点群モデルを生成
点群モデルは、対象物全体、または対象物の局所(最高層の対象物表面の点群、エッジ点群など)のみを表示できます。適切な点群モデルは、次の3つの要件を満たす必要があります。
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ノイズが少ないまたはまったくない高品質な点群を含めます。
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適切な数を持つ、かつ均等に分布している点群を含めます。
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対象物特徴の反映に対応可能です。
マッチングモデル・把持位置姿勢エディタでは、次のいずれの方法で点群モデルを生成できます。
カメラで画像をキャプチャして点群モデルを生成
カメラを使用して対象物または背景の深度画像を取得することにより、点群モデルを生成します。
既に開かれたプロジェクトには カメラから画像を取得 ステップが含まれている必要があり、このステップのパラメータでカメラ設定が完了した場合のみ、この機能を使用できます。 実際のカメラと仮想カメラを使用する場合、必要な操作は同じではありません。 |
実際カメラを使用する場合
実際のカメラを使って画像を取得して点群モデルを生成する場合、対象物と背景を別々に簡単に撮影できるかどうかによって、操作手順が異なります。詳細な説明は以下の通りです。
対象物と背景を別々に取得しやすい場合
小型平面形状の部品の把持など、対象物が軽い場合に適しています。
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ティーチング方法による把持位置姿勢を追加していない場合は、1つの対象物をカメラの視野内(箱内)に配置します。ティーチング方法による把持位置姿勢を追加した場合は、対象物が移動しないように注意してください。そうでなければ、ティーチング方法による把持位置姿勢を再度追加してください。
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このツールの初期画面で 点群を取得 をクリックして、表示される画面で 点群を取得 をクリックします。
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その後、実際の状況に応じて エッジ点群を使用 にチェックを入れるかどうかを選択します。 対象物を取得 をクリックし、対象物の深度画像を取得します。
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取得後、対象物の深度画像は下図のようになります。背景を除去するには、 背景を除去 をクリックします。
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この場合、対象物をカメラの視野外に移動させてから、 背景を取得 をクリックして背景を取得します。
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背景取得後の画像を下図のようになります。次へ をクリックします。
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この画面で 背景を除去 をクリックすると、背景除去後の対象物が表示されます。
完了 をクリックすると、対象物がマッチングモデル・把持位置姿勢エディタにインポートされます。
点数しきい値 は、背景の除去によって得られた深度画像のノイズを除去するために使用されます。値が大きいほど、より多くのノイズが除去されます。
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対象物の点群が不完全な場合は、このパラメータを適切に下げます。
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背景の点群が多すぎる場合は、このパラメータを適切に上げます。
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モデルファイル リストの点群モデル名をダブルクリックすると、モデル名を変更できます。 画像の光の変化などにより、生成された点群モデルには不要な点が含まれていることがあります。これは、 点群モデルを編集 する場合に調整できます。 |
リンクをクリックしたユーザーは、ブラウザの「戻る」ボタンをクリックして「ティーチングによる把持位置姿勢を追加」に戻って残りの操作手順を読みます。 |
対象物と背景を別々に取得しにくい場合
ホイールハブの組立などの対象物が重い場合に適しています。
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ティーチング方法による把持位置姿勢を追加していない場合は、1つの対象物をカメラの視野内に配置します。ティーチング方法による把持位置姿勢を追加した場合は、対象物が移動されないことを確認します。移動された場合は、ティーチング方法による把持位置姿勢を再度追加してください。
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このツールの初期画面で 点群を取得 をクリックして、表示される画面で 点群を取得 をクリックします。
この時点では、取得した点群にはまだ背景の一部が含まれているため、取得した点群を編集して背景の点群を除去し、対象物の点群だけを残す必要があります。
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対象物を取得 をクリックし、 完了 をクリックすると、対象物の点群モデルが生成されます。
仮想カメラを使用する場合
仮想カメラを使用する場合、現場で画像を取得できないため、事前に画像をご用意ください。
背景深度画像には、対象物が完全に含まれている必要はなく、対象物の深度画像と1つの対象物だけ異なる必要があります。 通常、事前に保存された画像は実際の把持中に取得されるものであるため、n番目の画像の対象物はn+1番目の画像の対象物よりも1つ多くなります。したがって、最初に対象物の深度画像を読み取り、次の画像を背景深度画像として使用することをお勧めします。 |
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Mech-Visionのプロジェクト編集エリアで、ステップ カメラから画像を取得 を選択し、右側のパラメータバーで以下の設定を行います。
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画像データパス に、深度画像が格納されているフォルダの上の階層のフォルダを選択します。設定について詳細な説明は、 カメラから画像を取得 をご参照ください。
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プレイモード を すべて繰り返し に設定します。
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メニューバーの
をクリックし、マッチングモデル・把持位置姿勢エディタを開きます。 -
このツールの初期画面で 点群を取得 をクリックして、表示される画面で 点群を取得 をクリックします。すると、画像取得画面が表示されます。
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その後の操作は、上記の 実際カメラを使用する場合 の操作とほぼ同じです。対象物を再取得 ボタンをクリックするたびに、フォルダ内の画像が順番に読み取られ、表示される深度画像が要件を満たすまでこの操作を繰り返します。
CADファイルをインポートして点群モデルを生成
対象物のCADモデルファイルがすでに存在する場合は、そのファイルをマッチングモデル・把持位置姿勢エディタにインポートし、このファイルに基づいて点群モデルを生成できます。
現在、stl形式のCADファイルのインポートのみに対応します。 |
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このツールの初期画面で CADファイルをインポート ボタンをクリックして、表示される画面でCADファイルを選択して 開く をクリックします。
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ポップアップウィンドウでモデル単位を選択します。
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インポートしたCADファイルは、左側の CADファイル リストに表示されます。
一度に1つだけのCADファイルをインポートできます。複数のCADファイルをインポートする必要がある場合は、手順1~2を繰り返してください。
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CADファイル リストでモデルを生成する必要があるモデルファイルを選択して、ツールバーの または をクリックし、点群モデルを生成します。
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:モデルの完全な外部表面の点群を生成します。
クリック後、ポップアップウィンドウで点群のダウンサンプリング間隔を調整し、 確認 をクリックして点群モデルを生成します。
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:現在の視点で可視部分の点群を生成します。
下図では、左側が点群を生成したときの視点で、右側が生成された点群です。左側の視点での非表示部分は、対応する点群を生成していません。
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点群モデルが生成されている場合、 および は使用できない場合があります。この時点で、画面の任意場所をクリックして CADファイル リストのファイルのチェックを外し、再度選択すれば、上記のボタンが使用可能な状態に復元されます。 |
上記の方法で点群モデルを生成することに加えて、初期画面の 点群をインポート ボタンを通じて既存のply形式の点群ファイルをインポートすることもできます。 |
点群モデルが生成後、必要に応じて以下の操作を行います。
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リスト内のすべてのファイルを保存するには、メニューの
をクリックするか、ショートカット Ctrl+S を押します。
ファイルの保存ディレクトリは、 プロジェクトディレクトリ¥resource¥model_editor です。 |
ツールウィンドウを閉じると、ファイルが保存されているかどうかに関係なく、保存するかどうかを確認するポップアップ ウィンドウが表示されます。 |
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点群モデルを削除するには、 モデルファイル リストで削除するモデルを右クリックし、ポップアップされるメニューで 削除 をクリックします。
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ファイルを非表示にするには、ファイル名の右側にある をクリックすると可視化エリアでこのファイルが非表示されます。もう一度クリックすると再表示されます。
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境界ボックスを表示するには、リストでファイルを選択した後、 CADファイル リストの下部にある 境界ボックスを表示 にチェックを入れます。
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点群の表示色を変更するには、 モデルファイル リストで点群モデルを選択した後、リストの下に 点群の色 の右側にある白い長方形をダブルクリックして、ポップアップウィンドウで点群の表示色を変更します。
インポートしたカラー点群の表示色は変更できません。 |
幾何的モデルを作成して点群モデルを作成
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ツールの初期画面で 幾何的モデルを作成 ボタンをクリックします。
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表示される画面で、作成する幾何形状のタイプ、パラメータ、モデルタイプを選択します。モデルタイプの選択方法については、 3Dマッチングをする部品の特徴に応じてモデルを選択するにはどうすればよいですか? をご参照ください。
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作成後、この幾何形状の点群モデルが可視化エリアに表示されます。
点群モデルが生成された後、実際の使用要件を満たすために 点群モデルを編集 することができます。