キャリブレーションボール

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キャリブレーションボールは通常、ハンドアイのドリフト自動補正に使用されます。本文では、キャリブレーションボールの型番選択と取り付け、メンテンナンスについて説明します。

キャリブレーションボールの型番選択

キャリブレーションボールの選択時には、Mech-Mindが提供するキャリブレーションボール(推奨)を使用するか、キャリブレーションボールを自分で用意することができます。

Mech-Mindが提供するキャリブレーションボールを使用

Mech-Mindが提供するキャリブレーションボールの説明は下表の通りです。

仕様 イメージ図 備考

キャリブレーションボール×3

  • 完全性:4分の5のボールで、直径は60mmです。

  • 構造:ボールの中心にはM8規格のねじ穴があり、穴の深さは15mmです。ボールの両側には、それぞれM5規格のねじ穴があり、穴の深さは12mmで、2つの穴の間隔は40mmです。

  • 材質:ステンレス鋼

  • 表面処理:ブラスト処理(灰白色)

suite 1

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キャリブレーションボールを自分で用意

ご自身でキャリブレーションボールを用意する場合は、上表の要件に加え、用意されたキャリブレーションボールが以下の要件を満たしている必要があります。

材質 直径 球形度 完全性

点群品質が良いものを使用してください(表面が滑らかで光沢がない鉄球、セラミック製のボールなど)。

  • カメラからキャリブレーションボールまでの距離が0.5m〜2mの場合、直径約60mmのキャリブレーションボールを選択できます。

  • (よく使わない)カメラからキャリブレーションボールまでの距離が0.5m未満の場合、直径約30mmまたは40mmのキャリブレーションボールを選択できます。

  • (よく使わない)カメラからキャリブレーションボールまでの距離が2mを超える場合、直径約100mmのキャリブレーションボールを選択できます。

球形度は1に近く、楕円球を使用しないでください。

キャリブレーションボールの一部を切り取り、切断面を形成することで、キャリブレーションボールの取り付けが容易になりますが、ボールの完全性を確保するためには少なくとも4分の5のボールが完全である必要があります。

ボルトやピンの選定

Mech-Mindはボルトやピンは提供しておりませんので、実際の状況に応じて適切なボルトやピンをご自身で用意する必要があります。

番号 仕様 イメージ図 備考

1

12.9強度 M8 ボルトセット×3

  • 材質:304ステンレス鋼は推奨します。

  • 長さ:現場の実際の状況に応じて選択します。一般的に、ボルトの長さは19 mm以上です。

  • ナットの形式:現場の実際の状況に応じて選択します。

suite 2

キャリブレーションボールの中心にあるねじ穴と組み合わせて使用します。

2

φ6 円柱状ピン(M6)×6

  • 材質:304ステンレス鋼または硬化鋼は推奨します。

  • 長さ:現場の実際の状況に応じて選択します。一般的に、ピンの長さは6 mmから10 mmの範囲です。

suite 3

キャリブレーションボールの両側のピン穴と組み合わせて使用します。

キャリブレーションボールの取り付け

キャリブレーションボールの取り付け位置が正確であることを確認

ハンドアイのドリフト自動補正 の設定手順を完了すると、キャリブレーションボールの撮影位置が自動的に生成されます。カメラが撮影する際に、キャリブレーションボールとワークがカメラの視野内で同じ場所または近くにあることを確認する必要があります。

same location

キャリブレーションボールの取り付け手順を下図に示します。

installation drawings

キャリブレーションボールのしっかりした取り付けを確保

キャリブレーションボールを取り付けた後、キャリブレーションボールが長期間しっかりと固定され、緩むことのないようにする必要があります。具体的な注意事項は以下の通りです。

  • ワッシャーを取り付けることができない場合は、必ずボルトに接着剤を塗布してください。

    • 接着剤の選択:ロックタイト243 接着剤の使用を推奨します。

    • 接着剤の塗布位置:ネジの締結箇所。

    • 接着剤量の制御:接着剤がネジ溝から溢れないようにし、ボルトを取り上げた後に接着剤が滴らないようにしてください。

  • ボルトの締め付け要件:

    • 推奨ボルトのレンチ長さ:120 mm

    • ボルトの推奨締め付け力:38〜51 N

  • キャリブレーションボールをボルトで固定する際には、ボルトがナットから露出する長さがボルトの直径の約0.3倍程度になるように注意してください。

  • キャリブレーションボールを直接地面に取り付けないでください。代わりに、多孔性のボルトやピンの座を使用して、地面にしっかりと固定してください。

  • キャリブレーションボールを取り付けた後、ボルト、ピン、および接触面にマーカーペンを使用してマーキングし、後でキャリブレーションボールが緩んでいないかを確認できるようにします。

  • キャリブレーションボールが衝突の可能性がある場合や生産環境での異物(塵、溶接スパッタなど)が飛散する場合は、キャリブレーションボールに保護カバーを取り付ける必要があります。

撮影位置でロボットハンドが衝突しないことを確認

ロボットが大きなまたは長いハンドを搭載してキャリブレーションボールの撮影位置に移動する場合、ロボットハンドがキャリブレーションボール周囲の物体と衝突しないように注意する必要があります。具体的な注意事項は以下の通りです。

  • ロボットハンドがキャリブレーションボールの側面の物体と衝突する可能性がある場合、キャリブレーションボールをより広い場所に移動します。

  • ロボットがキャリブレーションボールの底部の物体と衝突する可能性がある場合、キャリブレーションボールのベースの高さを高くする必要があります。

キャリブレーションボールが適切に配置されていることを確認

ハンドアイのドリフト自動補正の設定手順 では、ツールはカメラ視野内のキャリブレーションボールの推奨される取り付け位置を生成します。取り付け時に、以下の注意事項を守って、キャリブレーションボールが適切に配置されていることを確認する必要があります。

  • キャリブレーションボールは、二等辺三角形の配置にします。

  • 3つのキャリブレーションボールの外接長方形とカメラ視野の境界との間の距離は、全視野の約15%を占めます。

  • ワークのサイズが小さい場合、3つのキャリブレーションボールの間の距離を適切に小さくすることができます。

reasonable distribution

キャリブレーションボールのメンテナンス

キャリブレーションボールの取り付けが完了したら、定期的にキャリブレーションボールをメンテナンスする必要があります。詳細な手順は以下の通りです。

  • 定期的にキャリブレーションボールが緩んでいないかを確認します。緩んでいる場合は、再度取り付けを行います。

  • 定期的にキャリブレーションボールの表面に異物が付着していないかを確認します。異物が付着している場合は、圧縮空気を使用して吹き飛ばし、力任せに手入れしないようにします。

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