vision result
        Stop;
    ENDIF
    !close socket connection
    MM_Close_Socket;
    !save first vision point data to local variables
    MM_Get_Pose 1,pickpoint,label,toolid;
    !move to intermediate waypoint of picking
    MoveJ pick_waypoint,v1000,z50,gripper1;
    !move to approach waypoint of picking
    MoveL RelTool(pickpoint,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;
    !move to picking waypoint
    MoveL pickpoint,v300,fine,gripper1;
    !add object grasping logic here, such as "setdo DO_1, 1;"
    Stop;
    !move to departure waypoint of picking
    MoveL RelTool(pickpoint,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;
    !move to intermediate waypoint of placing
    MoveJ drop_waypoint,v1000,z50,gripper1;
    !move to approach waypoint of placing
    MoveL RelTool(drop,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;
    !move to placing waypoint
    MoveL drop,v300,fine,gripper1;
    !add object releasing logic here, such as "setdo DO_1, 0;"
    Stop;
    !move to departure waypoint of placing
    MoveL RelTool(drop,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;
    !move back to robot home position
    MoveAbsJ home\NoEOffs,v3000,fine,gripper1;
ENDPROC
ENDMODULE

上記のサンプルプログラムの処理流れは、下図の通りです。

sample1

下表は上記のプログラムのコードとその説明です。コマンド名のリンクをクリックすることで、その詳細を確認できます。

処理流れ コートと説明

変数を定義

!define local num variables
LOCAL VAR num pose_num:=0;
LOCAL VAR num status:=0;
LOCAL VAR num label:=0;
LOCAL VAR num toolid:=0;
!define local joint&pose variables
LOCAL CONST jointtarget home:=[[0,0,0,0,90,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL CONST jointtarget snap_jps:=[[0,0,0,0,90,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget camera_capture:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget pick_waypoint:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget pickpoint:=[[500,100,300],[0.00226227,-0.99991,-0.00439596,0.0124994],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget drop_waypoint:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
LOCAL PERS robtarget drop:=[[302.00,0.00,558.00],[0,0,-1,0],[0,0,0,0],[9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9,9E+9]];
!define local tooldata variables
LOCAL PERS tooldata gripper1:=[TRUE,[[0,0,0],[1,0,0,0]],[0.001,[0,0,0.001],[1,0,0,0],0,0,0]];

ローカル変数を定義します。上記のローカル変数は本プログラムのみで有効となります。

ユーザーは事前に初期位置(home)、Mech-Visionプロジェクトに送信する位置姿勢(snap_jps)、撮影位置(camera_capture)、把持の中間点(pick_waypoint)、配置の中間点(drop_waypoint)、配置点(drop)をティーチングし、ロボットハンドのデータ(gripper1)を設定する必要があります。

詳細については、「キャリブレーション開始点の設定」をご参照ください。

加速度と速度を設定

!set the acceleration parameters
AccSet 50, 50;
!set the velocity parameters
VelSet 50, 1000;
  • AccSet 50, 50:加速度を通常の50%に制限し、加速度の増減率を通常の50%に制限します。

  • VelSet 50, 1000:速度をプログラムされた速度の50%に設定し、最大TCP速度を1000mm/sに設定します。

初期位置に移動

!move to robot home position
MoveAbsJ home\NoEOffs,v3000,fine,gripper1;
  • MoveAbsJ:ABBロボット用の絶対位置移動コマンド。ロボットの各関節が指定位置までそれぞれ移動することを意味します。

  • home:ロボットが移動する目標位置を指定します。この場合、ティーチング法で設定された初期位置を指します。通常、この位置はロボットがワークや周辺機器から安全な位置に離れている場所です。

  • \NoEOffs:移動は外部軸からの影響なし。

  • v3000:ロボットの移動速度は3000mm/s。

  • fine:指定位置までばっちり移動。

  • gripper1:移動中に使用されるロボットハンド。

このコードは、ロボットが3000mm/sの速度で、ティーチングされた初期位置までばっちり移動する(外部軸からの影響なし)ことを意味します。

通信初期化

!initialize communication parameters (initialization is required only once)
MM_Init_Socket "127.0.0.1",50000,300;

ロボットが MM_Init_Socket コマンドを使用して、通信対象(IPC)のIPアドレス(127.0.0.1)、ポート番号(50000)、タイムアウト待機時間(300秒)を指定することを意味します。

実際の状況に基づいてIPCのIPアドレスやポート番号を変更し、ビジョンシステムで設定されたパラメータと一致するようにする必要があります。

撮影位置に移動

!move to image-capturing position
MoveL camera_capture,v1000,fine,gripper1;
  • MoveL:ABBロボットの直線移動コマンド。ロボットが指定された位置まで直線的に移動することを意味します。

  • camera_capture:ロボットが移動する目標位置を指定します。この場合、ティーチング法で設定された撮影位置を指します。撮影位置とは、カメラが画像を撮影したときにロボットがいる位置を指します。この位置では、ロボットアームがカメラ視野を遮らないようにする必要があります。

このコマンドは、ロボットが1000mm/sの移動速度で、直線移動の方式で撮影位置に移動することを意味します。

通信確立

!open socket connection
MM_Open_Socket;

ロボットは MM_Open_Socket コマンドを使用して、ビジョンシステムとの間のTCPプロトコル通信接続を確立します。

Mech-Visionプロジェクトをトリガー

!trigger NO.1 Mech-Vision project
MM_Start_Vis 1,0,2,snap_jps;
  • MM_Start_Vis:Mech-Visionプロジェクトの実行をトリガーするためのコマンド。

  • 1:Mech-Visionプロジェクト番号。

  • 0:Mech-Visionプロジェクトがすべてのビジョンポイントを返すことを期待します。

  • 2:ロボットの現在のフランジ位置姿勢をMech-Visionプロジェクトに送信します。

  • snap_jps:ユーザーによりカスタマイズされた関節角度。本プログラムでは、関節角度は使用されませんが、設定する必要があります。

このコマンドは、ロボットがビジョンシステムをトリガーして番号1のMech-Visionプロジェクトを実行し、Mech-Visionプロジェクトがすべてのビジョンポイントを返すことを期待することを意味します。

ビジョン結果を取得

!get vision result from NO.1 Mech-Vision project
MM_Get_VisData 1,pose_num,status;
  • MM_Get_VisData:ビジョン結果を取得するためのコマンド。

  • 1:Mech-Visionプロジェクト番号。

  • pose_num:この変数は取得したビジョンポイントの数を保存します。

  • status:この変数はコマンド実行のステータスコードを保存します。

このコマンドは、ロボットがMech-Visionプロジェクト1から返されたビジョン結果を取得することを意味します。

返されたビジョン結果はロボットのメモリに保存されるため、この時点ではユーザーがビジョン結果を直接取得することはできません。その後の「ビジョン結果を保存」コマンドを実行することで、結果を取得することができます。
!check whether vision result has been got from Mech-Vision successfully
IF status<>1100 THEN
    !add error handling logic here according to different error codess
    !e.g.: status=1003 means no point cloud in ROI
    !e.g.: status=1002 means no vision result
    Stop;
ENDIF

ステータスコードが1100の場合、ロボットがビジョン結果の取得に成功したことを意味します。そうでない場合、ビジョンシステムにエラーが発生したことを意味します。ユーザーは、特定のエラーコードに応じて適切な処理を行うことが可能です。

通信接続を切断

!close socket connection
MM_Close_Socket;

ロボットは MM_Close_Socket コマンドを使用して、ビジョンシステムとの間のTCPプロトコル通信接続を切断します。

ビジョン結果を保存

!save first vision point data to local variables
MM_Get_Pose 1,pickpoint,label,toolid;
  • MM_Get_Pose:ビジョン結果を保存するためのコマンド。

  • 1:最初のビジョンポイントを保存します。

  • pickpoint:この変数は最初のビジョンポイント(把持点)のツール位置姿勢を保存します。

  • label:この変数は最初のビジョンポイントに対応するラベルを保存します。

  • toolid:この変数は最初のビジョンポイントに対応するロボットハンド番号を保存します。

このコマンドは、最初のビジョンポイントのツール位置姿勢、ラベル、およびロボットハンド番号をそれぞれ指定された変数に保存することを意味します。

中間点に移動

!move to intermediate waypoint of picking
MoveJ pick_waypoint,v1000,z50,gripper1;
  • MoveJ:ロボットの関節移動コマンド。ロボットが円弧型の経路に沿って指定された位置に移動することを意味します。

  • pick_waypoint:ロボットが移動する目標位置を指定します。この場合、中間点を指します。

  • z50:ブレンド半径は50㎜。

このコマンドは、ロボットが関節移動の方式で、速度1000mm/s、ブレンド半径50mmで、撮影位置と把持のアプローチ点の間の中間点に移動することを意味します。

中間点を追加することで、ロボットの移動がスムーズになり、不要な衝突を避けることができます。実際の状況に応じて複数の中間点を追加することが可能です。

把持のアプローチ点に移動

!move to approach waypoint of picking
MoveL RelTool(pickpoint,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;
  • MoveL:ABBロボットの移動コマンド。ロボットが指定された位置まで直線的に移動することを意味します。

  • RelTool(pickpoint,0,0,-100):ロボットの目標位置を指定します。RelToolはツール座標系に対する相対移動、pickpoint(把持点)はツール座標系に対する基準点、「0,0,-100」はpickpointに対するZ軸の負の方向に100㎜を示します。つまり、ロボットが把持点から100mm上まで移動し、把持のアプローチ点に到達します。

このコマンドは、ロボットが1000mm/sの移動速度で、把持点から100mm上の位置まで直線的に移動することを意味します。

把持のアプローチ点を追加することで、ロボットが移動する際にシーンの物体(コンテナなど)と衝突するのを防ぐことができます。実際の状況に応じて、Z軸方向のオフセット値を変更して、移動中に衝突がないようにしてください。

把持点に移動

!move to picking waypoint
MoveL pickpoint,v300,fine,gripper1;

ロボットは直線移動の方式で、把持のアプローチ点から把持点に移動します。

DO設定による把持

!add object grasping logic here, such as "setdo DO_1, 1;"
Stop;

ロボットが把持点に到達した後、DOコマンド(例:setdo DO_1, 1;)を設定して、ロボットハンドを制御し、ワークを把持します。実際の状況に応じてDO設定を調整する必要があります。

Stopはプログラムの実行を中止することを意味します。DO設定コマンドが設定されている場合、このStopコマンドは削除できます。

把持の離れる点に移動

!move to departure waypoint of picking
MoveL RelTool(pickpoint,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;

ロボットは把持点から100㎜上まで移動します。この位置を把持の離れる点と呼びます。

把持の離れる点を追加することで、ロボットが移動する際にシーン内の物体(コンテナなど)との衝突を防ぐことができます。実際の状況に応じて、Z軸方向のオフセット値を変更して、離れる際に衝突がないようにしてください。

中間点に移動

!move to intermediate waypoint of placing
MoveJ drop_waypoint,v1000,z50,gripper1;

ロボットは把持の離れる点と配置のアプローチ点の間の中間点に移動します。

中間点を追加することで、ロボットの移動がスムーズになり、不要な衝突を避けることができます。実際の状況に応じて複数の中間点を追加することが可能です。

配置のアプローチ点に移動

!move to approach waypoint of placing
MoveL RelTool(drop,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;

ロボットは配置点から100㎜上まで移動します。この位置を配置のアプローチ点と呼びます。

配置のアプローチ点を追加することで、ロボットが移動する際にシーンの物体(コンテナなど)と衝突するのを防ぐことができます。実際の状況に応じて、Z軸方向のオフセット値を変更して、移動中に衝突がないようにしてください。

配置点に移動

!move to placing waypoint
MoveL drop,v300,fine,gripper1;

ロボットが配置のアプローチ点から配置点に移動します。

DO設定による配置

!add object releasing logic here, such as "setdo DO_1, 0;"
Stop;

ロボットが配置点に到達した後、DOコマンド(例:setdo DO_1, 0;)を設定して、ロボットハンドを制御し、ワークを配置します。実際の状況に応じてDO設定を調整する必要があります。

Stopはプログラムの実行を中止することを意味します。DO設定コマンドが設定されている場合、このStopコマンドは削除できます。

配置の離れる点に移動

!move to departure waypoint of placing
MoveL RelTool(drop,0,0,-100),v1000,fine,gripper1;

ロボットは配置点から100㎜上まで移動します。この位置を配置の離れる点と呼びます。

配置の離れる点を追加することで、ロボットが移動する際にシーン内の物体(コンテナなど)との衝突を防ぐことができます。実際の状況に応じて、Z軸方向のオフセット値を変更して、離れる際に衝突がないようにしてください。

初期位置に移動

!move back to robot home position
MoveAbsJ home\NoEOffs,v3000,fine,gripper1;

ロボットが配置の離れる点から初期位置に戻ります。

この情報は役に立ちましたか?

ご意見・ご要望がございましたら、以下よりお寄せください:

Mech-Mindは、お客様のプライバシーを重視しています

このサイトでは最高の体験を提供するために Cookie を使用しています。サイトの閲覧を続ける場合、Cookie の使用に同意したことになります。「拒否する」を選択すると、このサイトを訪れた際に追跡や記憶が行われないように単独の Cookie が使用されます。