メンテナンス保守
以下では、キャリブレーションボールの日常的なメンテナンス手順について説明します。
キャリブレーションボールの日常メンテナンス
取得されたキャリブレーションボールの位置姿勢が正確で信頼できることを確保するために、毎日キャリブレーションボールに対して以下の確認を行うことをお勧めします。
緩みの確認と対処
緩みの確認
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目視でキャリブレーションボールの表面を確認し、傷、へこみ、汚れ、またはその他の物理的な損傷がないか確認します。
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ボルトと接触面のマーキングを確認し、以下の問題がないかをチェックしてください。
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マーキングがまだはっきり見えるかどうか。
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マーキングがずれていたり破損していないか。
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マーキングの状態がボルトの緩みの有無を示すため、異常が発見された場合は記録し、担当者へ報告してください。 |
緩みの対処
キャリブレーションボールに緩みや位置ずれが発見された場合、以下の手順に従って操作してください。
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キャリブレーションボールをしっかりと再固定し、緩みの原因を特定して解決します。
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ロボットの自動補正プログラムを実行し、キャリブレーションボールの位置姿勢を再取得してドリフト補正データを生成します。
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ロボットがすべてのワークを正常に把持できるかどうかをテストします。
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すべてのワークを正常に把持できる場合、操作を終了します。
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すべてのワークを正常に把持できない場合、ドリフト自動補正機能を再設定する必要があります。
ただし、再設定する前に、ドリフト自動補正機能がない状態でロボットがワークを正常に把持できるかを確認する必要があります。
この場合、一時的にドリフト自動補正機能を無効にします。具体的には、ビジョンプロジェクト内の「出力」または「経路計画」ステップで、「ドリフト自動補正」パラメータのチェックを外します。その後、ロボットがワークを正常に把持できるかをテストします。
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すべてのワークを正常に把持できる場合、ドリフト自動補正機能を再設定するだけで問題ありません。
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ワークを正常に把持できない場合、ロボットの把持精度が正常であることを確認してください(例: ティーチング法を使用して把持位置姿勢を再設定する)。その後、ドリフト自動補正機能を再設定します。
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ほこりの確認と対応
キャリブレーションボール表面にほこりがないかを確認し、見つかった場合は以下の手順で清掃を行ってください。
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準備作業:防塵手袋を着用し、キャリブレーションボールの表面に直接触れないようにします。指紋や油汚れなどが残らないように注意します。
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初期清掃:手動式エアブロワーを使用して、キャリブレーションボールの表面のほこりや微粒子、その他の浮遊した汚れを軽く吹き飛ばします。
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無塵白布での拭き取り:無塵白布を使用して、キャリブレーションボールの表面を軽く拭き取ります。布にほこりが付いていないことを確認し、摩擦による傷が付かないようにします。
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再度ブロワーの使用:再度手動式エアブロワーを使用して、拭き取り後のキャリブレーションボールの表面を清掃し、微細なほこりや繊維が残らないようにします。
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最終確認:キャリブレーションボールの表面に汚れやほこりが完全に除去され、傷がないことを確認します。
油汚れの確認と対応
キャリブレーションボール表面に油汚れがないか確認し、見つかった場合は以下の手順で清掃を行ってください。
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準備作業:防塵手袋を着用し、キャリブレーションボールの表面に直接触れないようにします。指紋や油汚れなどが残らないように注意します。
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初期清掃:少量の無水エタノールを含ませた不織布を使用して、キャリブレーションボールの表面を軽く拭き取ります。
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不織布での拭き取り:初期清掃後、清潔な不織布で油汚れの跡をさらに拭き取ります。
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洗剤を使用した清掃:上記の手順を行っても表面に油汚れが残っている場合は、洗剤でキャリブレーションボール表面を洗浄します。その後、キャリブレーションボールの表面を吹き乾かすか、自然乾燥させます。
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最終確認:キャリブレーションボールの表面に汚れやほこりが完全に除去され、傷がないことを確認します。