ハードウェアの取り付け
以下では、Mech-Mindが提供するキャリブレーションボールキットの情報、キャリブレーションボールの設置方法、および設置後の確認について説明します。
キャリブレーションボールキットの情報
キャリブレーションボールキットは、EIH(Eye in Hand)と ETH(Eye to Hand)の2種類に分かれていますが、どちらのキットにも 同じ仕様のキャリブレーションボール本体 が含まれています。その仕様は下表の通りです。
キャリブレーションボール仕様 | イメージ図 |
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キャリブレーションボールキット(EIH)
イメージ図 | 部品一覧 |
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キャリブレーションボールキット(ETH)
イメージ図 | 部品一覧 |
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梱包に入っているボルトとピンの長さが適切でない場合は、下表を参照してボルトとピンを自分で用意する必要があります。
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キャリブレーションボールの設置
EIH-キャリブレーションボールの設置
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設置例:EIHシーンでは、キャリブレーションボール取付ブラケットは通常、地面または固定されたベースプレートに取り付けられます。
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キャリブレーションボールの配置が適切であることを確認
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3つのボールは二等辺三角形の形に配置します。
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ボールを撮影視野幅の境界より約15%離れた場所に設置します。
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ワーク寸法が小さい場合は、3つのボールの間隔を適切に小さくすることができます。
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設置場所が適切であることを確認
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ボールとワークの撮影距離が同じになるように、ロボットが到達可能な作業空間を確保します。
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ロボットにカメラを搭載して撮影する場合、ボールがカメラの視野内に収まり、ボールとワークが視野内で同じ位置または近い位置に配置します。
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点群の品質に影響を与えないように、ボールの設置場所の近くには高反射物がないようにします。
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ETH-キャリブレーションボールの設置
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設置例:ETHシーンでは、キャリブレーションボールはロボットアームの先端(ロボットハンドやフランジなど)に取り付けられます。その後、ロボットがキャリブレーションボールを動かします。
キャリブレーションボールは、ロボットアームの異なる位置姿勢において、ボールとフランジ間の相対位置関係が一定でない場所には取り付けないようにします。例えば、ロボットアームの 4軸や5軸 にはボールの設置は適していません。
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キャリブレーションボールが遮られないことを確認:ETHはカメラを移動できないので、ボールはロボットまたはハンドに取り付けられ、撮影時に遮られないようにしてください。
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キャリブレーションボールができるだけ多くの経路点に到達できることを確認:キャリブレーションボールをロボットハンドの異なる位置に設置する場合や、フランジの形状が異なる場合、ボールの可達範囲が変わります。そのため、ボールを設置した後は、ロボットがボールを搭載してできるだけ多くの撮影位置に到達できるように確認することが重要です。
キャリブレーションボール設置後の確認
キャリブレーションボールがしっかりと固定されていることを確認
キャリブレーションボールの設置後、長期間にわたって安定した固定状態を保ち、緩みが生じないようにすることが重要です。具体的な注意点は以下の通りです。
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ワッシャーを使用できない場合:必ずボルトに接着剤を塗布してください。
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接着剤の選択:スレッドロック剤の使用を推奨します。
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接着剤の塗布場所:ネジ山の締め付け部分。
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接着剤の量:接着剤がネジ溝から溢れないようにし、ボルトを持ち上げた際に接着剤が滴らないようにしてください。
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ボルトを締め付ける際の要件:
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推奨されるボルトレンチの長さは 120mm です。
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ボルト締め付け時の推奨トルクは 38~51N です。
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キャリブレーションボールをボルトで固定する際、ボルト締付後のネジ山の突出し長さは、ボルト直径の 約0.3倍 にする必要があります。
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キャリブレーションボールを直接地面に設置せず、ベースプレートなどを使用して固定することが推奨されます。
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設置後、ボルトと接触面にマーカーで印をつけて、キャリブレーションボールの緩みを後から確認できるようにします。
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キャリブレーションボールが衝突しやすい場所にある場合や、作業環境で粉塵や溶接スラグなどが飛散する場合は、キャリブレーションボールに保護カバーを追加する必要があります。