サンプルプログラム10:MM_S10_Viz_Subtask

現在ご覧いただいているのは最新版の内容です(V2.1.0)。異なるバージョンを参照する場合は、画面右上のボタンから切り替えが可能です。

■ ご利用中のバージョンが分からない場合はお気軽にサポート窓口までご連絡ください。

プログラム概要

機能

本サンプルは2つのプログラムで構成されています。サブプログラム(バックグラウンドプログラム)はMech-Vizプロジェクトの実行をトリガーし、計画された経路を取得します。一方、メインプログラム(フォアグラウンドプログラム)は計画された経路に基づいてロボットを移動させ、ロボットが把持領域から離れる際にサブプログラムをトリガーして次の経路を事前に計画し、サイクルタイムを短縮します。

本サンプルは MM_S8_Viz_Subtask サンプルと非常に類似しており、メインプログラムがサブプログラムをトリガーするタイミングが異なるだけです。そのため、この2つのサンプルの違いをよりよく理解するために、この2つのサンプルを比較して学習することをお勧めします。

ファイル場所

サブプログラム:Mech-VisionとMech-Vizソフトウェアのインストールディレクトリにある Communication Component/Robot_Interface/KUKA/sample/sub_prog/MM_S10_Sub

メインプログラム:Mech-VisionとMech-Vizソフトウェアのインストールディレクトリにある Communication Component/Robot_Interface/KUKA/sample/MM_S10_Viz_Subtask

必要なプロジェクト

Mech-VisionとMech-Vizプロジェクト

使用前提

  1. 標準インターフェース通信設定 が完了しました。

  2. 自動キャリブレーション が完了しました。

  • このサンプルプログラムは参考用です。ユーザーは実際の状況に応じて、このプログラムを基に変更を加える必要があります。このプログラムをそのまま使用しないでください。

  • メインプログラムはフォアグラウンドプログラムとして実行されます。サブプログラムはバックグラウンドプログラムとして実行されます。ロボットシステムが起動した後、自動実行される必要があります。

プログラム説明

以下は、サブプログラムのコードとその説明です。

サブプログラム内でMech-Vizプロジェクトの実行をトリガーし、計画された経路を取得するコードは「MM_S2_Viz_Basic」サンプルと類似しています。そのため、MM_S2_Viz_Basicサンプルと同じ部分のコードについては、以下で再度説明することはありません(詳細は MM_S2_Viz_Basicサンプルの説明 をご参照ください)。
DEF MM_S10_Sub ( )
;---------------------------------------------------
; FUNCTION: run Mech-Viz project and get planned
; path in subtask (run together with
; MM_S10_Viz_Subtask)
; Mech-Mind, 2023-12-25
;---------------------------------------------------
   $OUT[2001]=FALSE
   ;initialize communication parameters (initialization is required only once)
   MM_Init_Socket("XML_Kuka_MMIND",873,871,60)
   LOOP
      IF $OUT[2001]==TRUE THEN
         ;trigger Mech-Viz project
         MM_Start_Viz(2,init_jps_b)
         ;get planned path, 1st argument (1) means getting pose in JPs
         MM_Get_VizData(1,pos_num_b,vis_pos_num_b,status_b)
         ;check whether planned path has been got from Mech-Viz successfully
         IF status_b==2100 THEN
            ;save waypoints of the planned path to local variables one by one
            MM_Get_Jps(1,pick_point_b[1],label_b[1],toolid_b[1])
            MM_Get_Jps(2,pick_point_b[2],label_b[2],toolid_b[2])
            MM_Get_Jps(3,pick_point_b[3],label_b[3],toolid_b[3])
         ENDIF
         $OUT[2001]=FALSE
      ENDIF
   ENDLOOP
END

上記のコードは、サブプログラムが実行される際に、まず$OUT[2001]をFALSEに設定し、通信パラメータを初期化した後、LOOPループを使用して$OUT[2001]の値を監視し続けることを示しています。

  • $OUT[2001]がTRUEの場合、サブプログラムがMech-Vizプロジェクトをトリガーし、計画された経路を取得し、$OUT[2001]をFALSEに設定します。

  • $OUT[2001]がFALSEの場合、サブプログラムが$OUT[2001]の値を継続的に判断します。

以下は、メインプログラムのコードとその説明です。

メインプログラム内で計画された経路に基づいて把持または配置を実行するコードは「MM_S2_Viz_Basic」サンプルと類似しています。そのため、MM_S2_Viz_Basicサンプルと同じ部分のコードについては、以下で再度説明することはありません(詳細は MM_S2_Viz_Basicサンプルの説明 をご参照ください)。
DEF  MM_S10_Viz_Subtask ( )
;---------------------------------------------------
; FUNCTION: run Mech-Viz project and get planned
; path in subtask (run together with MM_S10_Sub)
; Mech-Mind, 2023-12-25
;---------------------------------------------------
   ;set current tool no. to 1
   BAS(#TOOL,1)
   ;set current base no. to 0
   BAS(#BASE,0)
   ;move to robot home position
PTP HOME Vel=100 % DEFAULT
   ;trigger Mech-Viz project and get planned path
   $OUT[2001]=TRUE
LOOP
   ;move to wait position for picking
LIN pick_wait_point Vel=1 m/s CPDAT6 Tool[1] Base[0]
   ;wait until subtask program finished
   WAIT FOR ($OUT[2001]==FALSE)
   ;check whether planned path has been got from Mech-Viz successfully
   IF status_b<> 2100 THEN
      ;add error handling logic here according to different error codes
      ;e.g.: status=2038 means no point cloud in ROI
      halt
   ENDIF
   ;save waypoints of the planned path to jps variables one by one
   Xpick_point1=pick_point_b[1]
   Xpick_point2=pick_point_b[2]
   Xpick_point3=pick_point_b[3]
   ;follow the planned path to pick
   ;move to approach waypoint of picking
PTP pick_point1 Vel=50 % PDAT1 Tool[1] Base[0]
   ;move to picking waypoint
PTP pick_point2 Vel=10 % PDAT2 Tool[1] Base[0]
   ;add object grasping logic here, such as "$OUT[1]=TRUE"
   halt
   ;move to departure waypoint of picking
PTP pick_point3 Vel=50 % PDAT3 Tool[1] Base[0]
   ;trigger Mech-Viz project and get planned path in advance
   TRIGGER WHEN DISTANCE = 1 DELAY = 0 DO $OUT[2001]=TRUE
   ;move to intermediate waypoint of placing
PTP drop_waypoint CONT Vel=100 % PDAT2 Tool[1] Base[0]
   ;move to approach waypoint of placing
LIN drop_app Vel=1 m/s CPDAT3 Tool[1] Base[0]
   ;move to placing waypoint
LIN drop Vel=0.3 m/s CPDAT4 Tool[1] Base[0]
   ;add object releasing logic here, such as "$OUT[1]=FALSE"
   halt
   ;move to departure waypoint of placing
LIN drop_app Vel=1 m/s CPDAT3 Tool[1] Base[0]
   ;move back to robot home position
PTP HOME Vel=100 % DEFAULT
ENDLOOP
END

上記のサンプルプログラムの処理流れは、下図の通りです。

sample10

下表はメインプログラムの主要なコードとその説明です。

処理流れ コートと説明

Mech-Vizプロジェクトをトリガーし、計画された経路を取得

;trigger Mech-Viz project and get planned path
$OUT[2001]=TRUE

上記のコードは、メインプログラムで$OUT[2001]をTRUEに設定することを意味します。この時、サブプログラムは$OUT[2001]がTRUEであることを検出し、Mech-Vizプロジェクトを実行して、計画された経路を取得します。

ループで次の経路を事前に計画(把持→次の把持経路を計画→配置)

LOOP
    ...
ENDLOOP

上記のコードは、メインプログラムが「LOOP」と「ENDLOOP」の間のコードを繰り返し実行することを意味します。

   ;move to wait position for picking
LIN pick_wait_point Vel=1 m/s CPDAT6 Tool[1] Base[0]
   ;wait until subtask program finished
   WAIT FOR ($OUT[2001]==FALSE)

上記のコードは、ロボットが把持する前に待機点に移動し、サブプログラムが計画された経路を取得して保存するのを待機することを示しています。つまり、$OUT[2001]がTRUEからFALSEに変わるのを待つことで、計画された経路が取得され、保存されたことを確認します。

;save waypoints of the planned path to jps variables one by one
Xpick_point1=pick_point_b[1]
Xpick_point2=pick_point_b[2]
Xpick_point3=pick_point_b[3]

上記のコードは、サブプログラムで取得した計画経路(pick_point_b[1]、pick_point_b[2]、pick_point_b[3])をそれぞれXpick_point1、Xpick_point2、Xpick_point3に保存することを意味します。

   ;move to approach waypoint of picking
PTP pick_point1 Vel=50 % PDAT1 Tool[1] Base[0]
   ;move to picking waypoint
PTP pick_point2 Vel=10 % PDAT2 Tool[1] Base[0]
   ;add object grasping logic here, such as "$OUT[1]=TRUE"
   halt
   ;move to departure waypoint of picking
PTP pick_point3 Vel=50 % PDAT3 Tool[1] Base[0]

上記のコードは、ロボットは計画された経路に従って、まず把持のアプローチ点(pick_point1)に移動し、把持点(pick_point2)に移動して把持を行い(例えば、$OUT[1] = TRUE)、その後、把持の離れる点(pick_point3)に移動することを意味します。

;trigger Mech-Viz project and get planned path in advance
TRIGGER WHEN DISTANCE = 1 DELAY = 0 DO $OUT[2001]=TRUE
  • TRIGGER WHEN DISTANCE …​ DELAY …​ DO …​:事前に定義されたコマンドをトリガーすることができます。ロボットの動作と同期して実行され、動作コマンドの開始点または目標点に密接に関連します。ここでの開始点はpick_point3、目標点は drop_waypointを指します。

  • DISTANCE:事前定義されたコマンドをトリガーする位置を指定します。値は0または1です。

    • 0:コマンドは動作コマンドの開始点でトリガーされます。

    • 1:コマンドは目標点でトリガーされます。目標点が経路の近似形状になっている場合、コマンドはその経路の近似円弧の中点でトリガーされます。

  • DELAY:選択した位置でコマンドをトリガーする際の遅延時間を設定します。値は正または負のミリ秒単位で設定でき、時間値は10,000,000ms以下である必要があります。

  • DO $OUT[2001]=TRUE:事前定義されたコマンド($OUT[2001]=TRUE)を指定します。つまり、Mech-Vizプロジェクトを再実行し、計画経路を取得します。

上記のコードは、ロボットが目標点(drop_waypoint、つまり配置プロセス中の中間点)に接近する際に$OUT[2001]=TRUEをトリガーすることを意味します。つまり、サブプログラムがMech-Vizプロジェクトを再実行し、計画経路を取得します。この時点でロボットはすで把持領域外にいるため、ロボットは配置が完了するのを待つことなく、次の把持経路を事前に計画することができます。

MM_S8_Viz_Subtask サンプルとの違いに注意する必要があります。MM_S8_Viz_Subtaskサンプルでは、ロボットが配置点に移動する前にサブプログラムをトリガーしますが、本サンプルではロボットが把持領域から離れた後にサブプログラムをトリガーします。
   ;move to intermediate waypoint of placing
PTP drop_waypoint CONT Vel=100 % PDAT2 Tool[1] Base[0]
   ;move to approach waypoint of placing
LIN drop_app Vel=1 m/s CPDAT3 Tool[1] Base[0]
   ;move to placing waypoint
LIN drop Vel=0.3 m/s CPDAT4 Tool[1] Base[0]
   ;add object releasing logic here, such as "$OUT[1]=FALSE"
   halt
   ;move to departure waypoint of placing
LIN drop_app Vel=1 m/s CPDAT3 Tool[1] Base[0]
   ;move back to robot home position
PTP HOME Vel=100 % DEFAULT

上記のコードは、ロボットが配置の中間点(drop_waypoint)、配置のアプローチ点(drop_app)、配置点(drop)の順に移動して配置動作(例えば$OUT[1]=FALSE)を行い、その後、配置の離れ点(drop_app)、Home位置の順に移動することを意味します。

この情報は役に立ちましたか?

ご意見・ご要望がございましたら、以下よりお寄せください:

Mech-Mindは、お客様のプライバシーを重視しています

このサイトでは最高の体験を提供するために Cookie を使用しています。サイトの閲覧を続ける場合、Cookie の使用に同意したことになります。「拒否する」を選択すると、このサイトを訪れた際に追跡や記憶が行われないように単独の Cookie が使用されます。