「ワークの選択と認識」に関するよくある問題
以下では、「ワークの選択と認識」でよく発生する問題、その原因、および対処法を紹介します。
認識結果なし
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問題
「ワークの選択と認識」手順で認識結果が得られません。
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考えられる原因
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ディープラーニングによる認識 機能が有効になっている場合、ディープラーニングによる認識結果が得られない可能性があります。
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信頼度しきい値 が高すぎるため、正しい認識結果が除去されています。
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点群モデルが認識するワークと一致していません。
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対処法
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ディープラーニングによる認識 機能が有効になっている場合、選択したディープラーニングモデルパッケージが正しいか、ROI設定が適切かを確認します。下図で、左が誤ったROI、右が正しいROIの例です。
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実際の状況に応じて、信頼度しきい値 を適切に設定します。
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点群モデルと認識するワークが一致していることを確認します。
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見逃し認識
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問題
ワークの認識結果に見逃し認識が発生します。
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考えられる原因
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信頼度しきい値 が高すぎるため、正しい認識結果が除去されています。
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一部のワークの点群が大きく抜けています。
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重なり率 が低すぎて、わずかに重ねられている認識結果が除去されています。
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対処法
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実際の状況に応じて、信頼度しきい値 を適切に設定します。
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点群抜けの原因を確認し、点群品質を向上させます。それでも見逃し認識が発生する場合は、ディープラーニングによる認識 機能を使用してみてください。
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重ねられている結果を除去 を無効にするか、重なり率 を大きく設定します。
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誤認識
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問題
ワーク認識中、点群モデルのマッチング結果がずれている、または背景点群が誤ってワークとして認識されます。
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考えられる原因
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細長いワークの場合、マッチング結果が大きくずれることがあります。
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ワークの表裏や両端が完全には一致していないが、似ているために誤って表裏や大端小端が認識されます。
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背景点群が除去されず、誤ってワークとして認識されます。
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対処法
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細長いワークに対しては、以下の方法でマッチング精度を向上させることができます。
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認識パラメータを最適化し、低精度マッチングと高精度マッチングの 実行モード を 高精度 に設定し、高精度マッチングの 偏差補正能力 を 中程度 に設定します。これらのパラメータは、上級モード で設定可能です。
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細長い対象物のマッチング精度向上 機能を有効にします。このパラメータは、上級モード で利用可能です。
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ディープラーニングによる認識 機能を有効にします。
最適化された認識結果を下図に示します。
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ワークライブラリ で 点群モデル設定 機能を有効にし、対称性を手動で設定 することで誤マッチングを回避することができます。その後、ワーク認識の設定ツール の「ワークの選択と認識」手順で 上級モード を有効にし、「誤マッチングを回避」の下の マッチングに失敗する可能性のある位置姿勢をフィルタリング パラメータを調整することで誤マッチングを回避することができます。
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ディープラーニングによる認識 機能を有効にします。ディープラーニングを使用してワークを認識し、背景点群が認識結果に干渉するのを避けることができます。
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認識時間が長すぎる
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問題
ワーク認識にかかる時間が長いです。
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考えられる原因
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「点群前処理」手順で設定された3D ROIが適切でないため、背景点群が除去されていません。
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認識パラメータが適切に設定されていません。
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追加の高精度マッチング 機能が有効になっています。
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対処法
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「点群前処理」手順で3D ROIを適切に設定し、背景点群を除去し、ワーク点群のみを残します。
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認識パラメータの設定を最適化します。認識精度が精度要件を満たしている場合、低精度マッチングと高精度マッチングの 実行モード を 高速 または 標準 に設定し、サイクルタイムを向上させます。これらのパラメータは、上級モード で設定可能です。
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追加の高精度マッチング 機能を無効にします。
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