「ワークの選択と認識」に関するよくある問題

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以下では、「ワークの選択と認識」でよく発生する問題、その原因、および対処法を紹介します。

認識結果なし

  • 問題

    「ワークの選択と認識」手順で認識結果が得られません。

  • 考えられる原因

    • ディープラーニングによる認識 機能が有効になっている場合、ディープラーニングによる認識結果が得られない可能性があります。

    • 信頼度しきい値 が高すぎるため、正しい認識結果が除去されています。

    • 点群モデルが認識するワークと一致していません。

  • 対処法

    • ディープラーニングによる認識 機能が有効になっている場合、選択したディープラーニングモデルパッケージが正しいか、ROI設定が適切かを確認します。下図で、左が誤ったROI、右が正しいROIの例です。

      recognition check dl roi
    • 実際の状況に応じて、信頼度しきい値 を適切に設定します。

    • 点群モデルと認識するワークが一致していることを確認します。

見逃し認識

  • 問題

    ワークの認識結果に見逃し認識が発生します。

  • 考えられる原因

    • 信頼度しきい値 が高すぎるため、正しい認識結果が除去されています。

    • 一部のワークの点群が大きく抜けています。

      recognition point cloud missing
    • 重なり率 が低すぎて、わずかに重ねられている認識結果が除去されています。

  • 対処法

    • 実際の状況に応じて、信頼度しきい値 を適切に設定します。

    • 点群抜けの原因を確認し、点群品質を向上させます。それでも見逃し認識が発生する場合は、ディープラーニングによる認識 機能を使用してみてください。

    • 重ねられている結果を除去 を無効にするか、重なり率 を大きく設定します。

誤認識

  • 問題

    ワーク認識中、点群モデルのマッチング結果がずれている、または背景点群が誤ってワークとして認識されます。

  • 考えられる原因

    • 細長いワークの場合、マッチング結果が大きくずれることがあります。

      recognition matching dislocation
    • ワークの表裏や両端が完全には一致していないが、似ているために誤って表裏や大端小端が認識されます。

    • 背景点群が除去されず、誤ってワークとして認識されます。

      preprocessing misidentification
  • 対処法

    • 細長いワークに対しては、以下の方法でマッチング精度を向上させることができます。

      • 認識パラメータを最適化し、低精度マッチングと高精度マッチングの 実行モード高精度 に設定し、高精度マッチングの 偏差補正能力中程度 に設定します。これらのパラメータは、上級モード で設定可能です。

      • 細長い対象物のマッチング精度向上 機能を有効にします。このパラメータは、上級モード で利用可能です。

      • ディープラーニングによる認識 機能を有効にします。

      最適化された認識結果を下図に示します。

      recognition matching dislocation correction
    • ワークライブラリ点群モデル設定 機能を有効にし、対称性を手動で設定 することで誤マッチングを回避することができます。その後、ワーク認識の設定ツール の「ワークの選択と認識」手順で 上級モード を有効にし、「誤マッチングを回避」の下の マッチングに失敗する可能性のある位置姿勢をフィルタリング パラメータを調整することで誤マッチングを回避することができます。

      recognition set symmetry
    • ディープラーニングによる認識 機能を有効にします。ディープラーニングを使用してワークを認識し、背景点群が認識結果に干渉するのを避けることができます。

認識時間が長すぎる

  • 問題

    ワーク認識にかかる時間が長いです。

  • 考えられる原因

    • 「点群前処理」手順で設定された3D ROIが適切でないため、背景点群が除去されていません。

    • 認識パラメータが適切に設定されていません。

    • 追加の高精度マッチング 機能が有効になっています。

  • 対処法

    • 「点群前処理」手順で3D ROIを適切に設定し、背景点群を除去し、ワーク点群のみを残します。

    • 認識パラメータの設定を最適化します。認識精度が精度要件を満たしている場合、低精度マッチングと高精度マッチングの 実行モード高速 または 標準 に設定し、サイクルタイムを向上させます。これらのパラメータは、上級モード で設定可能です。

    • 追加の高精度マッチング 機能を無効にします。

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