小型ワークの高精度分割モデルのトレーニング

3D ビジョンによるクランクシャフト供給のプロジェクトを例に、視野が広くてワークサイズが小さいシーンンにおいてモジュールを接続して高精度のディープラーニングモデルをトレーニングする方法を紹介します。

トレーニング手順

クランクシャフト自動供給は、ロボットをガイドしてトレイからバラ積みワークを認識・把持します。以下の 3つの手順を実行します。

  1. 対象物検出モジュールでクランクシャフトが配置されたトレイを位置決めます。

  2. インスタンスセグメンテーションモジュールでクランクシャフトを分割します。

  3. 対象物検出モジュールでクランクシャフトの大きい端を位置決めます。

高精度のモデルを取得するために、各モジュールの機能を利用して段階的にデータを収集してラベルを付けます。

データ取得

カメラの 2D パラメータを調整する

  • 高解像度モード:高解像度カメラを使用することを推奨します。このプロジェクトでは、LSR L-V4 カメラは 12 メガピクセルの高解像度モードを使用します。

  • 露出モード:環境光が変化しやすくてトレイの色も様々なので RGB カメラの露出モードを Auto に設定し、トレイを ROI として使用することを推奨します。

  • グレースケール値:クランクシャフトは高反射ワークなのでグレースケール値を調整してください。ダークカラーのトレイも、色が明るい取りも露出過度が発生しないようにしてください。

データの収集

より多くのシーンをカバーするデータを取得するために、以下のシーンのデータを取得してください。

  • 異なる層:異なる段の画像を取得します。特に最高層、中間層、最低層のデータを取得してください。

    acquire layer heights
  • 異なるトレイ:色が異なるトレイを使用したシーンのデータを取得してください。

    acquire trays
  • 異なる照明:朝晩、異なるワークステーションのデータ、特に反射が発生したシーンのデータを取得してください。

    acquire lighting conditions
  • 異なるクランクシャフトの数:トレイいっぱいから空きトレイまで、クランクシャフトの数が異なるシーンのデータ、特に 20 個以下のデータを取得してください。

    acquire crankshafts

データのフィルタリング

各モジュールに必要な対象物数に応じてトレーニングデータをフィルタリングします。

  1. 対象物検出

    認識対象:トレイ

    データの多様性を確保するために、トレイの色や位置、層、照明によってフィルタリングします。

  2. インスタンスセグメンテーション

    認識対象:クランクシャフト

    クランクシャフトの数とトレイの色によって分割します。トレイいっぱいになる時のクランクシャフト数は 100 個です。0-20 個、20-50 個、50-100 個のクランクシャフトを約 1:1:1 の割合でデータを取得します。また、異なる色のトレイのデータも平均になるようにしてください。

  3. 対象物検出

    認識対象:クランクシャフトの大きい端

    データをフィルタリングして 100~300 枚の画像を選択して使用します。

データのラベル付け

フィルタリング後、精確にラベル付けを実行します。

  • 対象物検出

    認識対象:トレイ

    トレイの最小境界ボックスを描きます。

    label tray
  • インスタンスセグメンテーション

    認識対象:クランクシャフト

    クランクシャフトの輪郭を精確に出します。

    label crankshaft
  • 対象物検出

    認識対象:クランクシャフトの大きい端

    ランクシャフトの大きい端の最小境界ボックスを描きます。

    label crankshaft big end

これでは、クランクシャフト供給プロジェクトのデータ収集とラベル付けは完了します。データを使用してモデルをトレーニング、検証、エクスポートすることが可能です。

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