カメラを使ってみる

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本章では、カメラの梱包内容の確認から Mech-Eye Viewer で画像の収集までガイドしていきます。

本書の画面は説明用の例です。実際の状況とは異なることがあります。

1. 梱包内容の確認

  1. お受け取りの際は、梱包に問題がないことを確認してください。

  2. 梱包中にある『同梱包一覧』を確認し、商品や付属品に欠品や損傷がないことを確認してください。

上記の同梱品一覧は参照のみを目的としています。お買い上げ製品とは異なる場合があります。
  • カメラ

  • 取扱説明書

camera package content
user manual
  • DC 電源コード

  • ネットワークケーブル

dc power cable
ethernet cable
  • 付属品袋

M4 × 8 六角穴付ボルト、8 本

M5 × 8 六角穴付ボルト、8 本

screw m4 8
screw m5 8

M8 × 20 六角穴付ボルト、2 本

M8 × 20 T型ボルト、2 本

bolt m8 20
bolt t

M8 ナット、2 個

M8 フランジナット、2 個

nut m8
nut flange

M8 ガスケット、2 枚

Ø6 × 10 位置決めピン、4 本

washer
dowel pin

ケーブル固定部、1 個

結束バンド、50 本

cable tie mount
zip tie

六角レンチ、1 本

キャリブレーションボード(UHP-140 の場合)

hex key
calibration board
  • オプションアクセサリー:

    DIN レール電源

    キャリブレーションボード(UHP-140 を除く)

    din rail power supply

    calibration board

2. カメラのインターフェースとインジケーターの確認

以下の図面とグラフと照合してカメラのインターフェースとインジケーターの機能を確認してください。

2.1. DEEP、LSR S、LSR L、LSR XL、PRO S、PRO M、UHP-140

diagram general

番号

名称

機能

DC 24V 電源ポート

1: GND

3: 24V DC

2: GND

4: 24V DC

ETH ポート

1: MD3_P

5: MD1_P

2: MD2_N

6: MD0_N

3: MD2_P

7: MD3_N

4: MD0_P

8: MD1_N

PWR 表示灯

オフ:電源に接続されていない

緑色常時点灯:電圧正常

黄色常時点灯:電圧は 16V 以下または 28V 以上

赤色常時点灯:電圧は 12V 以下

LINK 表示灯

オフ:ネットワークに接続されていない

緑色常時点灯/点滅:ネットワーク接続済み

SYS 表示灯

オフ:未起動

緑色常時点灯:起動中

緑色点滅:正常に作動している

黄色点滅:電圧不安定/温度異常

赤色点滅:重大なエラー

SCAN 表示灯

緑色常時点灯:データ収集・処理している

消灯:データ収集・処理していない

2.2. NANO と NANO ULTRA

diagram special

上図では NANO を例とします。

番号

名称

機能

PWR 表示灯

オフ:電源に接続されていない

緑色常時点灯:電圧正常

LINK 表示灯

オフ:ネットワークに接続されていない

緑色常時点灯/点滅:ネットワーク接続済み

ETH ポート

1: MD3_P

5: MD1_P

2: MD2_N

6: MD0_N

3: MD2_P

7: MD3_N

4: MD0_P

8: MD1_N

DC 24V 電源ポート

1: GND

3: 24V DC

2: GND

4: 24V DC

3. カメラの取り付け

以下の方法でカメラを取り付けます。

取り付け方式 要件

ロボットフランジに取り付ける

mount to flange
  • カメラをフランジに固定する

  • 配線は、引っ張りによる損傷を回避するために余長を取ること

  • データ収集時にロボットの動作を停止してください。グリッパーなどがカメラの視界を遮らないようにしてください

カメラスタンドに取り付けて固定する

mount to stand
  • スタンドを固定し、揺れないようにすること

  • カメラとスタンドを固定する

  • データ収集時に周辺のデバイス・装置がカメラの視界を遮らないようにしてください

スライドレールに取り付ける

mount to slide
  • カメラをしっかりと取付部に固定する

  • スライドレールの起動・停止・移動に伴う振動・衝撃は、カメラの振動・衝撃許容範囲内にあること

  • データ収集時にスライドレールの動作を停止してください。周辺のデバイス・装置がカメラの視界を遮らないようにしてください

  • 技術仕様の動作温度、動作湿度、耐振動性、耐衝撃性などの要件に従ってください。

  • 高品質のデータを取得するために、視野とロボット稼働スペースなどを確保した上、対象物からカメラまでの距離を推奨ワーキングディスタンスの範囲内にしてください。技術仕様を参考にしてください。

  • 衝突が起こらないように経路を計画してください。

  • カメラとロボット/スライドレールを接続するブラケットまたは固定装置などをご用意ください。技術仕様に従ってカメラ取付穴と位置決め穴のサイズと位置および取付平面の平面度の要件を確認してください。

取付方式を選択してから以下の内容に従ってブラケットまたはネジ穴でカメラを取付平面に固定します。

  • レンチを用意してください。

  • 取付平面が厚い場合に長いネジまたはボルトを用意してください。

  • 取付平面に位置決め穴が開いた場合にカメラの取付位置を決定するために位置決めピンを使用できます。

3.1. カメラブラケットを使用して取り付ける

ブラケットを使用すれば以下の平面に取り付け可能です。

  • 欧州規格の T スロットアルミニウムプロファイル

  • 取付穴が開いた平面

  • カメラ出荷時に、ブラケットがカメラの背面に取り付けられます。

  • ケーブル固定部をブラケットに取り付けられます。ケーブル固定部の取り付けをお読みください。

3.1.1. 欧州規格の T スロットアルミニウムプロファイルに取り付け

下図のように、M8 ガスケット 2 枚と M8 × 20 T 字型ボルト 2 本を置いてからレンチで 2つのフランジナットを締めます。12~13N·m の締め付けトルクを推奨します。

  • DEEP と LSR S、LSR L、LSR XL、PRO S、PRO M、UHP-140:

    mount with bracket 1
  • NANO:

    mount with bracket 2
  • NANO ULTRA:

    mount with bracket 3

3.1.2. 取付穴が開いた平面に取り付け

下図のように、M8 ガスケット 2 枚と M8 × 20 六角穴付ボルト 2 本を置いてからレンチで 2つのナットを締めます。12~13N·m の締め付けトルクを推奨します。

  • DEEP と LSR S、LSR L、LSR XL、PRO S、PRO M、UHP-140:

    mount with bracket 4
  • NANO:

    mount with bracket 5
  • NANO ULTRA:

    mount with bracket 6

3.1.3. ケーブル固定部の取り付け

ケーブル固定部を取付てから結束バンドでケーブルを固定し、引っ張りによるケーブルやプラグの損傷を防ぎます。

下図のように六角レンチを使用して M5 × 8 六角穴付ボルト 2 本を締めます。2.2~2.5N·m の締め付けトルクを推奨します。

  • DEEP、LSR S、LSR L、LSR XL、PRO S、PRO M、UHP-140:異なる位置のネジ穴(矢印で表示)を使用してケーブル固定部を取り付けられます。

    mount cable tie mount 1
  • NANO:

    mount cable tie mount 2
  • NANO ULTRA:

    mount cable tie mount 3

3.2. カメラ背面のねじ穴に取り付け

LSR S と NANO ULTRA をこの方法で取り付ける場合、カメラの裏を金属放熱プレートにしっかりと取り付けてください。

  1. 六角レンチでカメラブラケットを取り外します。 LSR S と NANO ULTRA は、放熱プレートも取り外してください。

  2. 下図のように、六角穴付ボルトを取付穴に差し込み、六角レンチで順番に仮締めしてからネジを締めます。

    • NANO ULTRA:M4 × 8 六角穴付ボルト(1.4~1.6N·m の締め付けトルクを推奨)

    • その他の型番:M5 × 8 六角穴付ボルト(2.2~2.5N·m の締め付けトルクを推奨)

    型番によって使用するボルトの数は異なります。

  • DEEP と LSR S、LSR L、LSR XL、PRO S、PRO M、UHP-140:

    mount with threaded holes 1
  • NANO:

    mount with threaded holes 2
  • NANO ULTRA:

    mount with threaded holes 2 1

3.3. カメラ上面のねじ穴に取り付け

以下の型番のカメラ上部には、取り付け用のネジ穴が空いています:LSR S と LSR XL、NANO ULTRA、UHP-140。

  1. 六角レンチでカメラブラケットを取り外します。

  2. 下図のように、六角穴付ボルトを取付穴に差し込み、六角レンチで順番に仮締めしてからネジを締めます。

    • NANO ULTRA:M4 × 8 六角穴付ボルト(1.4~1.6N·m の締め付けトルクを推奨)

    • その他の型番:M5 × 8 六角穴付ボルト(2.2~2.5N·m の締め付けトルクを推奨)

mount with threaded holes 3

4. ケーブルの接続

以下の手順を実行してカメラのネットワークケーブルと電源コードを接続してください。

connect the camera

4.1. ネットワークケーブルと DC 電源コード

  • ネットワークケーブル:ネットワークケーブルの航空コネクタプラグをカメラの ETH ポートに挿入し、RJ45 コネクタを IPC のネットワークポートに差し込みます。

  • DC 電源コード:下図に示すように、DC 電源コードの航空コネクタプラグをカメラの DC 24V 電源ポートに差し込みます。

ネットワークケーブルと DC 電源コードを接続する:

  1. 航空コネクタの突起を対応する穴に挿入します。

  2. ナットをしっかりと増し締めしてください。0.7N·m の締め付けトルクを推奨します。ナットを締めた後、約 2mm の隙間があります。

  • データ伝送の速度と安定性を確保するために、IPC とカメラを直接接続することを推奨します。IPC の LAN ポートが足りない場合、少なくともギガビットの産業用スイッチ/ルーターを使用して IPC とカメラを接続してください。

  • 帯域幅がギガビット未満のスイッチ/ルーターまたはドッキングステーションを使用しないでください。ドッキングステーションを使用すると、ネットワークが不安定になったり、データ転送が失敗したりする可能性があります。

  • CAT5e 以上のシールド付 LAN ケーブルを使用してください。

  • カメラをロボットアームまたはその他の移動装置に取り付ける場合、引っ張ることでケーブルやプラグの欠損を防ぐためにカメラに接続する DC 電源コードとネットワークケーブルを適切に固定してください。

4.2. DIN レール電源

  • AC 電源コードを用意してください。

  • ここで、Mech-Mind が提供する DIN レール電源を使用します。ご使用になる DIN レール電源の説明書の指示に従って接続してください。

  • AC コンセントは、接地極 (PE 線) 付きの単相 3 線式コンセントを使用してください。

din rail connection
  1. マイナスドライバーを使用して、DIN レール電源ポートのネジを緩めます。

  2. DC 電源ケーブルの接続:2 本の +V ケーブルをそれぞれレール電源の +V 端子に接続し、2 本の ‐V ケーブルをそれぞれレール電源の ‐V 端子に接続し、1 本の PE ケーブルを接地端子に接続します(pe)。

  3. AC 電源ケーブルの接続:活線をレール電源の L 入力端子に、中性線を N 入力端子に、アース線を接地端子(pe)に接続します。

  4. マイナスドライバーを使用して、端子のネジを締め付けます。

  • DIN レール電源からコントローラーに入力する電圧は 24V 以上である必要があります。

  • DIN レール電源は配電ボックス内に設置して使用してください。

  • DIN レール電源または DIN レール電源を接続するレールを、確実に接地する必要があります。DIN レールに複数の電源を設置する場合は、電源間に一定のスペースを確保してください。

  • 接続するときは、最後に電源を入れてください。電源を入れた後、カメラの PWR 表示灯は緑色常時点灯します。そうでない場合に、Mech-Mind までご連絡ください。

5. ウォームアップ

この製品によって収集されるデータの精度が技術仕様の公称値に達することを保証するために、ご使用前に本製品を使用して連続キャプチャすることでウォームアップしてください。

  • 推奨ウォームアップ時間については、技術仕様をお読みください。

  • 推奨データ収集間隔については、実際に使用する時の収集間隔でウォームアップしてください。実際に使用する時の収集間隔が一定でない場合は、平均的な収集間隔でウォームアップすることをお勧めします。例えば、6~10 秒に一回収集する場合、ウォームアップは 8 秒に一回収集してください。


これでカメラの設置と接続が完了します。これから Mech-Eye Viewer によるカメラの接続と撮影の方法を説明します。

6. Mech-Eye SDK のダウンロード・インストール

Mech-Mind ダウンロードセンターで Mech-Eye SDK インストールパッケージをダウンロードすることができます。

インストールパッケージを解凍してからインストールファイルをダブルクリックして Mech-Eye SDK をインストールします。詳しくは Mech-Eye SDK のインストールガイドをお読みください。

7. IP アドレス設定

カメラを接続する前に、以下に 2つの IP アドレスが同じネットワークセグメントにあり、かつ唯一のものであることを確認してください。

  • カメラ IP アドレス

  • カメラに接続されたコンピュータのネットワークポートの IP アドレス

以下の手順を実行してカメラの IP アドレスを設定します。

  1. ダブルクリックして Mech-Eye Viewer を起動します。

  2. 接続したいカメラを選択してsettingをクリックします。

  3. カメラの IP アドレスを設定します。

8. カメラの接続

  1. Mech-Eye Viewer で接続するカメラを見つけて接続をクリックします。

    connected view

ソフトウェアまたはファームウェアをアップグレードする必要があるとき、アップグレードボタンが表示されます。まずクリックしてアップグレードしてから接続します。

9. 画像の取得

single cap をクリックして画像をキャプチャします。

continuous cap をクリックして一定の時間間隔で画像を連続キャプチャします。もう一度クリックすると画像の取得を停止します。

画像キャプチャボタンの下にあるデータタイプのボタンをクリックして 2D 画像、深度画像、点群を切り替えることができます。

acquisition
画像収集とデータタイプについて詳しくは画像のキャプチャとデータの確認をお読みください。

10. パラメータの調整

取得した 2D 画像、深度画像、点群の品質を改善したい場合、ソフトウェアのインターフェースの右にあるパラメータを調整して再試行してください。

10.1. データの品質を評価する

以下の基準に基づいてデータの品質を評価します。

  • 2D 画像:輝度が適切で、対象物の表面のディテールがはっきりと見られます。

    暗い画像 適切な明かるさ 明るい画像

    exposure time 5

    exposure time 90

    exposure time 500

  • 深度画像と点群:対象物のデータが完全に見られます。以下の例では、ローターの画像を取得します。

    不完全な点群 完全な点群

    exposure time 3d 1

    exposure time 3d 4

10.2. 2D 画像の品質を向上させる

  1. 2D パラメータグループの露出モードTimed に設定し、露出時間を調整します。

    • 暗い 2D 画像に対し、露出時間の値を大きくしてください。

    • 明るい 2D 画像に対し、露出時間の値を小さくしてください。

      DEEP と LSR カメラは 2 種類 2D 画像を取得でき、異なるパラメータが調整できます。詳細は DEEP パラメータLSR パラメータをお読みください。
  2. 再度画像をキャプチャして画像の品質を確認します。

10.3. 深度画像と点群の品質を改善する

  1. 3D パラメータグループの露出時間を調整します。

    • ダークカラーの対象物に対して露出時間の値を大きく調整します。

    • 色が明るい対象物に対して露出時間の値を小さく調整します。

  2. 再度画像をキャプチャして深度画像と点群の品質を確認します。


より詳しいパラメータの説明は、パラメータをお読みください。

11. データの使用

Mech-Eye Viewer によって収取した 2D 画像と深度画像、点群をローカルに保存できます。また、Mech-Vision あるいは他のビジョン処理ソフトウェアを使用して処理、計算することができます。

  • データを保存する:ツールバーのsaveをクリックして保存場所を指定し、データのタイプを選択してから保存をクリックします。

  • Mech-Vision でデータを保存する:ビジョンシステムの使用方法を参考して Mech-Vision を含むビジョンシステムを構築します。

  • 他のソフトウェアでデータを使用する:Mech-Eye API あるいは GenICam インターフェースを介してカメラで収集したデータを他のソフトウェアに送信することが可能です。

Mech-Mindは、お客様のプライバシーを重視しています

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