把持と配置を実行

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Mech-Visionソリューションを使用して段ボール箱の位置姿勢を取得した後、ロボットが段ボール箱の把持・配置を繰り返し実行するためにMech-Vizプロジェクトの構築が必要です。

動画:把持と配置

今回作成したプロジェクトは下図のような流れで処理を行います。

viz project workflow

ロボットとシーンの設定

ロボットの把持・配置時に周囲の対象物との衝突を避けるため、衝突検出のためのロボットハンドモデルとシーンモデルをプロジェクトに追加する必要があります。設定手順は下図に示します。

viz project add model workflow

ロボットハンドモデルのインポートと設定

  • ロボットハンドとは、ロボット先端に取り付けられ、対象物を扱う/把持するための装置を指します。

  • 本ガイドでは、1つグループの吸盤を搭載したロボットハンドを使用しています。

ロボットハンドのインポートと設定を行う目的は、ロボットハンドのモデルを仮想空間に表示し、衝突検出に利用できるようにするためです。

ロボットハンドのモデルのインポート

  1. リソース  モデルライブラリ+をクリックします。

    viz project click add model

    リソースとは、ロボットやロボットハンド、対象物、シーンの物体など、プロジェクトを構築するための要素を指します。

  2. 表示される画面でOBJ形式の衝突モデルのファイルを選択して開くをクリックします。

    viz project select obj model
  3. モデルのインポートが完了すると、モデルライブラリでインポートしたモデルが表示できるようになります。

    viz project check obj model

ロボットハンドモデルの設定

  1. リソース  ロボットハンド+をクリックします。

    viz project click add end tool
  2. 表示される画面にロボットハンドの名前を入力し、インポートしたロボットハンドのモデルファイルを衝突モデルと3Dモデルとして使用し、OKをクリックします。

    viz project configurate add end tool
  3. ロボットハンドが設定されると、下図のように、設定されたロボットハンドが仮想空間に表示できるようになります。

    viz project check end tool

ロボットハンドの調整

上図では、ロボットに対するロボットハンドの位置が間違っていますので、ロボットハンドの位置調整が必要です。

  1. モデルライブラリ内のロボットハンドモデルをダブルクリックします。

    viz project double click end tool
  2. 表示されるモデル設定画面でTCP(ツール中心点)を調整します。

    viz project adjust tcp

    TCPは通常、ロボットハンドの先端にある点のことを指します。本ガイドでは、TCPは吸盤の中心点となります。

  3. 調整前と調整後のロボットハンドの位置を下図に示します。

    viz project adjust tcp result

シーンモデルのインポートと設定

シーンモデルをインポートして設定する目的は、実際の作業現場を再現することで、ロボットの動作経路を計画できるようにすることです。

シーンモデルのインポート

  1. リソース  モデルライブラリ+をクリックします。

    viz project click add model 2
  2. 表示される画面でシーンの物体のモデルファイルを選択して開くをクリックします。

    viz project select scenes model
  3. モデルのインポートが完了すると、モデルライブラリでインポートしたモデルが表示できるようになります。

    viz project check scenes model

シーンモデルの設定

  1. リソース  シーンの物体+をクリックします。

    viz project click add scenes object
  2. 表示される画面に物体の名前を入力し、「外部モデル」を「シーンのモデル」とし、インポートしたシーンの物体のモデルファイルを衝突モデルと3Dモデルとして使用し、OKをクリックします。

    viz project adjust scenes object
  3. 設定されると、シーンの物体が仮想空間に表示できるようになります。

    viz project check scenes object interface

    シーンモデルのみを表示する場合は、地面を非表示に設定することができます。

    viz project close floor

上記のモデルの設定が完了後、ツールバーでロボットを同期させるをクリックし、仮想ロボットとロボット実機の姿勢を一致させます。

ワークフローの構築

モデルの設定が完了したら、ワークフローの構築を行います。プリセットプログラムの機能は、ステップライブラリからプロジェクト編集エリアにステップをドラッグし、ステップパラメータを設定し、ステップをつなぐことで実現します。

  • ワークフローとは、Mech-Vizでフローチャートの形式で作成されたロボット動作制御プログラムです。

  • ステップとは、ロボットをプログラミングするための機能モジュールです。

ワークフローの構築手順

下図のような手順でワークフローの構築を行います。

viz project workflow idea

「初期位置」に移動

初期位置はロボット動作の開始位置だけでなく、安全な位置でもあります。この位置で、ロボットが把持する対象物や周囲の機器から離れ、カメラの視野を遮らないようにする必要があります。

ロボットをカスタイズされた初期位置に移動させた後、ステップライブラリから移動を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「初期位置」という名前を付けます。ツールバーのロボットを同期させるをクリックし、現在ロボットにいる位置姿勢を記録します。

viz project add move capture

画像取得とビジョン処理を実行

ステップ

ビジョン処理による認識

説明

Mech-Visionプロジェクトを実行し、ビジョン結果を取得します。

操作

ステップライブラリから「ビジョン処理による移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグします。

パラメータ設定

ビジョンサービス名 のドロップダウンリストでSingle_Case_Cartonsを選択します。

サンプル図

viz project visual recongnize

ビジョン結果があるかどうかを確認するために、「ビジョン処理による移動」の後にビジョン処理の結果をチェックを追加します。

ステップ

ビジョン処理の結果をチェック

説明

ビジョン結果があるかどうかを確認します。

操作

ステップライブラリから「ビジョン処理の結果をチェック」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグします。

パラメータ設定

パラメータの調整は不要です。

把持位置に近接する経路点に移動

段ボール箱を把持する際、ロボットが初期位置から把持位置まで直接移動すると、段ボール箱と衝突する可能性があります。したがって、ビジョン結果を取得した後、相対移動ステップを使用してロボットを経路点に近接する位置に移動させます。

ステップ

相対移動

説明

ビジョン結果に従って移動します。

操作

ステップライブラリから「相対移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「近接する経路点1」という名前を付けます。

パラメータ設定

移動基準次の経路点に対してに設定し、目標点タイプロボットハンドに設定し、Z軸の座標を-300mmなどの適切な値に設定します。

サンプル図

viz project approach point 1

viz project approach point 2

段ボール箱の把持

ロボットが把持位置に近接する経路点に移動すると、次の2つの手順で箱を把持できます。

  1. 手順1:ビジョン処理による移動ステップを使用して、ロボットを段ボール箱の把持位置に移動させます。

  2. 手順2:DOを設定ステップを使用して、ロボットが吸盤を通して段ボール箱の把持をさせます。

詳細は以下の通りです。

ステップ

ビジョン処理による移動

説明

ビジョン結果に従って移動します。

操作

ステップライブラリから「ビジョン処理による移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグします。

パラメータ設定

ビジョンサービス名 のドロップダウンリストでSingle_Case_Cartonsを選択します。

サンプル図

viz project visual recongnize

ステップ

DOを設定

説明

吸盤を制御して段ボール箱を吸着します。

操作

ステップライブラリから「DOを設定」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「箱吸着」という名前を付けます。

パラメータ設定

DO値DOポート1に設定します。このパラメータ値は参考値であり、実際の現場要件に応じて設定してください。

サンプル図

viz project set do open

ロボットが移動する前に吸盤が箱をしっかりと吸着するために、待つステップを追加します。

ステップ

待つ

説明

ロボットが箱の把持に失敗するのを防ぎます。

操作

ステップライブラリから「待つ」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「把持待ち」という名前を付けます。

パラメータ設定

待ち時間1000msに設定します。

サンプル図

viz project wait

把持位置から離れる経路点に移動

ロボットが箱を把持した後、箱とシーン物体との衝突を防ぐための相対移動を使用して、ロボットを把持位置から離れる経路点に移動させます。

ステップ

相対移動

説明

ビジョン結果に従って移動します。

操作

ステップライブラリから「相対移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「経路点から離れる」という名前を付けます。

パラメータ設定

移動基準次の経路点に対してに設定し、目標点タイプロボットハンドに設定し、Z軸の座標を箱の高さより大きく設定します。例えば、段ボール箱の高さが500mmの場合、Zを-600mmに設定します。

サンプル図

viz project approach point 1

viz project approach point 2

把持・配置経路の最適化

衝突を避けるために、経路点から離れた後に中間点を追加するための移動ステップが必要です。これにより、把持・配置経路の最適化を実現しています。

ステップ

移動

説明

把持・配置経路を最適化します。

操作

ステップライブラリから「移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「中間点」という名前を付けます。

パラメータ設定

目標点タイプ関節角度を設定し、関節角度の各値を設定します。

サンプル図

viz project transition point 1

viz project transition point 2

配置位置に近接する経路点に移動

ロボットが箱を配置する前に、箱とシーンとの衝突を防ぐための相対移動ステップを使用して、ロボットを配置位置に近接する経路点に移動させます。

ステップ

相対移動

説明

ビジョン結果に従って移動します。

操作

ステップライブラリから「相対移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「近接する経路点2」という名前を付けます。

パラメータ設定

移動基準次の経路点に対してに設定し、目標点タイプロボットハンドに設定し、実際の状況に応じてZ軸の座標(例えば、-200mm)を設定します。

サンプル図

viz project approach point2 1

viz project approach point2 2

段ボール箱の配置

ロボットが配置位置に近接する経路点に移動すると、次の2つの手順で手順で箱を配置できます。

  1. 手順1:移動ステップを使用して、ロボットを配置位置に移動させます。

  2. 手順2:DOを設定ステップを使用して、吸盤の吸着を解除して箱を配置します。

詳細は以下の通りです。

ステップ

移動

説明

ロボットを配置位置に移動させます。

操作

ステップライブラリから「移動」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「配置位置」という名前を付けます。

パラメータ設定

TCP位置姿勢を配置位置とするために、それを正しく設定する必要があります。

サンプル図

viz project place point

ステップ

DOを設定

説明

吸着を解除して箱を配置します。

操作

ステップライブラリから「DOを設定」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「箱吸着解除」という名前を付けます。

パラメータ設定

DO値0に、DOポート1に設定します。このパラメータ値は参考値であり、実際の現場要件に応じて設定してください。

サンプル図

viz project set do close

吸盤の吸着解除に時間がかかるので、ロボットが箱の配置に失敗するのを防ぐために待つステップを追加する必要があります。

ステップ

待つ

説明

ロボットが箱の配置に失敗するのを防ぎます。

操作

ステップライブラリから「待つ」を選択し、プロジェクト編集エリアにドラッグして「配置待ち」という名前を付けます。

パラメータ設定

待ち時間1000msに設定します。

サンプル図

viz project wait

ステップ接続

上記のステップが追加されたら、順番につなぎます。ロボットが段ボール箱の把持と配置を繰り返し実行するために、「配置待ち」の出口を「初期位置」の入口につなぎます。

シミュレーションと実行

  1. ツールバーのシミュレートをクリックすると、作成したMech-Vizプロジェクトがシミュレーションで実行されます。

    viz project viz simulation
  2. シミュレーション効果が期待通りにある場合、Mech-Vizツールバーの実行ボタンをクリックして、ロボット実機を動作させます。

    viz project viz run rela robot

ロボットを低い速度で動作させることをお勧めします。緊急時には緊急停止ボタンを押してください。

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