ロボット通信設定

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本ガイドを読むことで、Vizとの通信プログラムをABBロボットに読み込む方法、Vizティーチングの通信設定を習得できます。

  • Vizとの通信プログラムの読み込みは、Vizとの通信プログラムと設定ファイルをロボットシステムにロードすることで、ビジョン側とロボット側との通信を確立し、Mech-Mindビジョンシステムによるロボットの制御を実現します。

  • それ以外のロボットを使用している場合は、Vizティーチング通信 を参照してロボットの通信設定を行います。

動画:ロボット通信設定

事前準備

コントローラとRobotWareのバージョンを確認

  1. コントローラにD652またはDSQC1030のIOボードが装着されていることを確認します。

  2. コントローラがIRC4またはIRC5で、RobotWareバージョンは6.02~6.15であることを確認します。

    下図に示すように、ティーチペンダントでRobotWareのバージョンを確認します。

    check version1
    check version2
  3. 制御モジュールは、以下のオプションをインストールします。

    • 616-1 PCInterface

    • 623-1 Multitasking

      下図に示すように、上記の2つのオプションがインストールされたかどうかを確認します。

      check installation
  • Vizによりロボットをティーチングするには、制御モジュールに上記の2つのオプションをインストールする必要があります。

  • 上記の条件を満たしていない場合は、Vizティーチング通信ができませんので、ロボットメーカーにお問い合わせください。

ネットワーク接続

ハードウェアの接続

IPCのLANケーブルのもう一端を、下図のようにロボットコントローラの X6(WAN) LANポートに接続します。

port

IP アドレスを設定

IP アドレスは ティーチペンダント または RobotStudio で設定できます。

RobotStudioは、ABB製ロボットのシミュレーションおよびオフラインプログラミングソフトウェアです。IPCや他のPCにインストールすることができます。この例では、RobotStudioは別のPCにインストールされています。
ティーチペンダントを使用してIPアドレスを設定
  1. ティーチペンダントでコントローラを再起動します。

    ip setting1
    ip setting2
    ip setting3
    ip setting4
  2. 再起動後、下図のような画面が表示されます。以下の手順でIPアドレスを設定します。ロボットのIPアドレスとIPCのIPアドレスは、同じネットワークセグメントにある必要があります。

    ip setting5
    ip setting6
    ip setting7
    ip setting8
    ip setting9
    ip setting10
RobotStudioを使用してIPアドレスを設定

下図に示すように、RobotStudioを使用してIPアドレスを設定します。

IPアドレスを設定した後、ロボットを再起動必要があります。
ip setting11
IPアドレスを設定した後、ロボットを再起動必要があります。

IPアドレスが正常に変更されたか確認

左上隅のメニュー  システム情報  WAN を選択し、IPアドレスが正常に変更されたか確認します。

ip setting12
ip setting13
  • IPCのLANケーブルをコントローラの「X6(WAN)」ポートに接続します。

  • IPアドレスを設定する際は、ロボットLANポートのIPアドレスと区別してください。

  • ABBロボットのIPアドレスが、IPCのIPアドレスと同じネットワークセグメントにあることを確認します。

ファイルの読み込み(自動)

ロボットプログラムの読み込みツールを使用して、ABBロボットにファイルを自動的に読み込むことができます。詳細な手順は以下の通りです。

自動読み込み中にエラーが発生し、解決できない場合は、ファイルの読み込み(手動) を参照して手動で読み込みを行ってください。
  1. コントローラのスイッチを自動モードに切り替え、モーターのインジケーターが点灯していることを確認してください。

    calilbration process8
  2. Mech-VisionおよびMech-Vizソフトウェアのインストールディレクトリにある Mech-Center\tool\Robot Program Loaderフォルダを開き、Robot Program Loaderプログラムをダブルクリックして読み込みツールを起動します。

    auto load files1
    auto load files2
  3. ロボットメーカーを ABB に設定し、ロボット実機のIPアドレスを入力し、接続 をクリックします。

    auto load files3
    接続に失敗した場合は、右下の ネットワーク接続をテスト をクリックしてトラブルシューティングを行ってください。
  4. ABBプログラムの読み込み 画面で、バックアップフォルダを選択し、バックアップ をクリックします。バックアップに成功すると、ログの下に バックアップに成功しました と表示されます。

    auto load files4
    • 後続の読み込みプロセスでエラーが発生した場合、ここでバックアップしたファイルを使用してロボットシステムを リセット できます。

    • 既にVizとの通信プログラムを読み込んだ場合は、Vizとの通信プログラムを再度読み込む前にロボットシステムを リセット する必要があります。

  5. バックアップが成功したら、Vizとの通信プログラムの読み込み を選択して読み込みプログラムのフォルダを確認します。その後、ロボットのIOボード型番を選択します。この例では IOボードなし を選択します。ユーザーのボード型番は例と異なる場合がありますので、実際の状況に合わせてボード型番を選択してください。これらのパラメータを設定したら、一括読み込み をクリックします。ファイルがロボットに正常に読み込まれた場合、ログの下に 読み込みに成功しました と表示されます。

    auto load files5

自動読み込みが成功すると、コントローラが自動的に再起動します。自動読み込みが成功したら、Vizティーチング通信をテスト に進んで残りの操作を完了してください。

ファイルの読み込み(手動)

自動読み込みが成功した場合、この部分をスキップできます。

  • ロボットにファイルを手動で読み込む前に、誤操作の後にロボットシステムを リセット するために バックアップ を作成することをお勧めします。

  • 既にVizとの通信プログラムを読み込んだ場合は、Vizとの通信プログラムを再度読み込む前にロボットシステムを リセット する必要があります。

事前準備

バックアップ

誤操作後にロボットシステムを復元するために、ロボットを操作する前にバックアップを作成してください。 バックアップは、ティーチペンダント または RobotStudio で行います。

ティーチペンダントでバックアップを作成
  1. 左上のメニューバーをクリックするとメイン画面が表示され、再起動 をクリックします。

    backup1
  2. システムのバックアップを作成 をクリックします。

    backup2
  3. 下図の 1 をクリックしてバックアップフォルダの名前を変更し、2 をクリックしてバックアップフォルダのパスを変更することができます。変更後、バックアップ をクリックします。

    backup3
RobotStudioでバックアップを作成
  1. RobotStudioのメイン画面にバックアップするコントローラを選択してから、バックアップ  バックアップの作成 を選択します。

    backup4
  2. 表示される画面にバックアップ名および場所を確認してから、OK をクリックします。

    backup5

リセット

  • リセットは RAPIDのリセットシステムのリセット に分けられます。

  • RAPIDのリセット は、現在のRAPIDプログラムとデータが削除されますが、システムパラメータの構成は保持されます。

  • システムのリセット は、工場出荷時のシステムパラメータとRAPIDプログラムを復元し、I/O構成もリセットします。ボードやその他の通信機器がある場合は、システムのリセット後に再構成する必要があります。

RAPIDのリセット

下図に従って RAPIDのリセット が必要であるかどうかを確認します。

reset
  1. 左上のメニューバーをクリックするとメイン画面が表示され、再起動 をクリックします。

    reset1
  2. 詳細... をクリックします。

    reset2
  3. RAPIDのリセット を選択してから、次へ をクリックします。

    reset5
  4. RAPIDのリセット をクリックします。

    reset6
システムのリセット
リセットすると工場出荷時の設定に戻りますので、バックアップ操作が完了していることを確認してください。
  1. 左上のメニューバーをクリックするとメイン画面が表示され、再起動 をクリックします。

    reset1
  2. 詳細... をクリックします。

    reset2
  3. システムのリセット を選択し、次へ をクリックします。

    reset3
  4. システムのリセット をクリックします。

    reset4

読み込みファイルを取得

Mech-VisionとMech-Vizソフトウェアのインストールディレクトリにある Mech-Center/Robot_Server/Robot_FullControl/abb/RobotWare 6 フォルダに格納されるファイルを、USBメモリにコピーします。

  1. RobotWare 6 フォルダには、configフォルダにあるファイルはロボット設定ファイルです。現場のニーズに応じて必要な設定ファイルをコピーします。

    • 現場ではDSQC 652 I/Oユニットを使用する場合、D652.cfg、SYS.cfgを選択してください。

    • 現場ではDSQC 1030 I/Oユニットを使用する場合、DSQC1030.cfg、SYS.cfgを選択してください。

    • 自動キャリブレーションのみが必要な場合、または上記2つのI/Oユニット以外のI/Oユニットを使用する場合は、EIO.cfg、SYS.cfgを選択してください。

  2. RobotWare 6 フォルダには、MMフォルダ内のファイルはロボットプログラムモジュールです。

RobotStudioを起動してコントローラを接続

RobotStudioの コントローラ メニューをクリックし、ツールバーで コントローラの追加  コントローラの追加 を選択します。表示される コントローラの追加 画面で、コントローラを選択して OK をクリックします。

load program2

ロボットの書込みアクセスの取得

  1. RobotStudioのツールバーで 書き込みアクセスのリクエスト をクリックします。

    load program2 1
  2. ティーチペンダントで表示される 書き込みアクセスのリクエスト 画面で 同意 をクリックします。

ロボットの設定ファイルの読み込み

  1. RobotStudioで コントローラ のメニューをクリックし、ツールバーで パラメータをロード  パラメータをロード...…​ を選択し、USBメモリでロードする設定ファイルを選択し、パラメータを読み込んで重複を上書きする を選択してから、開く をクリックします。

    load program3
  2. ポップアップするダイアログで OK を連続してクリックします。

    load program3 1

ロボットプログラムモジュールのロード

  1. RobotStudioで コントローラ メニューをクリックし、ツールバーで ファイル転送 をクリックします。ファイル転送 画面の左側パネルで「MM」フォルダを選択し、転送 ボタンをクリックしてロボットシステムのHOME パスに転送します。

    load program4
  2. RobotStudioで コントローラ メニューをクリックし、ツールバーで 再起動 をクリックしてロボットシステムを再起動します。

これで、Vizとの通信プログラムと設定ファイルはロボットに読み込まれています。

Vizティーチング通信をテスト

ロボットシステムが再起動後、Vizによりロボットをティーチングするかどうかをテストするには、以下の手順を実行します。

ロボットの自動モードへの切り替え

  1. コントローラでは、キースイッチによってロボットを自動モードに切り替えます。

  2. ティーチペンダントでポップアップするダイアログで OK をクリックします。

  3. コントローラでは、パワーオンのボタンを押してロボットの電源を入れます。電源投入に成功すると、このボタンは常に点灯します。

プログラムを実行

  1. T_ROB1safe_area プログラムのポインターをそれぞれメインプログラムに移動します。PPをメインへ をクリックしてからポップアップウィンドウで はい をクリックします。

    run program1
    run program1 1
    run program2
    run program1 1
  2. 手動または自動的にプログラムを実行すると、プログラムポインターは下図のように示されます。

    run program3

Mech-Vizプロジェクトの作成

  1. Mech-Vizを起動し、Ctrl+N を同時に押してMech-Vizプロジェクトを作成します。下図のような画面で、お使いのロボットのブランドや型番に応じてロボットモデルを選択します。

    select robot
  2. Ctrl+S を同時に押して、プロジェクトを保存するためのフォルダを新規作成または選択します。

  3. Mech-Vizの左側パネルでプロジェクトを右クリックし、自動的に読み込む にチェックを入れます。

    set autoload

ロボットを接続

  1. Mech-Vizのツールバーで Vizティーチングによりロボットを接続 をクリックします。

  2. ロボットIPアドレス にロボット実機のIPアドレスを入力し(図中のIPアドレスは説明のためのものです)、ロボットを接続 をクリックします。

    connect robot 1

    Mech-Vizがロボット実機との接続に成功すると、現在のステータスが 接続済み と表示され、ツールバーのアイコンが青から緑に変わります。

    connect robot 2

    接続に失敗した場合、ロボットIPアドレスが正しく設定されたかどうかを確認してください。

ロボットを移動

  1. Mech-Vizのツールバーで速度と加速度を5%に設定します。

    move robot 1
  2. ツールバーの ロボットを同期させる をクリックして選択状態にすると、仮想空間の仮想ロボットの位置姿勢がロボット実機の位置姿勢に同期されます。その後、ロボットを同期させる をもう一度クリックして、選択状態を解除します。

    move robot 2
  3. 画面右下隅にある ロボット タブで、J1関節角度をを微調整します(例えば、0°を3°に調整します)。この操作により、仮想ロボットが移動します。

    move robot 3
  4. ロボット実機を移動 をクリックし、ロボット実機の位置姿勢が変更されたかどうかを確認します。ロボット実機が仮想ロボットの位置姿勢に移動すると、Vizティーチング通信ができることを示します。

    ロボットを操作する際は、人の安全を確保してください。緊急時には、ティーチペンダントの緊急停止ボタンを押してください!
    move robot 4
  1. Ctrl + S を同時に押し、「Viz_段ボール箱ピッキング」といったフォルダを新規作成して選択し、フォルダの選択 をクリックします。

    save viz project

    Mech-Vizプロジェクトが正常に保存されると、リソース パネルにプロジェクト名が Viz_段ボール箱ピッキングと表示されるようになります。

  2. プロジェクト名を右クリックし、自動的に読み込むにチェックを入れます。

    auto load viz project

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