デパレタイズ用吸盤(複数把持)¶
「実行モード」に「デパレタイズ用吸盤(複数把持)」を選択した場合に以下のパラメータを調整できます。
箱の組合せ-組み合わせ方式¶
デパレタイズ用吸盤(複数把持)モードでは、一回に複数の箱をデパレタイズするために、計画を行う前に、ソフトウェアは複数の箱を組み合わせて全体として処理します。
ソフトウェアでは 3つの組合せ戦略が選択可能:「デフォルト」(初期設定)、「箱の座標系の軸に沿う」、「カスタマイズ座標系の軸に沿う」。
箱の座標系の軸に沿う¶
ある箱を組み合わせの出発点とし、この箱の座標系の軸の指向方向を組み合わせ方向として他の箱と組み合わせます。
- 組合せの制限
実際の状況に応じて組み合わせ方向を指定します。以下のような箱を把持する現場を例とします。左下(水色)の箱を出発点として X 軸(下図の赤い矢印)を指定する場合、赤枠に囲まれている 2つ箱を組み合わせます。Y 軸(下図の緑矢印)を指定する場合、緑枠に囲まれている 2つ箱を組み合わせる可能性があります。
- 組合せの行数の上限
一回に数行の箱を把持する現場では、組み合わせの行数の上限を設定することができます。
- 間隔の上限
組み合わせの方向で隣接する2つの箱同士の最大間隔。下図では紫の矢印は、間隔を表しています。隣接する箱の間隔が設定した値より小さい場合にこの 2つの箱が組み合わせられると判断されます。
- 偏差上限
垂直方向に沿って組み合わせようとする 2つの箱の最大偏差。下図では垂直方向(赤い矢印の指向方向)に沿って箱を組み合わせます。青い矢印は箱同士の偏差を表しています。偏差が設定した値より小さい場合にこの 2つの箱が組み合わせられると判断されます。
- 組合せ角度のしきい値
組合わせようとする箱同士の回転角度。角度が設定した値より小さい場合にこの 2つの箱が組み合わせられると判断されます。
- 行ごと把持
行の端にある箱が干渉と判断されて行ごと把持することができなくなることがあります。許容干渉 を設定することで行を干渉する箱を排除して行ごとを把持することができます。
- 許容干渉
箱の組み合わせ方向に垂直する方向に他の箱が干渉し、かつ干渉の距離が設定した値より小さい場合、干渉箱を把持対象外の箱と判断し、組み合わせられた箱のみを把持します。干渉距離が設定したあたいより大きい場合に行ごと把持できません。
カスタマイズ座標系の軸に沿う¶
以下では七つの箱を箱の座標系に沿って組み合わせると:
X 軸の方向ならば:1 2、3 4、5,6,7。
Y 軸の方向ならば:1 3,2 4,5 6 7。
1 2,3 4,5 6 7 というように組み合わせたい場合、赤い矢印の方向に沿って組み合わせます。この赤い矢印は、カスタマイズ座標系といいます。
- カスタマイズ座標系の X/Y/Z 座標
カスタマイズ座標系の原点位置を調整します。
- カスタマイズ座標系の回転角度
カスタマイズ座標系の向きを調整します。
- 組合せの行数の上限
一回に数行の箱を把持する現場では、組み合わせの行数の上限を設定することができます。
- 角度のしきい値(カスタマイズ座標系)
箱を組み合わせる前に、箱の座標系と選択した座標系との角度を確認します。角度が設定した値より大きい場合は、この箱を組み合わせません。
- 間隔の上限
組み合わせの方向で隣接する2つの箱同士の最大間隔。下図では紫の矢印は、間隔を表しています。隣接する箱の間隔が設定した値より小さい場合にこの 2つの箱が組み合わせられると判断されます。
- 偏差上限
垂直方向に沿って組み合わせようとする 2つの箱の最大偏差。下図では垂直方向(赤い矢印の指向方向)に沿って箱を組み合わせます。青い矢印は箱同士の偏差を表しています。偏差が設定した値より小さい場合にこの 2つの箱が組み合わせられると判断されます。
- 組合せ角度のしきい値
組合わせようとする箱同士の回転角度。角度が設定した値より小さい場合にこの 2つの箱が組み合わせられると判断されます。
吸盤オフセット‐オフセット方法¶
吸盤により箱をデパレタイズする現場では、使用する吸盤の構造は変更できず交換もできませんが、寸法が異なる箱を処理します。対象外の箱を吸着することを回避するために、吸盤のオフセットが必要となります。
吸盤のオフセットは 3つの方法があります:デフォルト、カスタマイズ戦略優先度、エッジ/コーナーのシーケンスによって。
デフォルト¶
優先的に吸盤のコーナーで箱を把持しようとします。
- 箱カバー率下限
把持を実行する時に吸盤が箱上面をカバーする面積が箱上面面積に対する割合。カバー率がこの値より小さいとき、しっかりと箱を吸着していないと判断し把持を実行しません。
カスタマイズ戦略優先度¶
ユーザーが指定した優先度に従って把持します。
- 戦略の優先度
中心合わせ、辺の中心合わせ、コーナー合わせという 3つの戦略を選択できます。
下図では、黄色い長方形は箱を、灰色の長方形は吸盤を表します。灰色の長方形の緑の部分はオンにしたブロックで、赤い部分はオフにしたブロックです。
1つのブロックをオンにした場合
以下では、左のイメージ図は中心合わせ把持で、中のイメージ図は辺の中心合わせ把持で、右はコーナー合わせ把持です。
2つのブロックともオンにした場合
以下では、左のイメージ図は中心合わせ把持で、中のイメージ図は辺の中心合わせ把持で、右はコーナー合わせ把持です。
より多くのブロックをオンにした場合はこれによって類推します。
- 箱カバー率下限
把持を実行する時に吸盤が箱上面をカバーする面積が箱上面面積に対する割合。カバー率がこの値より小さいとき、しっかりと箱を吸着していないと判断し把持を実行しません。
- 吸盤の向き
箱を把持する時に吸盤と箱の組合せの方向との相対向きを指定します。
「カスタマイズ」を選択すると、吸盤の長辺の向き と 方向の基準 を設定できます。これによって、4つの形式を指定できます。
吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に平行
吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に垂直
吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に平行
吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に垂直
- オフセット順序
「(TCP と)基準点との距離によってソート」をチェックすると、TCP と基準点との距離が小さいほど優先的に実行します。以下のパラメータを設定できます。
- 基準点 X/Y
基準点を指定します。指定した基準点は仮想空間に現れます。
- 優先度の高いオフセットのみを保持
実行成功の確率が高い解のみを試行します。
- 計画解の最大数
保持するオフセットの解の最大数。
- 例
下図では、赤いドットを基準点とします。
コーナー合わせ 戦略だけを使用すると、オフセットを試行する優先度は以下のようです。
エッジ/コーナーのシーケンスによって¶
ユーザーが指定したエッジ/コーナーのシーケンスに従って箱を把持します。
エッジ/コーナーのシーケンスは吸盤コンフィギュレータで自動的に生成されます。下図に示すように、吸盤の各ブロックのエッジ/コーナーにある番号はエッジ/コーナーのシーケンスです。
- 箱カバー率下限
把持を実行する時に吸盤が箱上面をカバーする面積が箱上面面積に対する割合。カバー率がこの値より小さいとき、しっかりと箱を吸着していないと判断し把持を実行しません。
- エッジコーナーのラベル番号
エッジ/コーナーのシーケンスを指定します。例えば、「11,17,21,22」を入力すると、ソフトウェアはこれを順序として把持します。
- 吸盤の向き
箱を把持する時に吸盤と箱の組合せの方向との相対向きを指定します。
「カスタマイズ」を選択すると、吸盤の長辺の向き と 方向の基準 を設定できます。これによって、4つの形式を指定できます。
吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に平行
吸盤の長辺の向きが箱の組合せの長辺に垂直
吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に平行
吸盤の長辺の向きが箱の組合せ方向に垂直
箱落下の検出¶
吸盤底部に取り付けられたセンサー(DI)を利用して箱の落下を検出します。
吸盤コンフィギュレータで DI の位置を指定すると、箱の把持を計画する時に箱をカバーしたセンサーを自動的に判別することで検出が必要な DI 信号を自動的に計算します。
- 箱のエッジを取り除く距離
実際のデパレタイジングの現場では、センサーが箱のエッジ近くにある場合、箱同士の間隔が大きいか、箱のエッジをしっかりと吸着していないなどで箱の落下を誤判定することがあります。箱のエッジを取り除く距離 を設定することでこの問題を解決できます。センサーが指定した距離内にあれば落下検出に関与しません。下図では、赤い線の部分は箱落下を検出しない範囲を表します。