ロボットハンドの分類とオフセットの紹介

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ロボットハンドの分類

クランプ式ハンド

ワークの形状が吸着に適さず、かつワークの磁化が許されない場合、クランプ式ハンドの使用を推奨します。クランプ式ハンドは形状が複雑なワークにも適応し、安定した把持を実現できます。下図は小型リングの把持例です。

gripper finger

磁気吸着式ハンド

金属ワークが密接しており、エッジや側面にハンドを挿入しにくく、上面のみが接触可能な場合、磁気吸着式ハンドを選択できます。磁気吸着式ハンドはワークの上面に直接吸着し、安定かつ効果的な把持を確保します。

gripper magnetic

吸盤式ハンド

異なる種類のワークが混載している場合、ワークの表面が滑らかで穴がなく、吸盤がカバーできる範囲が十分であり、シーンの把持精度の要求が比較的低い場合は、吸盤式ハンドを選択することを推奨します。下図はSKU商品の把持例です。

gripper suction cup

ロボットハンドのオフセット

オフセットの概念

ロボットハンドのオフセットとは、ハンドの構造形式の一種を指します。以下に、ハンドのオフセットについて2つの状況に分けて説明します。

  • 水平方向の座標オフセット

    ロボットがワークを把持する際、ロボットのフランジ位置姿勢と把持位置姿勢との間に鉛直方向に一定の水平距離(オフセット半径)が存在します。下図で1はロボット、2は把持位置姿勢、rはオフセット半径です。

gripper offset 1
  • TCPの向き(角度)のオフセット

    一部のシーンでは、ロボットハンドの先端の把持面をロボットフランジの取付面に対して一定の角度で設置することで、オフセットの幅を広げることも可能です。下図で1はロボット、2はロボットハンドです。

gripper offset 2

オフセットの役割

  • 手首の特異点回避

    実際のプロジェクトでは、ワークの供給形態が多様であり、供給時のワークの位置姿勢が固定でない場合があります。下図に示すように、ハンドにオフセットがないと、計画されたロボットの把持位置姿勢が特異点を生じる可能性があります。

    gripper offset function 1 1

    この場合、ロボットのフランジ位置姿勢が把持位置姿勢と同じ鉛直線上にないようにする必要があります。

  • 限られた作業空間でも把持成功率を向上(高い切り取り率)

    いくつかの状況では、高い切り取り率を要求する一方で、狭い作業空間、ロボットハンドのサイズが大きいまたは形状が特殊、そして特殊な位置にあるワークの把持などの課題に直面することがあります。オフセットのないロボットハンドを使用してワークを把持する場合、ハンドは周囲の環境と衝突しやすくなります。下図のように示します。

    gripper offset function 2 1

    このような場合は、ロボットハンドにオフセット処理(下図の緑色部分)を施します。これでコーナーに配置されたワークでも把持できます。下図で1は延長アーム、2はバッファ装置、3はセンサー取付座、4はクランプシリンダ、5はフィンガークランプ、6はフィンガースリーブ、7はセンサーです。

    gripper offset function 2 2
  • ロボット可動範囲を拡大

    ロボット型番やセルの実際の状況とロボット可働範囲の要件が一致しない場合、ハンドをオフセットすることでロボット可働範囲を拡大することが可能です。

    gripper offset function 3

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