標準インターフェースコマンド

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■ ご利用中のバージョンが分からない場合はお気軽にサポート窓口までご連絡ください。

YASKAWAで標準インターフェースを用いてロボットプログラミングを行う際は、以下の点にご注意ください。

  • 複数のパラメータはコロンで区切る必要があります。

  • パラメータは入力パラメータと出力パラメータと定義します。この標準インターフェースはTCP/IPプロトコルを介して通信を行います。パラメータは文字列である必要があります。

  • Mech-VisionとMech-Viz 1.6.1およびそれ以前のバージョンでは、各インターフェースプログラムコマンドには、通信接続文と通信切断文が含まれています。

  • Mech-VisionとMech-Viz 1.6.1およびそれ以降のバージョンについては、以下の更新があります。

    • 初期化通信コマンドのみ、テストを容易にするために通信接続と通信切断文を含めます。初期化通信コマンドは、ロボットが1回実行するだけで、設定したIPアドレスがグローバルに有効となります。

    • 通信接続文と通信切断文が別々のコマンド(TCP接続確立コマンドとTCP接続切断コマンド)になるため、ロボットとビジョンシステムの接続・切断を頻繁に行う必要がありません。

以下のインターフェースコマンドについて説明します。

通信の初期化

ホストIPアドレス、ポート番号、およびTCP/IPの待機時間を設定するためのコマンドです。

プログラム

MM_INIT_SOCKET("IP_Address;Server_Port;Time_Out")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

IP_Address

IPCのIPアドレスです。

Server_Port

IPCのポート番号で、デフォルトのポート番号は50000です。

Time_Out

接続の試行を停止するまでの待機時間(分)です。

サンプル

CALL JOB:MM_INIT_SOCKET("192.168.1.1;50000;5")

このサンプルを実行すると、IPCのIPアドレスは192.168.1.1、ポート番号は50000、待機時間は5minに設定されます。

TCP接続の構築

このコマンドは、TCP接続を確立するために使用されます。このコマンドを実行する前に、初期化通信コマンドで、通信用のIPアドレスとポート番号を正しく設定してください。

プログラム

MM_OPEN_SOCKET

パラメータの説明

パラメータはありません。

サンプル

CALL JOB:MM_OPEN_SOCKET

TCP接続の切断

このコマンドは、TCP 接続を切断するために使用されます。ロボットがビジョンシステムとの通信を完了した後、ユーザーはこのコマンドを呼び出して通信接続を切断することができます。

プログラム

MM_CLOSE_SOCKET

パラメータの説明

パラメータはありません。

サンプル

CALL JOB:MM_CLOSE_SOCKET

Mech-Visionプロジェクトの実行

このコマンドを実行すると、Mech-Visionプロジェクトが実行され、カメラ撮影とビジョン処理による認識が行われます。Mech-Vizを使用せずMech-Visionを使用する場合に使用します。

プログラム

MM_START_VIS("job;pos_num_need;sendpos_type;prNum")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

job

Mech-Visionのプロジェクト番号は、Mech-Visionのプロジェクトリストで確認できます。プロジェクト名の前の数字は、プロジェクト番号を表します。

pos_num_need

ビジョンポイントの期待数で、Mech-Visionから取得したいビジョンポイントの数です。設定可能な範囲は0~20で、0に設定するとすべてのビジョンポイントが取得されます。

sendpos_type

ロボット位置姿勢のタイプで、ロボット実機の位置姿勢がMech-Visionに送信される形式を指定します。パラメータ範囲は0~3です。

  • 0:ロボットの位置姿勢をビジョンシステムに送信する必要はありません。プロジェクトがEye to Handモードである場合、画像撮影はロボットの位置姿勢とは関係なく、Mech-Visionはロボットの位置姿勢を必要としません。

  • 1:ロボットの位置姿勢を「ロボットの現在の関節角度+フランジ位置姿勢」の形式でビジョンシステムに送信します。Eye in Handのプロジェクトでは、このパラメータを推奨します。Mech-Visionプロジェクトの「経路計画」ステップでは、ロボットから返された関節角度を使用します。フランジ位置姿勢がすべてゼロの場合、フランジデータは無視されます。

  • 2:ロボットの位置姿勢を現在のフランジ位置姿勢の形式でビジョンシステムに送信します。Eye In Handのプロジェクトで、ロボットが関節角度データがなく、フランジ位置姿勢のみがある場合(直行ロボットなど)に適しています。

  • 3:ロボットの位置姿勢をカスタマイズされた関節角度の形式(ユーザーにより設定された関節角度の変数を読み込む)でビジョンシステムに送信します。Eye To Handプロジェクトでは、このパラメータを推奨します。Mech-Visionプロジェクトの「経路計画」ステップはロボットが送信する関節角度を初期位置姿勢として使用します。

prNum

P変数で、事前定義済みのロボット関節角度データを保存するために使用されます。この関節角度データは、sendpos_type=3の場合にのみ使用されます。P変数はパルス形式で選択する必要があります(最終的に関節角度形式のデータに変換され、バックエンド経由で送信されます。パルス形式が設定されていないP変数を選択すると、エラー「MM:PVAR_SET_ERROR」が報告されます)。

サンプル

CALL JOB:MM_START_VIS("1;1;1")

このサンプルを実行するとMech-Visionプロジェクト1が実行されます。結果としてMech-Visionプロジェクト1から1つのビジョンポイントを返します。ロボットは現在の関節角度とフランジ位置姿勢をMech-Visionに送信します。

ビジョン目標点の取得

Mech-Vizを使用せずMech-Visionを使用する場合に使用します。対応するMech-Visionプロジェクトからビジョン認識結果を取得します。

プログラム

MM_GET_VISDATA("Job;Pose_Num;MM_Status")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Job

Mech-Visionのプロジェクト番号は、Mech-Visionのプロジェクトリストで確認できます。プロジェクト名の前の数字は、プロジェクト番号を表します。

出力パラメータ

Pose_Num

取得した出力結果の数を記録するためのI変数です。

MM_Status

ステータスコードを記録するためのI変数です。詳細については、『標準インターフェースのステータスコード一覧とトラブルシューティング』をご参照ください。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_VISDATA("1;51;52")

このサンプルを実行すると、Mech-Visionプロジェクト1のビジョン結果が取得されます。ビジョンポイントの数は変数I51に保存されます。ステータスコードは変数I52に保存されます。

Mech-Vizプロジェクトの実行

Mech-VisionとMech-Vizの両方を使用する場合に使用します。対応するMech-Vizプロジェクトを実行します。Mech-Visionを呼び出し、この時Mech-Vizの仮想ロボットの初期位置姿勢が設定されます。

プログラム

MM_START_VIZ("sendpos_type;prNum")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

sendpos_type

ロボット位置姿勢のタイプです。パラメータ範囲は0~2です。

  • 0:Mech-Vizにロボットの位置姿勢を送信する必要はありません。Mech-Vizでの仮想ロボットは関節角度[0,0,0,0,0,0]から一番目の経路点に移動します。

  • 1:Mech-Vizにロボットの現在の関節角度とフランジ位置姿勢を送信します。Mech-Vizでの仮想ロボットは現在の関節角度から一番目の経路点に移動します。

  • 2:事前定義された関節角度をMech-Vizに送信します。Mech-Vizでの仮想ロボットは現在設定された関節角度から一番目の経路点に移動します。

prNum

P変数で、事前定義済みのロボット関節角度データを保存するために使用されます。この関節角度データは、SendPos_Type=2の場合にのみ使用されます。P変数はパルス形式で選択する必要があります(最終的に関節角度形式のデータに変換され、バックエンド経由で送信されます。パルス形式が設定されていないP変数を選択すると、エラー「MM:PVAR_SET_ERROR」が報告されます)。

サンプル

CALL JOB:MM_START_VIZ("1")

対応するMech-Vizプロジェクトを実行し、現在のロボットの関節角度とフランジ位置姿勢をMech-Vizに送信します。

Mech-Vizによって計画された動作経路を取得

このコマンドは、Mech-Vizプロジェクトに計画した把持経路を取得するために使用されます。

プログラム

MM_GET_VIZDATA("GetPos_Type;Pos_Num;VisPos_Num;MM_Status")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

GetPos_Type

取得する経路におけるポイントのタイプを設定します。
1:Mech-Vizから返された位置姿勢タイプはロボットのJPS(関節角度)です。
2:Mech-Vizから返された位置姿勢タイプは、ロボットツールの中心点の位置姿勢です。

出力パラメータ

Pose_Num

取得した出力結果の数を記録するためのI変数です。

VisPos_Num

最初の「ビジョン処理による移動」が経路全体における位置番号を保存するためののI変数です。例えば、「移動_1、移動_2、ビジョン処理による移動_1、移動_3」の場合、最初のビジョン処理による移動の位置は3です。ビジョン処理による移動がない場合、このパラメータは0になります。

MM_Status

ステータスコードを記録するための変数です。詳細については、 標準インターフェースのステータスコード一覧とトラブルシューティング をご参照ください。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_VIZDATA("2;51;52;53")

このサンプルを実行すると、Mech-Vizからの動作経路がTCP位置姿勢で取得されます。位置姿勢の数はI51に保存されます。「ビジョン処理による移動」が経路全体における位置番号はI52に保存されます。ステータスコードはI53に保存されます。

ビジョンポイント座標の取得

Mech-Visionから送信されたビジョン結果またはMech-Vizから送信されたTCP位置姿勢データ指定した変数に保存します。

プログラム

MM_GET_POSE("Index;Robtarget;Label;Pose_Speed")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Index

保存する位置姿勢のインデックスを指定します。

出力パラメータ

Robtarget

指定された位置姿勢を記録するためのP変数です。

Label

指定された位置姿勢に対応するラベルを記録するためのI変数です。

Pose_Speed

指定された位置姿勢に対応する速度を記録するためのI変数です。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_POSE("1;60;61;62")

このサンプルを実行すると、最初に受信した位置姿勢をP[60]に、対応するラベルをI[61]に、対応する移動速度をI[62]に保存します。

関節角度を取得(Mech-Vizを使用する場合にのみ有効)

Mech-Vizによって送信された関節角度を指定した変数に保存します。

プログラム

MM_GET_JPS("Index;Jointtarget;Label;Pose_Speed")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Index

保存する位置姿勢のインデックスを指定します。

出力パラメータ

Jointtarget

指定された関節角度を記録するためのP変数です。

Label

指定された位置姿勢に対応するラベルを記録するためのI変数です。

Pose_Speed

指定された位置姿勢に対応する速度を記録するためのI変数です。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_JPS("1;60;61;62")

このサンプルを実行すると、最初に受信した関節角度をP[60]に、対応するラベルをレジスタI[61]に、対応する移動速度をレジスタI[62]に保存します。

Mech-Visionのパラメータレシピの切替

使用するMech-Visionプロジェクトの保存されたパラメータレシピを指定します。このコマンドは、MM_START_VISの前に使用する必要があります。

プログラム

MM_SET_MODEL("Job;Model_number")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Job

Mech-Visionのプロジェクト番号は、Mech-Visionのプロジェクトリストで確認できます。プロジェクト名の前の数字は、プロジェクト番号を表します。

Model_number

Mech-Visionプロジェクトのパラメータレシピ番号です。番号範囲は1~99です。

サンプル

CALL JOB:MM_SET_MODEL("1;1")

このサンプルを実行すると、Mech-Vision プロジェクト1で使用されているレシピをレシピ1に切り替えます。

Mech-Viz分岐を選択

Mech-Vizプロジェクトに「メッセージによって異なる分岐を実行」のステップがある場合、このコマンドはMech-Vizにある「メッセージによって異なる分岐を実行」ステップを指定された出口に沿って実行し続けることを制御します。 このコマンドを呼び出す前に、「MM_START_VIZ」を呼び出す必要があります。Mech-Vizは「メッセージによって異なる分岐を実行」ステップに実行すると、203コマンドが出口を送信するのを待ちます。

プログラム

MM_SET_BRANCH("Branch_Num;Exit_Num")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Branch_Num

このパラメータ、つまり、「メッセージによって異なる分岐を実行」のステップIDは正の整数である必要があります。ステップIDは、ステップパラメータで読み取りを行います。

Exit_Num

Mech-Vizプロジェクトは設定された分岐の出口に沿って実行し続けます。パラメータ範囲は1~99です。分岐の出口番号は分岐ステップで表される番号 + 1になります。例えば、番号が0の場合、出口番号は1です。

サンプル

CALL JOB:MM_SET_BRANCH("1;3")

このサンプルを実行すると、Mech-Vizプロジェクト内の1という名前の「メッセージによって異なる分岐を実行」の出口3から実行するようになります。

移動インデックスを設定

リストによる移動、グリッドによる移動、事前計画パレットパターン、カスタマイズのパレットパターンなど、インデック機能を持つ移動ステップは、このコマンドを実行することでインデックス値を設定することができます。 このコマンドを呼び出す前に、MM_START_VIZを実行する必要があります。

プログラム

MM_SET_INDEX("Skill_Num;Index_Num")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Skill_Num

インデックス付きの移動ステップのステップIDで、正の整数である必要があります。ステップIDは、ステップパラメータで読み取りを行います。

Index_Num

次にこのステップが実行されたときに設定されるべき 現在のインデックス の値です。

このコマンドを送信すると、Mech-Vizの現在のインデックス値がこのパラメータの値から1を引いた値に変更されます。

このコマンドで指定したステップに Mech-Viz プロジェクトが実行されると、 Mech-Viz の 現在のインデックス の値が、このパラメータの値まで1つずつ増加します。

サンプル

CALL JOB:MM_SET_INDEX("2;10")

このサンプルを実行すると、Mech-Vizプロジェクトに2という名前のステップのインデックス値を9に設定します。

ソフトウェアのステータスを取得

このコマンドは、Mech-Vision、Mech-Viz、Mech-Centerの実行ステータスを取得するために使用されます(現在、Mech-Visionのみに対応します)。

プログラム

MM_GET_STATUS("Status")

パラメータの説明

パラメータ 説明

出力パラメータ

Status

ステータスコードを記録するための変数です。詳細については、 標準インターフェースのステータスコード一覧とトラブルシューティング をご参照ください。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_STATUS("70")

このサンプルを実行すると、ステータスコードを取得し、I[70]に格納します。

Mech-Visionプロジェクトへ対象物の寸法を送信

このパラメータはMech-Visionプロジェクトに、対象物の寸法を動的に送信する場合に使われます。このコマンドは、MM_START_VISの前に呼び出す必要があります。

プログラム

MM_SET_BOXSIZE("Job;Length;Width;Height")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Job

Mech-Visionのプロジェクト番号は、Mech-Visionのプロジェクトリストで確認できます。プロジェクト名の前の数字は、プロジェクト番号を表します。

Length

対象物の長さ(ミリメートル単位)です。

Width

対象物の幅(ミリメートル単位)です。

Height

対象物の高さ(ミリメートル単位)です。

サンプル

CALL JOB:MM_SET_BOXSIZE("1;500;300;200")

このサンプルを実行すると、Mech-Visionプロジェクトのステップ「対象物の寸法を読み込む」の対象物の寸法が500 × 300 × 200 mmに設定されます。

吸盤のDO信号を取得

このコマンドは、Mech-VisionまたはMech-Vizによって計画された吸盤のDO信号を取得するために使用されます。ロボットは MM_SET_DOLIST により、取得されたDO信号をロボットハンドに適用します。

プログラム

MM_GET_DOLIST("Resource")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Resource

吸盤のDO信号のソースを指定します。

  • 0:Mech-Vizから吸盤のDO信号を取得します。

  • 正整数:Mech-Visionから吸盤のDO信号を取得します。ここで設定された正整数はMech-Visionプロジェクト番号となります。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_DOLIST("0")

このサンプルを実行すると、Mech-Vizで設定されたDO信号のリストを取得し、setdo[]配列に保存します。配列の最初の要素はsetdo[0]で、最後の要素はsetdo[io_index-1]です。

吸盤のDO信号を設定

このコマンドは、Mech-VisionまたはMech-Vizソフトウェアが返すDOリストを汎用出力信号に設定するために使用されます。

このコマンドは、 MM_GET_DOLIST の後に呼び出す必要があります。

プログラム

MM_SET_DOLIST

サンプル

CALL JOB:MM_GET_DOLIST("0")
CALL JOB:MM_SET_DOLIST

このサンプルを実行すると、Mech-Vizで計算されたDOリストの0-63の値が汎用出力信号の0T1-OT64に書き込まれます。

キャリブレーション

カメラの外部パラメータをキャリブレーションするときに使用します。Mech-Visionのカメラキャリブレーション機能と連動してキャリブレーションを自動的に行います。詳細については、 キャリブレーションの操作手順 をご参照ください。

プログラム

MM_CALIB("Move_Type;Pos_Jps;Wait_Time;Rnum;Ext;Pos")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Move_Type

移動方式を設定します。

Pos_Jps

TCP座標または関節角度を使用します。

Wait_Time

ロボットがキャリブレーションポイントに到達した後の待機時間(秒)で、デフォルトでは2秒です。

Rnum

ロボットの軸の数です。

Ext

外部7軸目のデータ(mm)です。オプション機能で、外部軸がない場合は0を入力します。

Pos

キャリブレーションの開始点を格納するためのP変数で、デフォルトではP[99]です。

サンプル

CALL JOB:MM_CALIB("2;1;2;6;0;99")

このサンプルを実行すると6軸ロボットを関節運動で動かし、TCP位置姿勢を受信し、2つの位置姿勢間の待機時間を2秒に設定します。また、ロボットには外部7軸を設定していません。P[99]には、キャリブレーション開始点の位置姿勢を保存します。

Mech-Visionのカスタマイズされたデータを取得

このコマンドは、Mech-Visionの「出力」ステップからカスタマイズされたデータを受信するために使用されます。つまり、posesとlabels以外のポートのデータを受信します(ステップパラメータ「ポートタイプ」を「カスタム」に設定する場合)。

このコマンドは一度だけ呼ばれ、すべてのデータをロボットのメモリに取り込みます。

プログラム

MM_GET_DYDATA("job;regPosNum;regStatus")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

job

Mech-Visionのプロジェクト番号は、Mech-Visionのプロジェクトリストで確認できます。プロジェクト名の前の数字は、プロジェクト番号を表します。

出力パラメータ

regPosNum

I変数で、返されたビジョンポイントの数を保存するために使用されます。

regStatus

I変数で、このコマンドが実行した後に返されたステータスコードを保存するために使用されます。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_DYDATA("2;60;61")

このサンプルを実行すると、Mech-Visionプロジェクト2が実行された後、すべての出力データがロボットのメモリに保存され、ビジョンポイントの数が変数I60に、ステータスコードが変数I61に保存されます。

Mech-Visionから取得したカスタマイズされたデータをレジスタ変数に保存

このコマンドは、Mech-Visionから取得したカスタマイズされたデータを指定したロボットのレジスタ変数に保存するために使用されます。 Mech-Visionのカスタマイズされたデータを取得 を実行した後に使用します。

プログラム

MM_GET_DYPOSE("serial;prNum;regLabel;rrNum")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

serial

取得するビジョンポイントのカスタマイズされたデータを指定します。

出力パラメータ

prNum

P変数で、指定したビジョンポイントの位置姿勢データを保存するために使用されます(使用前にP変数のタイプを「ロボット」に設定する必要があります)。

regLabel

I変数で、指定したビジョンポイントのラベルを保存するために使用されます。

rrNum

R変数の開始番号で、指定したビジョンポイントのカスタマイズされたデータを保存するために使用されます。設定中にカスタマイズされたデータの数に注意し、R変数に十分なスペースを確保してください。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_DYPOSE("2;60;60;60")

このサンプルを実行すると、MM_GET_DYDATAが実行後、受信した2番目のビジョンポイントの位置姿勢データ(出力時に四元数がオイラー角に変換された)がP60変数に、ラベルデータがI60変数に、カスタマイズされたデータがR60-RNに保存されます。

「ビジョン処理による移動」の計画結果またはカスタマイズされたデータを取得

このコマンドは、Mech-Visionプロジェクトの「ビジョン処理による移動」の計画結果、またはMech-Vizプロジェクトの「ビジョン処理による移動」の計画結果またはカスタマイズされたデータを取得するために使用されます。MM_GET_PLANPOSE により、取得したデータを各変数に割り当てることができます。

プログラム

MM_GET_PLANDATA("Resource;jpsPos;regPosNum;visPosNum;regStatus")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Resource

「ビジョン処理による移動」の計画結果のソースを指定します。

  • 0:Mech-Vizから「ビジョン処理による移動」の計画結果を取得します。

  • 正整数:Mech-Visionから「ビジョン処理による移動」の計画結果を取得します。ここで設定された正整数はMech-Visionプロジェクト番号となります。

jpsPos

返されたデータの予期形式の説明は以下の通りです。

出力パラメータ

regPosNum

I変数で、受信した経路点の数を保存するために使用されます。

visPosNum

I変数で、最初のビジョン処理による移動が計画した経路における位置番号を保存するために使用されます。

regStatus

I変数で、このコマンドが実行した後に返されたステータスコードを保存するために使用されます。

  • Resourceが0の場合、 jpsPos パラメータの値の範囲は1~4です。

    jpsPos パラメータ値 返されたデータの予期形式 説明

    1

    位置姿勢(JPs形式),移動方式,ツール番号,速度,カスタマイズされたデータ1,...,カスタマイズされたデータN

    2

    位置姿勢(TCP形式),移動方式,ツール番号,速度カスタマイズされたデータ1,...,カスタマイズされたデータN

    3

    位置姿勢(JPs形式),移動方式,ツール番号,速度,Mech-Vizの「ビジョン処理による移動」の計画結果,カスタマイズされたデータ1,...,カスタマイズされたデータN

    4

    位置姿勢(TCP形式),移動方式,ツール番号,速度,Mech-Vizの「ビジョン処理による移動」の計画結果,カスタマイズされたデータ1,...,カスタマイズされたデータN

  • Resourceが正整数の場合、 jpsPos パラメータの値の範囲は1~2です。

    jpsPos パラメータ値 返されたデータの予期形式 説明

    1

    位置姿勢(JPs形式)、移動方式、ツール番号、速度、Mech-Visionの「ビジョン処理による移動」の計画結果

    2

    位置姿勢(TCP形式)、移動方式、ツール番号、速度、Mech-Visionの「ビジョン処理による移動」の計画結果

位置姿勢

経路点の位置姿勢は、ロボット関節角度(JPs、単位は度)、ツール位置姿勢(TCP、3次元座標はミリメートル、オイラー角は度)のいずれかであり、その形式は送信するコマンドパラメータに依存します。

移動方式

  • 1:関節運動。

  • 2:直線運動。

ツール番号

ロボットがその経路点に移動するときに使用するロボットハンドの番号です。-1である場合、ロボットハンドが使用されないことを示します。

速度

経路点の速度値です。

「ビジョン処理による移動」の計画結果

Mech-VisionまたはMech-Vizの「ビジョン処理による移動」ステップが計画されたデータのことで、把持するワークのラベル、把持されたワークの合計数、今回把持されたワークの数、吸盤のエッジコーナー番号、TCPオフセット、ワーク群の向き、単体ワークの向き、ワーク群の寸法が含まれます。

カスタイズされたデータ

Mech-Visionプロジェクトの「出力」ステップでポートタイプが「カスタム」に設定された場合に出力されたposesとlabelsポート以外のカスタマイズされたポートのデータです。 カスタマイズされたデータは、ポート名のA–Zの順に並べられています。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_PLANDATA("0;4;60;61;62")

このサンプルを実行すると、Mech-Vizプロジェクトが実行後、すべての出力データがロボットメモリに保存され、経路点の数がI60変数に、ビジョン処理による移動の経路点が経路全体における位置番号がI61変数に、ステータスコードがI62変数に保存されます。

MM_GET_PLANDATAから取得したデータを変数に保存

このコマンドは 「ビジョン処理による移動」の計画結果またはカスタマイズされたデータを取得 の後に使用され、取得したデータを異なる変数に保存するために使用されます。

プログラム

MM_GET_PLANPOSE("serial;prNum;brNum;rrNum")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

serial

保存する経路点を指定します。

出力パラメータ

prNum

P変数で、指定された位置姿勢を保存するために使用されます。

  • MM_GET_PLANDATAのjpsPosが1または3の場合、P変数の種類を「パルス」にしてから使用する必要があります(読み込みプログラムで関節角度をロボットパルスに変換しています)。

  • MM_GET_PLANDATAのjpsPosが2または4の場合、P変数の種類を「ロボット」にしてから使用する必要があります。

brNum

「移動方式」、「ツール番号」、「速度」を保存するためのB変数の開始番号です。開始番号から始まる3つの連続した変数が他の要因の影響を受けないようにする必要があります。

rrNum

「ビジョン処理による移動」の計画結果、カスタマイズされたデータを保存するためのR変数の開始番号です。ビジョン処理による移動の経路点でない場合、設定する必要はありません。 設定時に変数の合計数(「ビジョン処理による移動」の計画結果が21個の変数を使用し、カスタマイズされたデータが使用する変数が実際の状況によって異なります)に注意し、R変数に十分なスペースを確保するようにしてください。

「ビジョン処理による移動」の計画結果の詳細を下表に示します。

データ 説明 使用した変数の数

把持するワークのラベル

10個の整数で構成され、デフォルトは10個のゼロです。

10

把持されたワークの合計数

累計で把持されたワークの数です。

1

今回把持されたワークの数となります。

今回把持されたワークの数となります。

1

吸盤のエッジコーナー番号

この吸盤に使用されているエッジコーナー番号です。

1

TCPオフセット

ロボットハンド中心からのワーク群の中心のXYZオフセットです。

3

ワーク群の向き

吸盤の長辺に対するワーク群の向きです。0は平行、1は垂直を意味します。

1

単体ワークの向き

吸盤の長辺に対する単体ワークの向きです。0は平行、1は垂直を意味します。

1

ワーク群の寸法

今回把持されたワーク群の長さ、幅、高さです。

3

サンプル

CALL JOB:MM_GET_PLANPOSE("2;60;60;60")

このサンプルを実行すると、MM_GET_PLANDATAが実行後、受信した2番目の経路点の位置姿勢データがP60変数に、「移動方式」、「ツール番号」、「速度」がそれぞB60、B61、B62変数に保存されます。経路点がビジョン処理による移動の経路点でない場合、もっと情報はありません。ビジョン処理による移動の経路点である場合、MM_GET_PLANDATAで説明した受信データ形式に従い、R60-RNに残りのデータを順番に保存されます。

Mech-Visionの「経路計画」ステップの結果を取得

Mech-Visionプロジェクトを実行した後、このコマンドはMech-Visionプロジェクトの「経路計画」ステップから出力された衝突のない把持経路を取得するために使用されます。

このコマンドを使用する時、Mech-Visionの「出力」ステップの ポートタイプ を「事前定義済み(ロボット経路)」に設定する必要があります。

プログラム

MM_GET_VISPATH("job;GetPos_Type;Pos_Num;VisPos_Num;MM_Status")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

job

Mech-Visionのプロジェクト番号は、Mech-Visionのプロジェクトリストで確認できます。プロジェクト名の前の数字は、プロジェクト番号を表します。

GetPos_Type

「経路計画」ステップから返された経路点の位置姿勢タイプを指定します。
1:経路点の位置姿勢は関節角度(JPs)の形式で返されます。 2:経路点の位置姿勢はロボットのツール(TCP)位置姿勢の形式で返されます。

出力パラメータ

Pos_Num

I変数で、このコマンドを実行した後に返された経路点の数を保存するために使用されます。

VisPos_Num

I変数で、経路点の送信が完了しているかどうかを表示するために使用されます。 例えば、「移動_1、移動_2、ビジョン処理による移動_1、移動_3」の場合、ビジョン処理による移動の位置は3です。 「ビジョン処理による移動」がなければ、このパラメータは0です。

MM_Status

I変数で、このコマンドが実行した後に返されたステータスコードを保存するために使用されます。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_VISPATH("1;2;51;52;53")

このサンプルを実行すると、Mech-Visionプロジェクト1から計画したロボット経路が取得されます。経路点の位置姿勢形式がTCPです。経路点の数がI51変数に保存されます。「ビジョン処理による移動」の経路点が経路全体における位置番号がI52変数に保存されます。ステータスコードがI53変数に保存されます。

Mech-Vizのステップパラメータを読み取る

このコマンドは、Mech-Vizプロジェクトで指定されたステップパラメータの値を読み取るために使用されます。

プログラム

MM_GET_PROPERTY("Read_id;Status;Viz_Prop")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Read_id

このパラメータは、property_configファイルで指定された 構成ID フィールドとなります。

出力パラメータ

Status

このコマンドが実行した後に返されるステータスコードを保存するためのI変数です。

Viz_Prop

指定されたステップの返されるパラメータ値を保存するためのI変数で、現在INT整数値のみを返すことをサポートしています。

Mech-Visionでは、ツールバーの ロボット通信設定  次へ  詳細設定 をクリックし、 プロパティ設定 をクリックしてproperty_configファイルを開きます。

get property config

このコマンドを使用する前に、あらかじめproperty_configファイルに、ステップ番号と、パラメータ名に対応するキー名を、以下の形式で指定しておく必要があります。

read,構成ID,ステップ番号,パラメータ名に対応するキー名

read

ステップパラメータ値の読取りに使用する行を指定します。

構成ID

唯一の番号を正の整数で指定します。1つの構成IDは、1つのステップパラメータ値を読み取るためにのみ使用できます。複数のステップパラメータ値を読み取る場合は、異なる構成IDを使用してください。

ステップ番号

読み取るパラメータが属するステップの番号を指定します。

キー名

読み込むパラメータに対応するキー名を指定します。

  • キー名キークエリツール から取得できます。Mech-Vizでは、メニューバーの ツール  キークエリツール をクリックして開きます。特定のステップのアイコンをクリックすると、中央のエリアに選択したステップのすべてのパラメータに対応するキー名が表示されます。設定するパラメータのキー名は、下図のエリアに表示される名前である必要があります。

    parameter key name
  • property_configファイルで「#」で始まる行はコメント行であり、コマンドは実行時にこれらのコメントを無視し、処理を行いません。

  • property_configファイルを編集した後、ファイルを保存し、Mech-Visionのツールバーのインターフェースサービスを再起動してください。

property_configファイルには複数のreadコマンドを設定することができますが、各readコマンドの構成IDは一意である必要があります。

サンプル

例えば、property_configファイルに以下の内容を追加します。5は構成ID、3はステップ番号、xCountはパラメータ名に対応するキー名を示します。

read, 5, 3, xCount

ロボットが以下のコマンドを送信した後、xCountのパラメータ値が取得されます。

CALL JOB:MM_GET_PROPERTY("5;10;11")

このサンプルを実行すると、Mech-Vizプロジェクト内のステップ番号が3のxCountのパラメータ値がI11変数に、返されたステータスコードがI10変数に保存されます。

Mech-Vizのステップパラメータを設定

このコマンドは、Mech-Vizプロジェクトで指定されたステップパラメータの値を設定するために使用されます。

プログラム

MM_SET_PROPERTY("Write_id;Status")

パラメータの説明

パラメータ 説明

入力パラメータ

Write_id

このパラメータは、property_configファイルで指定された 構成ID フィールドとなります。

出力パラメータ

Status

このコマンドが実行した後に返されるステータスコードを保存するためのI変数です。

Mech-Visionでは、ツールバーの ロボット通信設定  次へ  詳細設定 をクリックし、 プロパティ設定 をクリックしてproperty_configファイルを開きます。

get property config

このコマンドを使用する前に、あらかじめproperty_configファイルに、ステップ番号、パラメータ名に対応するキー名とパラメータ値を、以下の形式で指定しておく必要があります。

write,構成ID,ステップ番号,パラメータ名に対応するキー名,パラメータ値

write

ステップパラメータ値の設定に使用する行を指定します。

構成ID

番号(一意でない)を正の整数で指定します。

ステップ番号

設定するパラメータが属するステップの番号を指定します。

キー名

設定するパラメータに対応するキー名を指定します。

パラメータ値

設定するパラメータ値を指定します。

  • property_configファイルには、複数のwriteコマンドを設定することができ、構成IDは繰り返すことができます。つまり、1つの構成IDで複数のパラメータ値を設定することができます。

  • キー名キークエリツール から取得できます。Mech-Vizでは、メニューバーの ツール  キークエリツール をクリックして開きます。特定のステップのアイコンをクリックすると、中央のエリアに選択したステップのすべてのパラメータに対応するキー名が表示されます。設定するパラメータのキー名は、下図のエリアに表示される名前である必要があります。

    parameter key name
  • property_configファイルで「#」で始まる行はコメント行であり、コマンドは実行時にこれらのコメントを無視し、処理を行いません。

  • property_configファイルを編集した後、ファイルを保存し、Mech-Visionのツールバーのインターフェースサービスを再起動してください。

サンプル

例えば、property_configファイルの内容は、1が構成ID、3がステップ番号、xOffset、yOffset、zOffsetがキー名、10がxOffsetに対応するパラメータ値、20がyOffsetに対応するパラメータ値、30がzOffsetに対応するパラメータ値を示します。

write, 1, 3, xOffset, 10
write, 1, 3, yOffset, 20
write, 1, 3, zOffset, 30

ロボットが以下のコマンドを送信した後、Mech-VizはxOffset、yOffsetとzOffsのパラメータ値をそれぞれ10、20と30に設定します。

CALL JOB:MM_SET_PROPERTY("1;10")

このサンプルを実行すると、xOffset、yOffsetとzOffsに対応するパラメータ値がそれぞれ10、20と30に設定され、返されたステータスコードがI10変数に保存されます。

「通知」ステップのメッセージを取得

Mech-VisionまたはMech-Vizプロジェクトを実行した後、「通知」ステップで設定されたメッセージを取得します。

プログラム

MM_GET_NOTIFY("NotifyMsg")

パラメータの説明

パラメータ 説明

出力パラメータ

NotifyMsg

「通知」ステップのメッセージを保存するためのI変数(現在は整数のみがサポート)です。

サンプル

CALL JOB:MM_GET_NOTIFY("60")

このサンプルを実行すると、「通知」ステップから取得したメッセージがI60変数に保存されます。

Mech-Vizプロジェクトを停止

このコマンドは、実行中のMech-Vizプロジェクトを停止するために使用されます。

プログラム

MM_Stop_Viz

サンプル

CALL JOB:MM_Stop_Viz

このコマンドを実行すると、実行中のMech-Vizプロジェクトが停止されます。

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