Mech-MSRの更新説明
Mech-MSR 3D測定・検査ソフトウェアへようこそ!以下では、各バージョンの新機能や機能最適化、問題修復について説明します。
Mech-MSR 2.1.0 バージョンの更新説明
新機能
新しいステップ
Mech-MSR 2.1.0バージョンでは、データ取得、サーフェス処理、幾何学的測定、ディープラーニング推論、およびデータ変換・保存に関する複数のステップが追加されました。
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構造化光3Dカメラを制御してデータを取得するか、ローカルに保存されたデータを読み込みます。
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隣接するデータ点の類似度に基づいて、サーフェスデータのノイズを除去します。
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プロファイルと基準線で囲まれた領域の面積を測定します。
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サーフェスデータから円柱をフィッティングし、半径、中心点、傾斜角度などのパラメータを計算します。
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サーフェスデータから球体をフィッティングし、球体の半径と球心を計算します。
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特徴領域内に複数のサブ領域を設定し、それぞれの領域内のサーフェスデータの平均高さ、最高点、最低点を計算します。さらに、各サブ領域のサーフェスデータの面積や、基準平面に対する体積も測定可能です。
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サーフェスデータと3Dモデルとの偏差を測定します。
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Mech-DLKからエクスポートされた単体モデルパッケージを使用して推論を行い、推論結果を出力します。
このステップでディープラーニング推論を実行するには、Mech-DLKソフトウェアライセンス(Pro-Run または Pro-Trainバージョン)が必要です。ライセンスの取得については、営業担当までお問い合わせください。ソフトウェアライセンスの詳細については、ソフトウェアライセンス をご参照ください。 -
STLモデルファイルをサーフェスデータに変換できます。
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サーフェスデータを選択したファイル形式で指定のパスに保存できます。
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他のステップの出力を全て受け入れます。
新しい「複数台プロファイル測定器のキャリブレーション」機能
複数台のプロファイル測定器のキャリブレーション をサポートしています。複数の測定器を使用して同一物体をスキャンし、画像の合成を完了できるようになりました。
複数台のプロファイル測定器は、並列、対向、または対面のレイアウトで配置できます。
並列 | 対向 | 対面 |
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2~4台 |
2台 |
2台 |
画像更新時のプロジェクト自動実行をサポート
プロファイル測定器が連続取得モードの場合、Mech-MSRプロジェクトは、測定器から画像データを受信するたびに自動で実行されます。詳細については、プロジェクトツールバー をご参照ください。
新しい「統計レポート」機能
統計レポート では、データテーブルとチャートを用いて一定期間の測定データを直感的に表示し、検索結果のエクスポートにも対応しています。
新しい通信方式
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3D測定システムは、PROFINETプロトコルを通じてPLCと通信をサポートします。設定方法については、PROFINET通信設定 をご参照ください。
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プロファイル測定器のI/O端子を使用してプロジェクトの実行をトリガーし、プロジェクトの品質判定結果を出力することが可能です。設定方法については、プロファイル測定器のI/O端子設定 をご参照ください。
新しい環形円柱特徴領域タイプ
長方体、円柱、楕円柱タイプの特徴領域に加えて、環形円柱タイプの特徴領域を追加しました。このタイプは、内外径を持つ円柱形の物体の処理に適しています。特徴領域の設定と調整方法については、特徴領域 をご参照ください。
新しいツール
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サーフェス偏差を測定 ステップのパラメータ設定エリアから開くことができます。偏差結果の表示および統計を行います。
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ディープラーニングモデルパッケージをインポートし、既存のモデルパッケージを管理します。ディープラーニングモデルパッケージは、推論 に使用されます。
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Pythonパッケージ管理ツール
メニューバーから
を選択すると、このツールを開くことができます。Pythonパッケージの検索、インストール、アンインストールが可能で、Pythonパッケージの一括インポートおよびエクスポートもサポートしています。
機能最適化
Mech-MSR 2.1.0 バージョンでは、ステップ、通信、補助ツール、およびオペレーターインターフェイスを最適化し、ソフトウェアの機能柔軟性とデータ処理能力を向上させました。
ステップについて
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複数のプロファイル測定器を同時に接続してデータ取得をサポートします。
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「動的しきい値」と「適応的しきい値」の拡張フィルターを使用してサーフェスデータを処理できます。
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ブロブ間の最小距離を制限することで、最終的に検出されるブロブの距離が近すぎる問題を回避できます。
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位置合わせパラメータグループを使用し、対象物の位置に合わせて、軌跡線が画像内で同期して変換できます。
通信機能について
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ソフトウェアは、プロジェクトが正常に実行された後、設定されたreturnコマンドデータ形式でプロジェクト結果をクライアントに送信できます。
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PLCに文字列データを送信することがサポートされます。
問題修正
Mech-MSR 2.1.0バージョンでは、以下の問題を修正しました。
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オペレーターインターフェースの表示ウィンドウで画像上に重ねたグラフィックが直線の場合、直線の位置がずれる可能性がある問題を修正しました。
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「デバッグ結果出力」を有効にした状態で、サーフェスの前処理 ステップで使用されるフィルタータイプが「二値化処理」、「ヒストグラム均等化」、「ラプラシアン」、「ソーベル」の場合、パラメータ調整後の出力画像に含まれる各点の深度値がすべて同じになると、ソフトウェアがクラッシュする問題を修正しました。
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Windowsの「地域の形式」設定が、小数点を半角カンマで表す言語のいずれかに設定されている場合、ソフトウェアの言語を英語に変更すると、この設定が正しく適用されず、ユーザーが設定したステップの出力項目の合格範囲が失われる問題を修正しました。
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予期しない電源オフや強制シャットダウンが発生した際、出力管理 ウィンドウ内のすべての設定およびステップ出力項目の合格範囲設定が失われる問題を修正しました。
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「データ保存」ウィンドウでデータ保存機能を有効にし、設定を保存した後、再度開いてウィンドウをドラッグすると、ログバーに異常なワーニングが表示され、「保存モード」や「ディスク容量不足時の保存ルール」を即時変更できない問題を修正しました。