自動適応相対移動

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機能

ロボットに把持されている箱の高さに応じて相対移動の距離を自動的に調整します。

使用シーン

「相対移動」ステップの持ち上げ高さは一定ですが、「自動適応相対移動」は箱の高さに応じて持ち上げ高さを自動的に調整します。箱の高さは、Mech-Vision から出力されたビジョン処理の結果から取得します。

デパレタイジング

デパレタイジングでは、箱を持ち上げる過程で衝突が発生しないように、最も寸法の大きい箱の高さに合わせて持ち上げ安全高さを設定しなければなりません。下図では、持ち上げ高さを h1 と設定すると、どの箱の山を処理する時でも箱を把持してから h1 持ち上げます。しかし右の短い箱を把持する時、h2 持ち上げればいいですが実行時に h1 持ち上げます。ロボットの余計な運動になり、効率が低下します。

adaptive relative move scene1

このステップを使用すると、箱の高さに合わせて持ち上げ高さを調整することでロボットの余計な運動を低減し効率を確保します。また、到達できない位置も回避できます。

配置

デパレタイズした箱をコンベアに配置するとき、箱の把持点は箱の表面にあるので、箱の位置姿勢でもロボットハンド位置姿勢でも配置すると、ロボットは TCP をコンベアの一定高さに移動するように配置し、箱の高さに合わせて配置することはできません。

このステップを使用すると、配置高さに箱の高さを増加して動的に配置位置を調整します。

adaptive relative move scene21

adaptive relative move scene22

一定配置位置

箱の高さを増加した配置位置

パラメータ説明

移動ステップの共通パラメータ

移動目標点を送信

デフォルトではチェックが入っています。相手側(ロボットなど)に移動目標点の位置姿勢を送信します。チェックを外したら送信しませんが、この目標点位置姿勢は依然として経路計画の一部です。

移動コマンドの後の非移動コマンドをスムーズに実行することを試行

デフォルトではチェックが外れており、 移動ステップ の間に「ビジョン処理による認識」、「DO を設定」、「DI をチェック」などの 非移動ステップ を接続すると、ロボット移動経路の計画を中断し、ロボット実機動作中に一時中止することがあります。

チェックを入れると現在のステップ実行が完了しなくても続行することが可能です。これにより、ロボットがよりスムーズに動作します。ただし、ステップが途中で終了する可能性があります。

ステップが途中で終了する原因は何ですか?

Mech-Viz 実行中、ロボットに同時に複数の位置姿勢を送信しますが、最後の位置姿勢が現在のロボットの関節角度と一致しているかのみを判断します。一致していると判断したら、ロボットが最後の位置に到達していると見なします。

例えば、10 の移動ステップがある経路では、移動ステップ 5 の位置姿勢は最後のステップの位置姿勢とは同じとします。ロボットが低速に動作し、移動ステップ 5 の位置に到達したらその位置の関節角度を Mech-Viz に送信します。経路では、移動ステップ 5 の位置姿勢は最後の移動ステップの位置姿勢とは同じなので、Mech-Viz はロボットの動作が完了したと判断して途中で実行を終了します。

配置された対象物との衝突を検出しない

デフォルトではチェックが外れていおり、配置された対象物との衝突を検出します。チェックすと、ロボット本体・ロボットハンドと配置された対象物との衝突を検出しません。

パレタイジングのシーンでは、以下の場合があります。

  1. ロボットが段ボール箱を配置するときに配置済みの箱と軽く衝突する(箱の凹みや変形などが発生しない)ことがあります。Mech-Viz ではこのような衝突を検出したら別の配置位置を計画するためパレットが満杯になりません。

  2. 普通、吸盤を使用する場合、TCP を吸盤の表面でなく、モデル内部に設定するため、物体を吸着する時、吸盤と把持する箱のモデルと重なります(ソフトウェアでは吸盤と把持対象物との衝突を検出しない)。ロボットが箱を配置してから、把持された箱のモデルはシーンのモデルになり、吸盤がシーンの箱のモデルと衝突すると判断してメッセ―ジを表示してパレタイジングが続行できなくなります。

これをチェックするとロボット本体やロボットハンドと配置済み対象物モデルとの衝突を検出しないので上記の問題を解決できます。

点群との衝突検出モード

現場の状況に応じて設定してください。普通、デフォルトの 自動 を使用します。ロボットが物体を把持する前の移動ステップは、 チェックしない を選択し、把持した後の移動ステップを チェック を選択します。

自動

初期値。「ビジョン処理による移動」ステップと「ビジョン処理による移動」ステップに依存する「相対移動」の点群衝突だけを検出します。

チェックしない

移動ステップの点群衝突をいっさい検出しません。

チェックする

全ての移動ステップの点群衝突を検出します。

衝突検出  衝突検出設定  点群と他の対象物間の衝突を検出 をオンにすれば、Mech-Viz は経路計画を行うときにロボットモデル、ツールモデルと点群との衝突を検出します。 普通、点群衝突の設定は、ロボットが把持を実行するときに把持対象物との衝突を検出するためです。空間内にノイズがあれば、ソフトウェアは対象物を把持する前の経路を計画するときに、ノイズがロボットモデル、ツールモデルと接触して点群との衝突が誤って判断されて経路計画の誤りが発生します。
対象物の対称性を使用しない

このパラメータは、 目標点タイプ対象物位置姿勢 の移動ステップ(目標点タイプが物体の位置姿勢の移動ステップ、パレタイジングステップなど)に対してのみ有効です。目標点のタイプが関節角度、TCP位置姿勢の移動ステップには無効です。

無し

無し:初期値。対称性を無効にしません。

Z 軸

Z 軸の対称性のみを使用しません。

XY 軸

X、Y 軸の対称性のみを使用しません。

全て

物体の対称性を使用しないように設定すると、ロボットが物体の位置姿勢に正確に到達して対象物を配置します。

対象物を把持できない場合に リソース  対象物設定回転対称 を設定します。 対象物に対称性がある場合、複数の候補位置姿勢があります。 Mech-Viz では対象物の把持を計画するときに、デフォルト位置姿勢が把持できない場合、候補位置姿勢を試行します。 物体対称位置姿勢と Mech-Vision によって出力された元位置姿勢とは一致しなければ、ロボットによる対象物の配置位置姿勢は一致しないことがあります。

把持された対象物との衝突検出モード

シーンの物体との衝突を検出しない

デフォルトではチェックが外れています。チェックすると*把持された対象物*と*シーンの物体、ロボット*との衝突を検出せず、Mech-Viz の計画の速度を改善できます。普通、ロボットが対象物を把持したあとの移動ステップに使用します。

衝突を検出しなければ、衝突が発生するリスクがあるので注意して使用してください。

衝突検出  把持されている対象物の設定把持されている対象物とその他の物体との衝突を検出をオンにすれば、把持されている対象物とシーンの物体のモデル・ロボットとの衝突を検出します。

パレタイジングのシーンでは、ビジョン処理により取得した箱の寸法にはささやかな誤差があり、把持を実行する時に箱同士の摩擦が発生しますが衝突は発生しません。 この場合に検出しなくてもいいです。検出すると余計な計算が発生するため Mech-Viz 実行効率が低下します。 パレタイズのシーンでは、「シーンの物体との衝突を検出しない」をチェックしても対象物と配置済みの箱との衝突検出に干渉しません。 箱の山の下にシーンの物体がある場合、経路計画のためにこれをチェックしてください。

点群との衝突を検出しない

デフォルトではチェックが外れています。チェックすると 把持対象物のモデルシーンの点群 が衝突するかを検出しないので、Mech-Viz での衝突検出計算量を低減し、計画の効率を向上させることができます。また、把持対象物と点群との衝突の誤検出も回避できます。

  • 衝突検出設定  把持されている対象物の設定ウィンドウでの把持されている対象物とその他の物体との衝突を検出点群設定点群と他の対象物間の衝突を検出をオンにすれば、把持されている対象物とシーンの物体のモデル・ロボットとの衝突を検出します。

  • Mech-Vision が点群情報と対象物モデル情報を Mech-Viz に送信するときに、点群と対象物モデルは密着している状態です。ロボットが対象物を把持するときに、モデルはロボットの経路に沿って移動し、把持対象物モデルは点群と衝突します。

  • 把持対象物は物体の点群と衝突する場合、この衝突をチェックすると Mech-Viz の計算量が増え、計画時間が長くなります。

基本的な移動設定

運動タイプ
関節運動

ロボットが円弧に沿って走行します。スムーズに走行できるので特異点を回避することが可能。ロボットの移動範囲が広くて高い精度を求めないシーンに適用しています。

直線運動

ロボットが直線に沿って走行します。溶接や接着剤塗布、把持など高い精度が求められるシーンに適用しています。

速度&加速度

速度&加速度は、ロボット動作のスピードを決定します。普通、加速度の値を速度より小さく設定します。加速度の値を速度よりも大きくしたらロボット動作がスムーズでなくなります。

ロボットが安定に把持を実行するように、「ビジョン処理による移動」とその前後のステップの速度を低く設定してください。
ブレンド半径
初期値

50.00mm

調整説明

調整説明:通常、初期値を使用すればいいです。

レンド半径とは、回転する位置が目標点までの距離であり、大きいほどロボットの動きはスムーズになります。ロボットが狭いスペースで動作する場合、ブレンド半径を大きく設定する必要はありません。

ロボットがより広いスペースで動作し、障害物がなくて 2つの経路の間に距離が遠い場合、ロボットがスムーズに動くように、ブレンド半径を大きく設定することができます。

相対移動基準点

自動適応相対移動するの基準位置。ソフトウェアは、基準点を開始位置としてオフセット量を計算してこのステップの目標位置を取得します。

前の経路点把持の後に使用する

次の経路点配置の後に使用する

adaptive relative move base1

adaptive relative move base2

相対移動オフセット量

移動オフセット量はオフセット方向固定オフセット量を指定する必要があります。

このステップを使用すると、基準点におけるロボットハンド座標系 Z 方向または世界座標系 Z 方向に沿うオフセットを設定することができます。

世界座標系と基準点におけるロボットハンド座標系のイメージ図(把持点を基準とする場合)

alt
  • 基準点におけるロボットハンド座標系 Z 方向に沿ってオフセット量を設定:

    基準点におけるロボットハンド座標系 Z 方向に沿ってオフセット量=固定オフセット量-箱 Z 方向高さ。

    基準点におけるロボットハンド座標系 Z 方向は下向きなので、固定オフセット量を負の値に設定することをお勧めします。するとロボットハンド座標系の-Z 方向に沿ってオフセットします:|固定オフセット量| + 箱 Z 方向高さ。

    alt
  • 世界座標系 Z 方向に沿ってオフセット量を設定:

    世界座標系 Z 方向に沿ってオフセット量=固定オフセット量 + 箱 Z 方向高さ。

    世界座標系 Z 方向は上向きなので、固定オフセット量を正の値に設定することをお勧めします。すると世界座標系のZ 方向に沿ってオフセットします:固定オフセット量 + 箱 Z 方向高さ。

    alt

相対移動回転量

基準点におけるロボットハンド位置姿勢に対する回転オフセット量(ロボットハンド座標系)。

オイラー角Z(EZ)を 90°に設定すると、きゅばんは対象物を把持してから Z 軸を中心に時計回りに 90°回転します。

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