Mech-Mind IPC ADVの取扱説明書

はじめに

この取扱説明書はMech-Mind IPC ADVシリーズに適用されます。

ipc adv

Mech-Mind IPC ADVシリーズは、以下の注文番号で購入できます。

  • IPCW-i5-16G-512G-1660S-JP

1. 安全上の注意

  • 本製品を安全にご使用いただくために、本取扱説明書をよくお読みになり、正しい使用方法を理解した上でご使用ください。不適切な使用やメンテナンスは製品の損傷や他の危険を引き起こす可能性があり、それによってユーザーや第三者に発生した傷害や損害に対して、Mech-Mind株式会社は一切の責任を負いません。

  • 本取扱説明書の指示や警告に従うことでリスクを低減できますが、すべてのリスクを完全に排除することはできません。

  • 本取扱説明書の作成中にはすべての内容が確認されました。もし問題や誤りがある場合は、お気軽にMech-Mind株式会社までお問い合わせください。

  • 本製品の取り付け、接続、使用、およびメンテナンスは、訓練を受けた成人によって行われる必要があります。安全な操作を確保するためには、本製品は適切に輸送、保管、取り付け、接続、使用、およびメンテナンスされる必要があります。

  • 本書に記載されている注意事項を厳守してください。これらの注意事項に従わないと、Mech-Mind IPC ADVシリーズ製品が損傷する可能性があります。

1.1. 一般的な安全注意事項

以下の安全に関する注意事項をお読みください。

  • 一般的な安全注意事項に従ってください。

  • 本製品の移動、取り付け、または改造を行う際は、必ず電源を切り、電源コードを抜いてください。

  • 指定された電圧範囲を超える電圧を適用しないでください。これにより火災や感電の原因となる可能性があります。

  • 電源がオンの状態で触れると感電する危険があります。

  • 通気口に物体を置いたり挿入したりしないでください。

  • 大量のほこり、水、または液体が入った場合は、すぐに電源を切り、電源コードを抜き、販売元に連絡してください。

  • 本製品を硬い表面に落とさないでください。

  • 周囲温度が定格温度を超える場所では使用しないでください。

2. 技術仕様

製品型番 Mech-Mind IPC ADV

構成

プロセッサ(CPU)

Intel Core i5-12400 2.5GHz(6コア)

チップセット

Intel® H610

メモリ

16 GB SO-DIMM DDR4 3200MHz(最大64 GB)

グラフィックス(GPU)

GeForce® GTX 1660S

ストレージ

512 GB SSD

オペレーティングシステム(OS)

Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021

ワイヤレスネットワーク

なし

スイッチ

1 x 電源スイッチ
1 x リセットスイッチ

外部インターフェース

LANポート

1 x 1 GbE
1 x 2.5 GbE

USBポート

2 x USB 3.2 GEN1
2 x USB 3.2 GEN2
4 x USB 2.0

シリアルポート

2 x RS232/422/485

デジタルIO

なし

ディスプレイポート

1 x HDMI(最大4096 x 2304 @ 30Hz)
1 x DP(最大4096 x 2304 @ 60Hz)

外形寸法

寸法

484 mm x 435.5 mm x 176 mm

重量(ネット/グロス)

13.2 kg/17.1 kg

電気規格

電源

AC入力電圧:100-240 V AC、5-10 A、50-60 Hz(ErP/EuP対応)

定格出力電力

500 W

環境仕様

使用温度・湿度

温度:-10°C~60°C、湿度:5%~95%(結露なし)

保存温度・湿度

温度:-30°C~70°C、湿度:5%~95%(結露なし)

安全性・認証

認証

CE/FCC/VCCI/KC/NRTL

製品保証 

保証 期間

1年間

認証に関する詳細は、Mech-Mind株式会社のテクニカルサポートにお問い合わせください。

3. 製品説明

3.1. 概要

Mech-Mind IPC ADVシリーズは、第12世代インテルCoreプロセッサーとH610チップセットを搭載しています。システムには16 GB DDR4 3200MHzメモリ、512 GB SSD HDDストレージ、およびGeForce® GTX 1660S GPUカードがバンドルされており、-10°Cから60°Cでの動作に対応しています。

3.2. 製品外観

3.2.1. 正面図

下図は、Mech-Mind IPC ADVシリーズの前面パネルとそのインターフェースを示しています。

ipc adv front view
番号 説明 番号 説明

1

電源LED

2

HDD LED*

3

2 x USBポート

4

RESETボタン(スイッチ)

5

電源スイッチ

IPCが起動すると、HDD LEDが点滅し、ハードディスクが読み書き操作を行っていることを示します。

3.2.2. 背面図

下図は、Mech-Mind IPC ADVシリーズの背面パネルとそのインターフェースを示しています。

ipc adv rear view
番号 説明 番号 説明

1

電源スイッチ

2

電源コネクタ

3

2 x RS232/422/485

4

1 x DPポート

5

1 x HDMI ポート

6

1 x 1 GbE (左)、1 x 2.5 GbE (右)

7

2 x USB 3.2 GEN1

8

2 x USB 3.2 GEN2

9

4 x USB 2.0

10

1 x iDPMスロット

3.3. 寸法・取り付け穴

ipc adv dimensions

4. 取り付け

4.1. 同梱品一覧

同梱品一覧に記載されているものが不足している場合、Mech-Mindのテクニカルサポートにお問い合わせください。

Mech-Mind IPC ADVシリーズには、以下の部品が同梱されています。

番号 項目 数量 説明図

1

Mech-Mind IPC ADV

1

ipc adv

2

引き手

2

ipc adv handler

3

電源コード

1

ipc adv power cord

4

引き手の取付ネジ

8

ipc adv handler screws

5

レールの取付ネジ

8

ipc adv rail screws

4.2. 取付け上の注意事項

Mech-Mind IPCADVシリーズを取り付ける前に、以下の点に注意してください。

  • 取扱説明書の読解:取扱説明書にはMech-Mind IPC ADVシリーズの取り付けおよび設定に関するすべての説明が記載されています。

  • 電源の切断:取り付け中または背面パネルにアクセスする際は、Mech-Mind IPC ADVシリーズ製品の電源を切断する必要があります。電源コードがコンセントに接続されたままでMech-Mind IPC ADVシリーズの背面パネルを開けると、感電や人身事故が発生する恐れがあります。

  • 許可された作業者による作業:Mech-Mind IPC ADVシリーズの取り付けと操作は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。メンテンナンス、アップグレード、または修理作業は、許可され訓練を受けた作業者のみによって行われる必要があります。

  • 空気循環:Mech-Mind IPC ADVシリーズを取り付ける際は、十分な空気循環を確保してください。Mech-Mind IPC ADVシリーズの冷却通気口には物体が遮られていないことを確認してください。過熱を防ぐため、Mech-Mind IPC ADVシリーズの周りには少なくとも5cmの隙間を設けてください。

  • 接地:Mech-Mind IPC ADVシリーズは正しく接地され、電圧が過負荷にならないようにする必要があります。Mech-Mind IPC ADVシリーズのパネルに貼られているラベルに示されている電気値に基づいて、ケーブル配線を調整し、外部の過充電保護を設けてください。

4.3. 引き手による取り付け

2つの引き手を使用してデバイスをラックに取り付けるには、以下の手順に従ってください。

  1. 引き手の取り付け穴を、ケース側面の対応する止めネジ穴に合わせます。

  2. 各引き手に止めネジを挿入して、引き手をデバイスに固定します。

    ipc adv mounting handler
  3. 引き手の前面にある取り付け穴を、ラック上の取り付け穴に合わせます。

  4. 8本のネジを使用してデバイスをラックに固定します。

    ipc adv mounting system

5. 外部インターフェースの説明

5.1. 電源コネクタ

背面パネルには1つの電源コネクタがあります。この電源コネクタは、電源コードを介して電源に直接接続できる3ピン端子です。サポートされている電源入力電圧は100 Vから240 Vまでです。

ipc adv power connector

背面パネルの電源LEDインジケータは、電源のステータスを示します。

電源LEDインジケータ 説明

消灯

電源供給なし

緑色に点灯

パワーオンモード

5.2. LANポート

LANポートにより、IPCを外部ネットワークに接続することができます。

IPCを外部ネットワークに接続するには、以下の手順に従ってください。

  1. IPC上のLANポートを見つけます。

  2. LANケーブルのRJ-45コネクタを、LANポートのいずれかに合わせます。

  3. LANケーブルのRJ-45コネクタをLANポートに挿入します。

ipc adv ethernet port

IPCの各LANポートには、それぞれ緑色と黄色の2つのステータスLEDがあります。黄色のLEDはポートの接続状態やポートのアクティビティを示し、緑色のLEDはポートの接続速度を示します。

下表は、2.5 GbE LANポートのLEDステータスを示しています。

LED ステータス 説明

アクティビティ/接続LEDインジケータ(黄色)

消灯

接続なし

黄色

接続中

点滅

データ送信/受信中

速度LEDインジケータ(緑)

消灯

接続速度 100Mbps

オレンジ

接続速度 1Mbps

緑色

接続速度 2.5Mbps

下表は、1 GbE LANポートのLEDステータスを示しています。

LED ステータス 説明

アクティビティ/接続LEDインジケータ(黄色)

消灯

接続なし

黄色

接続中

点滅

データ送信/受信中

速度LEDインジケータ(緑)

消灯

接続速度 10Mbps

オレンジ

接続速度 100Mbps

緑色

接続速度 1Mbps

5.3. デジタルI/Oコネクタ

デジタルI/Oコネクタはありません。

5.4. DB-9 RS-232/422/485 シリアルポートコネクタ

下図はRS-232/422/485コネクタのピンを示しています。

ipc adv db9 connector
ピン番号 RS232 RS422 RS485

1

DCD

TXD422-

TXD485-

2

RXD

TXD422+

TXD485+

3

TXD

RXD422+

4

DTR

RXD422-

5

GND

6

DSR

7

RTS

8

CTS

9

RI

6. メンテナンスとクリーニング

Mech-Mind IPC ADVシリーズのメンテンナンスまたはクリーニングを行う場合は、以下のガイドに従ってください。

6.1. クリーニングの注意事項

Mech-Mind IPC ADVシリーズの任意の部品やコンポーネントをクリーニングする前に、以下の内容をよくお読みください。

  • Mech-Mind IPC ADVシリーズ製品の内部は清掃の対象外です。液体をMech-Mind IPC ADVシリーズの内部から遠ざけてください。

  • Mech-Mind IPC ADVシリーズをクリーニングする際は、取り外し可能なすべての小型部品に注意してください。

  • Mech-Mind IPC ADVシリーズをクリーニングする前に電源を切ってください。

  • Mech-Mind IPC ADVシリーズの開口部から物や液体を入れないでください。

  • Mech-Mind IPC ADVシリーズをクリーニングする際は、アレルギー反応を引き起こす可能性のある溶剤や化学物質を使用しないよう注意してください。

  • Mech-Mind IPC ADVシリーズの周囲では飲食や喫煙をしないでください。

6.2. クリーニングツール

Mech-Mind IPC ADVシリーズの一部のコンポーネントは、特にその目的に特化した製品を使用してのみ清掃できる場合があります。そのような場合、製品はクリーニングのヒントに明示的に記載されています。以下は、Mech-Mind IPC ADVシリーズをクリーニングする際に使用するものです。

  • 布:ペーパータオルやコットンペーパーを使用できますが、Mech-Mind IPC ADVシリーズをクリーニングする際には柔らかい清潔な布をお勧めします。

  • 水または消毒用アルコール:水または消毒用アルコールで湿らせた布を使用してMech-Mind IPC ADVシリーズをクリーニングできます。

  • 溶剤(非推奨):プラスチック部品を損傷する可能性があるため、Mech-Mind IPC ADVシリーズのクリーニングには溶剤の使用はお勧めしません。

  • 掃除機:コンピュータ専用の掃除機の使用は、Mech-Mind IPC ADVシリーズの清掃に最適な方法の1つです。ホコリや汚れはMech-Mind IPC ADVシリーズ内の空気の流れを妨げ、配線の腐食の原因にもなります。

  • 綿棒:アルコールまたは水で湿らせた綿棒は、手の届きにくい場所を拭くための優れたツールです。

  • クリーンフォームスワブ:可能な限り、クリーニングには繊維の出ない綿棒(クリーンフォームスワブなど)を使用するのが最適です。

7. トラブルシューティング

問題 解決策

IPCで頻繁にブルースクリーンが表示される

以下の手順に従って、オペレーティングシステムを再インストールしてください。

  1. 「オペレーターインターフェイス→運用保守→バックアップ管理」では、現在のソリューションのバックアップを作成し、それを記憶媒体にコピーします。

  2. オペレーティングシステムを再インストールします。

  3. バックアップファイルを使用してソフトウェアとプロジェクトを復元します。

IPCの空き容量が不足している

  1. コンピュータの現在の空き容量(例:CドライブとDドライブ)を確認し、不要なファイルを定期的に削除します。

  2. オペレーターインターフェイスの設定ツールでディスク容量監視ルールを設定します(設定済みの場合は、この手順をスキップしてください)。 ディスク容量が不足すると、オペレーターインターフェイスのステータス表示エリアにアラートメッセージが表示されます。

8. サポートのお問い合わせ先

テクニカルサポートが必要な場合は、以下のいずれかの方法でMech-Mindにお問い合わせください。

付録A:起動時のビープコード

A.1.PEI ビープコード

ビープ音の回数 説明

4

メモリが取り付けられていません。

1

メモリが2回取り付けられました (PEIコアのInstallPeiMemoryルーチンが2回呼び出されました)。

2

リカバリが開始されました。

3

DXEIPLが見つかりませんでした。

3

DXE Coreファームウェアボリュームが見つかりませんでした。

4

リカバリに失敗しました。

4

S3の再開に失敗しました。

7

リセットPPIが利用できません。

A.2.DXE ビープコード

ビープ音の回数 説明

1

パスワードが正しくありません。

4

アーキテクチャプロトコルの一部が使用できません。

5

コンソール出力デバイスが見つかりませんでした。

5

コンソール入力デバイスが見つかりませんでした。

6

フラッシュの更新に失敗しました。

7

リセットプロトコルが使用できません。

8

プラットフォームのPCIリソース要件を満たすことができません。

付録B:有害物質の開示

この付録では、製品がRoHS II指令(2015/863/EU)に準拠していることを確認するための詳細を提供しています。下表は、製品中にわずかな量の特定の物質が存在し、RoHS II指令(2015/863/EU)に適用されることを確認しています。

詳細は下表をご参照ください。

ipcw rohs

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