位置姿勢を調整(基準点を指す)
まず「基準点を指す」の適用シーンと適用例を紹介し、「位置姿勢を調整(基準点を指す)」のサンプルプロジェクトを例にとって、実践ガイドを提供します。次に、位置姿勢を一括調整(V2) ステップのパラメータ調整方法を説明し、最後に実際の適用時の注意事項を紹介します。
適用例
シャフトやバーの供給シーンに適しています。 コンテナの側壁付近のワークを把持する場合、ロボットハンドがコンテナに衝突するのを防ぐために、シャフトやバーの位置姿勢のZ軸を特定の点(基準点)に向け、シャフトやバーから基準位置姿勢までの距離をソートし、順番に把持します。
位置姿勢の方向を基準点に向けた後、ロボットの把持効果は下図のようになります。
以下は、この例に基づいた実践ガイドと注意事項の説明です。
実践ガイド
適用シーンを理解した後、それを使用する必要がある場合は、ソリューションライブラリから関連プロジェクトをダウンロードし、以下の内容を参考にしてパラメータの調整方法を学んでください。
「位置姿勢を調整(基準点を指す)」のプロジェクトはMech-Visionのソリューションライブラリにあり、実践例からダウンロードして使用できます。プロジェクトを作成した後、位置姿勢を一括調整(V2) ステップを選択し、設定ツール ボタンをクリックして、位置姿勢編集ツール を開きます。位置姿勢調整、位置姿勢処理ルール、共通設定の3つの手順が含まれます。
-
位置姿勢調整:位置姿勢の向きを調整します。
-
位置姿勢処理ルール:実際の要件に基づいて位置姿勢をソートし、要件を満たしていない位置姿勢を除去します。
-
共通設定:位置姿勢処理以外の設定を行い、位置姿勢と1対1に対応する他のデータ(箱の寸法など)を再ソートすることができます。
以下は、各手順の主要なパラメータの説明です。
位置姿勢調整
-
方向の調整方式を選択します。
対象物の位置姿勢を基準点に向けるために、方向調整 を 基準点を指す に設定する必要があります。
-
基準位置姿勢を設定します。
位置姿勢の向きを調整するには、基準位置姿勢の設定が必要です。設定方法については、基準位置姿勢を設定 をご参照ください。このプロジェクトでは、マニピュレータによる設定 に設定し、これにより把持方向を調整します。
-
指す軸と固定する軸を設定します。
このプロジェクトでは、指す軸 を Z軸 に、固定する軸 を X軸 に設定します。実際のシーンでは、ワークの対称性に応じて 指す軸 と 固定する軸 を設定してくさい。
-
対称角度のステップサイズを設定します。
対称角度のステップサイズ の値は、把持精度を確保し、ワークの対称性を最適化し、誤差を減らすために、把持中に調整することができます。シャフトやバーの供給シーンでは、位置姿勢が基準点を指すようにする必要があるため、このパラメータの値を調整します。
上記の設定が完了したら、次へ をクリックして位置姿勢処理ルールの画面に入ります。
位置姿勢処理ルール
-
ソート方法を選択します。
シャフトやバーの供給シーンでは、中心位置にあるワークを先に把持する必要があります。そのため、ソート方法 を 位置姿勢から基準位置姿勢までの距離でソート に設定することを推奨します。この方法は、すべての入力位置姿勢から基準位置姿勢までの距離を計算し、その距離によって位置姿勢をソートすることができます。
-
基準位置姿勢を設定します。
この基準位置姿勢は、把持の開始位置を確認するために使用されます。基準位置姿勢の設定方法については、基準位置姿勢の設定 をご参照ください。このプロジェクトでは、コンテナ位置が固定であるため、マニピュレータによる設定 の方法を使用して基準位置姿勢を設定します。
-
ソート順序を選択します。
位置姿勢から基準位置姿勢までの距離が小さいものから大きいものへとソートし、その後の把持を容易にするために、ソート方式 を 昇順 に設定します。
上記の設定が完了したら、次へ をクリックして共通設定の画面に入ります。
注意事項
実際のアプリケーションでは、以下の注意事項に従った上で、プロジェクトに 位置姿勢を一括調整(V2) ステップを追加し、データフローを接続してください。
-
位置姿勢を一括調整(V2) ステップの前に、ワークの中心位置姿勢を認識し出力するためのステップやステップの組合せ(ワークの位置姿勢を読み込む など)を接続する必要があります。これらのステップまたはステップの組合せの位置姿勢出力ポートは、位置姿勢を一括調整(V2) ステップの位置姿勢入力ポートに接続して、位置姿勢のソートを行います。
-
位置姿勢を一括調整(V2) ステップの後に、位置姿勢入力の関連ステップ(経路計画 や 出力 ステップなど)を接続する必要があります。これにより、調整された位置姿勢が出力され、ロボットが基準位置姿勢までの距離にシャフトやバーを把持することが可能になります。