ロボット通信設定
本ガイドでは、標準インターフェースプログラムをKUKAロボットに読み込む方法を習得し、Mech-Mindビジョンシステムとロボット間の標準インターフェース通信設定を行います。
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事前準備
ハードウェアとソフトウェアのバージョンを確認
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6軸のKUKAロボットが使用されていることを確認してください。以下ではKUKA_KR_10_R1100_2_HOを例として説明します。
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コントローラ型番がKR C4であることを確認してください。
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ロボットシステムのバージョンがKSS 8.2、8.3、8.5または8.6であることを確認してください。
(クリックして展開)詳細方法
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をクリックし、
をクリックします。 -
ロボットシステムバージョンは、下図のような画面で確認できます。
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ロボットソフトウェアパッケージ:Ethernet KRL(V 2.2.8、3.0.3または3.1.2.29)。
KSSとEthernet KRLバージョンの対応関係は以下の通りです。
KSSバージョン Ethernet KRLバージョン 8.2または8.3
2.2.8
8.5
3.0.3
8.6
3.1.2.29
(クリックして展開)詳細方法
下図のような画面で オプション をクリックし、Ethernet KRLのバージョン情報を確認します。
以下では、バージョンKSS 8.6のティーチペンダントを使用して操作します。バージョンによって操作は異なります。 |
ネットワーク接続を確立
Mech-Visionソリューションの作成と保存
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Mech-Visionを起動すると、下図のようなようこそ画面が表示された場合、Mech-Visionが正常に起動されたことを示します。
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Mech-Visionのようこそ画面で ソリューションライブラリから新規作成 をクリックし、ソリューションライブラリを開きます。
ソリューションライブラリには、異なる業界に適応可能なソリューションやプロジェクトのソースライブラリが含まれています。 -
下図に示すように、ソリューションライブラリの アプリケーションテンプレート から 整列して並べられたワークの供給 ソリューションを選択します。
整列して並べられたワークの供給 ソリューションが見つからない場合は、ソリューションライブラリの右上にある ダウンロード アイコンをクリックしてください。
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ソリューション名と保存先を設定したら、作成 をクリックします。
プロジェクトが作成されると、Mech-Visionのメイン画面の左上にあるプロジェクトリストに、作成されたソリューションとプロジェクトが表示されます。
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ソリューション とは、ビジョンソリューションを実現するために必要なロボットと通信、ビジョン処理、経路計画などの機能設定とデータの集りのことです。
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プロジェクト とは、ソリューションにおけるビジョン処理のワークフローです。通常、1つのMech-Visionプロジェクトを含むソリューションで十分ですが、複雑な適用シーンでは複数のプロジェクトが必要になる場合があります。
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整列して並べられたワークの供給 ソリューションには、 プロジェクト「Vis_Target_Object_Recognition」が1つだけ含まれています。
メイン画面中央のプロジェクト編集エリアには、「 Vis_Target_Object_Recognition」というプロジェクトが表示されます。
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プロジェクトリストでこのソリューションを右クリックし、ソリューションを自動的に読み込む にチェックを入れます。
ソリューションが自動読み込みに設定されている場合、プロジェクト名が緑色で表示され、プロジェクト名の左側にプロジェクト番号が表示されます。
プロジェクト番号は、ロボットの把持・配置アプリケーションでMech-Visionプロジェクトの実行をトリガーするために使用されます。 -
メニューバーから
を選択します。
ロボット通信設定
このソリューションでは、KUKAロボット(KUKA_KR_10_R1100_2_HO)用のロボット通信設定がデフォルトで行われています。また、ツールバー上の ロボット通信設定 はすでに有効な状態になっています。
ロボットプログラムのバックアップ
下記の手順を開始する前に、エキスパートに切り替わっている ことを確認してください。そうしないと、USBメモリが認識されません。 |
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USBメモリをコントローラに挿入し、ティーチペンダントでそれが認識されているかどうかを確認します。
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を押し、ポップアップメニューから
を選択してから、はい をクリックします。 -
ティーチペンダントに下図に示されている情報が表示された場合、アーカイブが完了したことを意味します。また、USBメモリにZIP形式のファイルが追加されます。最後に、USBメモリを取り外します。
読み込みファイルの準備
Mech-VisionとMech-Vizソフトウェアのインストールディレクトリにある Communication Component/Robot_Interface
フォルダを開き、KUKAフォルダをコピーしてUSBメモリに貼り付けます。
KUKAフォルダには以下のファイルが格納されています。
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mm_module.src(コマンドプログラムファイル)
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mm_module.dat(コマンドプログラムファイル)
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XML_Kuka_MMIND.xml(ネットワーク構成ファイル)
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MM_COMTEST.src(通信テスト用プログラムファイル)
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MM_COMTEST.dat(通信テスト用プログラムファイル)
XML_Kuka_MMIND.xml 構成ファイルは、通信パラメータを定義しており、主にIPCのIPアドレス、ポート、Aliveラベル、およびRECEIVEラベルが含まれます。現場の実際の設定に基づいて、読み込み前に必ずこれらの設定を修正してください。XML_Kuka_MMIND.xml 構成ファイルに関する詳細な説明については、MM_Init_Socket コマンド をご参照ください。 |
ファイルの読み込み
下記の手順を開始する前に、エキスパートに切り替わっている ことを確認してください。そうしないと、USBメモリが認識されません。 |
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USBメモリをコントローラに挿入した後、ティーチペンダント画面の左側にあるUSBメモリをクリックして、読み込みファイルが配置されているフォルダを見つけます。
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mm_module.src、mm_module.dat、MM_COMTEST.src および MM_COMTEST.dat を
KRC:\R1\mm
にコピーします(mmフォルダがない場合は新規作成してください)。-
mmフォルダを新規作成します。
KRC:\ をクリックしてR1フォルダをクリックし、新規 をクリックします。
表示される画面で mm を入力して OK をクリックすると、mmフォルダが作成されます。
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USBメモリに格納されているKUKAフォルダの中の mm_module.src、mm_module.dat、MM_COMTEST.src および MM_COMTEST.dat を選択し、編集 をクリックして コピー をクリックします。
画面を長押ししてドラッグすると、複数のファイルを選択できるマーキーが表示されます。 -
KRC:\R1
フォルダの下のmmフォルダを選択し、開く をクリックします。 -
をクリックすると、選択したファイルの貼り付けが完了します。
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上記を参照して XML_Kuka_MMIND.xml を
C:\KRC\ROBOTER\Config\User\Common\EthernetKRL
にコピーします。 -
C:\KRC\ROBOTER\Config\User\Common\EthernetKRL
フォルダの下の XML_Kuka_MMIND.xml を選択し、開く をクリックします。 -
コードの4行目を選択したら、左側の をクリックして入力ソフトキーボードを呼び出し、IPアドレスをIPCのIPアドレスに変更し、もう一度 をクリックしてソフトキーボードを非表示にします。5行目のポート番号は、Mech-Visionで設定されたホストポート番号と一致している必要があります。ポート番号を変更する場合は、上記の手順に従って変更できます。
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変更後、左側の閉じるボタンをクリックします。表示される画面で はい をクリックすると、変更が保存されます。
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エキスパートへの切替 を参照して、管理者 に登録します。 をクリックし、表示されるメニューで シャットダウン をクリックして、シャットダウンの画面に入ります。
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シャットダウンの画面で コールドスタート、ファイルの再読み込み、制御PCの再起動 にチェックを入れます。
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表示される画面で はい をクリックすると、ロボットが再起動されます。
標準インターフェース通信をテスト
通信テスト用プログラムを選択
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エキスパートへの切替 を参照して、管理者 に登録します。
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KRC:\R1\mm
フォルダの下のMM_COMTEST.srcを選択し、左下隅の 選択 をクリックしてプログラムの選択が完了します。
通信テスト用プログラムを実行
開始前に、実行モードの切り替え方法について理解しておく必要があります。以下に具体的な操作方法を示しますが、以降の説明では詳細を省略します。
ティーチペンダントの接続マネージャースイッチを横向きに回し、表示されるモード選択ダイアログで特定の実行モード(たとえば、T1またはAUT)を選択し、その後接続マネージャースイッチを元の位置に戻すと、ロボットの実行モードが切り替わります。
T1は手動低速実行を示し、AUTは自動実行を示します。 |
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前述の手順に従って、T1実行モードに切り替えます。
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O をクリックし、ポップアップウィンドウで I をクリックして 駆動系 の状態を I に切り替えます。駆動系の状態がすでに I の場合は、この操作を無視します。
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ティーチペンの背面の 白いイネーブルキー を押したままにし、その後にティーチペンの正面の 緑色の実行キー を1回押すと、プログラムが実行されます(Rが緑色に変わると、プログラムが実行中であることを示します)。プログラムが完了すると、画面上部に MM:Init Connection ok と表示されます。その後、イネーブルキー と 実行キー を離します。
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ロボットとビジョンシステム間の通信接続が成功すると、Mech-Visionのログバーの コンソール タブに関連メッセージが表示されます。
これで、標準インターフェースプログラムと設定ファイルをロボットシステムに読み込み、ビジョンシステムとロボットとの標準インターフェース通信を確立します。