アップグレードに関する注意事項

1.6.2 バージョンへのアップグレード

以下では、1.6.2バージョンのMech-Visionへのアップグレードに関する注意事項について紹介していきます。

Mech-Vision

ステップ「把持位置姿勢を予測(同じタイプ)」と「把持位置姿勢を予測(複数タイプ)」について

1.6.2バージョンでは、把持位置姿勢を予測するための「把持位置姿勢を予測(同じタイプ)」と「把持位置姿勢を予測(複数タイプ)」の2つのステップをサポートします。これらの2つのステップを実行するには、ディープラーニング環境を個別にインストールする必要はなく、サーバーポート番号が60000以上のディープラーニングサーバーを使用する必要があります。

1.5.3またはそれ以前のバージョンでは、一部のディープラーニングステップを実行するには、デープラーニング環境を個別にインストールするか、特別バージョンのMech-Visionを使用する必要があります。また、ポート番号が60000未満のデープラーニングサーバーを使用する必要があります。詳細については、 ディープラーニングステップの互換性に関する説明 をご参照ください。

リソースの競合を避けるため、Mech-Visionではポート番号が60000以上と60000未満のディープラーニングサーバーの同時起動を禁止しています。したがって、これらの2つのステップを使用する場合は、次のことにご注意ください。

  • 新規プロジェクト作成時に「把持位置姿勢を予測(同じタイプ)」と「把持位置姿勢を予測(複数タイプ)」ステップを使用したい場合、ディープラーニング環境を個別にインストールする必要があるディープラーニングステップを使用できなくなりました。

  • ステップ「把持位置姿勢を予測(同じタイプ)」と「把持位置姿勢を予測(複数タイプ)」ステップを使用するプロジェクトが開かれている場合、ディープラーニング環境を個別にインストールする必要があるディープラーニングステップを使用する古いバージョンのプロジェクトを開くと、リソースの競合が発生し、プロジェクトを実行できない場合があります。リソースの競合を解決するために、古いバージョンのプロジェクトのディープラーニングステップを「ディープラーニングモデルパッケージを推論(Mech-DLK 2.2.0+)」または「ディープラーニングモデルパッケージを推論(CPU)」に置き換えることができます。ただし、ステップを置き換えた後、ディープラーニングモデルを再度トレーニングしてインポートする必要があります。

1.6.1 バージョンへのアップグレード

以下では、1.6.1バージョンのMech-Vision、Mech-VizおよびMech-Centerへのアップグレードに関する注意事項について紹介していきます。

Mech-Vision

「対象物の吸着」の代表的なプロジェクトについて

現在、特別な1.6.1バージョンのみが「対象物の吸着」の代表的なプロジェクトをサポートします。「対象物の吸着」の代表的な応用プロジェクトを使用したい場合は、Mech-Mindのプリセールスエンジニアまたはサポートチームに連絡して特別バージョンのインストールパッケージを取得してください。

新しいバージョンで「対象物の吸着」プロジェクトを初めて実行すると、モデルが変換されます。デバイスのハードウェア構成が高いほど、最初のモデル変換時間が長くなります。

新しいバージョンは、古いバージョンで作成された「対象物の吸着」プロジェクトと互換性がありません。古い「対象物の吸着」プロジェクトを新しいバージョンで使用する場合は、プロジェクトの「把持位置姿勢を予測」ステップを削除して再度追加する必要があります。

V4カメラについて

1.6.0バージョンから、Mech-VisionはV4カメラに対応します。したがって、V4カメラは1.6.0バージョン以降のMech-Visionと併用する必要があります。

LSR V4/DEEP V4カメラとの併用について

Mech-Visionを1.6.1バージョンにアップグレードしたら、LSR V4/DEEP V4シリーズカメラを使用するとき、次のことにご注意ください。

  • 過去のプロジェクトではLSR V4/DEEP V4シリーズカメラを使用するとき、パラメータ「カメラ型番」と「2D画像のソース」を取得するために、ステップ「カメラから画像を取得」を実行するためにカメラを再接続する必要があります。

  • 既存プロジェクトではカメラハードウェアをLSR V4/DEEP V4にアップグレードし、かつディープラーニング機能を使用したら、ステップ「カメラから画像を取得」のパラメータ「2D画像のソース」を「テクスチャ画像」に設定する必要があります。「外部カラー画像」を使用して画像を撮影する場合、モデルを再度トレーニングする必要があります。

  • 新しいプロジェクトでLSR V4/DEEP V4シリーズカメラを使用し、特にデパレタイジングのビジョンプロジェクトでDEEP V4カメラを使用するとき、パラメータ「2D画像のソース」を「外部カラー画像」に設定する必要があります。その他の場合にはプロジェクトに応じて画像のソースを選択してください。

ステップ「3D位置姿勢高精度推定」の使用について

  • Mech-Vision 1.6.1では、ステップ「3D位置姿勢高精度推定」の標準偏差アルゴリズムを最適化し、マッチング結果をより精確にフィルタリングすることができます。Mech-Visionを1.6.1バージョンにアップグレードしてから認識率が低下した場合、手動でパラメータ「標準偏差」の値を小さく設定してください(推奨値は0.003 m)。

  • 単一の物体のシーンでは、「多数の対象物のマッチングを高速化」にチェックを入れることを推奨しません。チェックを入れたら余計な時間がかかります。

ディープラーニングについて

1.6.0より前のバージョンのMech-Visionでは、推論を実行するためにディープラーニング環境のインストールが必要です。1.6.0バージョン以降のMech-Visionでは推論モデルが組み込まれているため、推論用のディープラーニング環境をインストールする必要がなくなりました。

ディープラーニング環境のない産業用コンピュータまたはPCでは、1.6.1バージョンでは以下のディープラーニングステップのみに対応します。

  • ディープラーニングモデルパッケージを推論(Mech-DLK2.2.0+):2.2.0バージョン以降のMech-DLKによってトレーニングされたモデルパッケージに対応します。

  • ディープラーニングモデルパッケージを推論(CPU):2.2.1バージョン以降のMech-DLKによってエクスポートされたモデルパッケージに対応します。

過去のプロジェクトではディープラーニングに関連するステップ(上記のステップを除く)を使用した場合、Mech-Visionを1.6.1バージョンにアップグレードした後、過去のプロジェクトを正常に実行できるように、次のことにご注意ください。

  • 1.4.xバージョン以前のMech-Visionを使用した場合、Mech-Visionを1.6.1バージョンにアップグレードした後、ディープラーニング環境を2.0.0または2.1.0(推奨)バージョンにアップグレードする必要があります。

  • 1.5.xバージョンのMech-Visionを使用した場合、Mech-Visionを1.6.1バージョンにアップグレードした後、ディープラーニング環境を2.0.0または2.1.0バージョンに固定してください。

注意

1.6.0バージョン以降から、Mech-Visionはステップ「欠陥検出」に対応しません。このステップは、1.4.0バージョンのディープラーニング環境がインストールされた1.4.xバージョンのMech-Visionでのみ使用できます。過去のプロジェクトでこのステップを引き続き使用する必要がある場合は、Mech-Visionをアップグレードしないでください。

追加のPythonライブラリのインストールについて

1.6.1バージョンでは、Python 3.6.8環境が組み込まれており、Adapterプロジェクトに必要なPythonライブラリをMech-Centerソフトウェアの「python」ディレクトリにインストールする必要があります。

Mech-Viz

1.6.1バージョンでは、組み込みのロボットライブラリが簡略化されています。プロジェクトで使用するロボットがソフトウェアに組み込まれていない場合は、オンラインロボットライブラリ からロボットインストールパッケージをダウンロードしてインポートしてから、プロジェクトの再読み込みを行ってください。

1.6.1バージョンでは、インデックス機能を持つ移動タスクおよびパレタイジングタスクのインデックスが制限を超えても自動的にリセットされません。プロジェクトを正常に実行できるように、プロジェクトを確認して対応する「タスクをリセット」のタスクを適切な場所に追加してください。

1.6.1バージョンでは、円柱の対象物に対応します。Mech-Visionプロジェクトによって出力された対象物の寸法を含む視覚結果が送信された場合は、対象物のタイプは直方体、垂直円柱、水平円柱のどれかをMech-Vizに通知するために、Mech-Visionのステップ「出力」で「object_type」の通信キーを追加する必要があります。

1.6.1バージョンでは、把持された円柱は点群との衝突検出に対応していません。また、把持する円柱は視覚情報に基づいて把持対象物のモデルを生成する機能、および「視覚処理による移動」タスクの「把持された対象物の点群を除去」機能に対応していません。

Mech-Center

ABB/FANUC/Kawasaki/KUKAロボットの主動制御プログラムのロードについて

1.6.1バージョンでは、主動制御機能をアップグレードしました。したがって、Mech-Centerを1.6.1バージョンにアップグレードした後、ABB/FANUC/Kawasaki/KUKAロボットの主動制御プログラムを再ロードする必要があります。

注意

主動制御プログラムを再ロードする前に、各ブランドのロボットの現在のプログラムファイルをバックアップしてください。

TMロボットの主動制御プログラム使用について

1.6.1バージョンでは、TMロボットの新しい主動制御プログラムを提供します。新しい主動制御プログラムは、バージョン1.84以降のコントローラをサポートします。

プロジェクトに新しいバージョンの主動制御プログラムを使用する場合、ロボットシステムをバージョン1.84以降にアップグレードしてから、主動制御プログラムを再ロードしてください。既存のプロジェクトのロボットシステムを必要なバージョンにアップグレードできない場合は、Mech-Centerを1.6.1バージョンにアップグレードしないでください。

その他の注意事項

1.6.1バージョンのMech-Centerは、1.6.0バージョン以降のMech-Vizと併用する必要があります。バージョンが一致しない場合、ロボットのパラメータが取得できないなどの不具合が発生する場合があります。

標準インターフェイスコマンド「パーティション吸盤のDO信号リストを取得」を使用するプロジェクトの場合、Mech-Vizプロジェクトで「DOリストを設定」タスクの受信者を「標準インターフェイス」に変更する必要があります。

1.6.1バージョンのMech-Centerでは、Python 3.6.5環境が組み込まれており、Adapterプロジェクトに必要なPythonライブラリをMech-Centerソフトウェアの「python」ディレクトリにインストールする必要があります。

注意

Mech-Centerを1.6.1バージョンにアップグレードしたら、Mech-Vision 1.6.0にはPythonライブラリを再インストールする必要があります。

1.6.0 バージョンへのアップグレード

以下では、1.6.0バージョンのMech-Vision、Mech-VizおよびMech-Centerへのアップグレードに関する注意事項について紹介していきます。

Mech-Vision

1.6.0より前のバージョンのMech-Visionでは、推論を実行するためにディープラーニング環境のインストールが必要です。1.6.0バージョンのMech-Visionでは推論モデルが組み込まれているため、推論用のディープラーニング環境をインストールする必要がなくなりました。

ディープラーニング環境のない産業用コンピュータまたはPCでは、1.6.0バージョンでは以下のディープラーニングステップのみに対応します。

  • ディープラーニングモデルパッケージを推論(DLK2.2.0+):2.2.0バージョン以降のMech-DLKによってトレーニングされたモデルパッケージに対応します。

  • インスタンスセグメンテーション(CPU): 2.2.0バージョン以降のMech-DLKによってトレーニングされたモデルパッケージに対応します。

過去のプロジェクトではディープラーニングに関連するステップ(上記のステップを除く) を使用した場合、Mech-Visionを1.6.0バージョンにアップグレードした後、過去のプロジェクトを正常に実行できるように、次の点にご注意ください。

  • 1.4.xバージョン以前のMech-Visionを使用した場合、Mech-Visionを1.6.0バージョンにアップグレードした後、ディープラーニング環境を2.0.0または2.1.0(推奨)バージョンにアップグレードする必要があります。

  • 1.5.xバージョンのMech-Visionを使用した場合、Mech-Visionを1.6.0バージョンにアップグレードした後、ディープラーニング環境を2.0.0または2.1.0バージョンに固定してください。

注意

1.6.0バージョンのMech-Visionはステップ「欠陥検出」に対応しません。このステップは、1.4.0バージョンのディープラーニング環境がインストールされた1.4.xバージョンのMech-Visionでのみ使用できます。過去のプロジェクトでこのステップを引き続き使用する必要がある場合は、Mech-Visionをアップグレードしないでください。

さらに、1.6.0バージョンでは、ステップ「Pythonを使用して結果を計算」をサポートするPython 3.6.8環境が組み込まれます。このステップで呼び出されるPythonスクリプトが追加のPythonライブラリを使用する必要がある場合は、Mech-Visionソフトウェアの「python」ディレクトリにインストールする必要があります。

Mech-Viz

1.6.0バージョンでは、組み込みのロボットライブラリが簡略化されています。プロジェクトで使用するロボットがソフトウェアに組み込まれていない場合は、オンラインロボットライブラリ からロボットインストールパッケージをダウンロードしてインポートしてから、プロジェクトの再読み込みを行ってください。

1.6.0バージョンでは、衝突検出に非凸多面体で構成されたOBJ形式のモデルに対応しなくなります。 アップグレード後、過去のプロジェクトの関連モデルの衝突検出に失敗する可能性があります。

1.6.0バージョンでは、インデックス機能を持つ移動タスクおよびパレタイジングタスクのインデックスが制限を超えても自動的にリセットされません。プロジェクトを正常に実行できるように、プロジェクトを確認して対応する「タスクをリセット」のタスクを適切な場所に追加してください。

1.6.0バージョンでは、円柱の対象物に対応します。Mech-Visionプロジェクトによって出力された対象物の寸法を含む視覚結果が送信された場合は、対象物のタイプは直方体、垂直円柱、水平円柱のどれかをMech-Vizに通知するために、Mech-Visionのステップ「出力」で「object_type」の通信キーを追加する必要があります。

1.6.0バージョンでは、把持された円柱は点群との衝突検出に対応していません。また、把持する円柱は視覚情報に基づいて把持対象物のモデルを生成する機能、および「視覚処理による移動」タスクの「把持された対象物の点群を除去」機能に対応していません。

Mech-Center

1.6.0バージョンのMech-Centerは、1.6.0バージョン以降のMech-Vizと併用する必要があります。バージョンが一致しない場合、ロボットのパラメータが取得できないなどの不具合が発生する場合があります。

標準インターフェイスコマンド「パーティション吸盤のDO信号リストを取得」を使用するプロジェクトの場合、Mech-Vizプロジェクトで「DOリストを設定」タスクの受信者を「標準インターフェイス」に変更する必要があります。

1.6.0バージョンでは、Python 3.6.5環境が組み込まれており、Adapterプロジェクトに必要なPythonライブラリをMech-Centerソフトウェアの「python」ディレクトリにインストールする必要があります。

さらに、1.6.0バージョンでは、いくつかの標準インターフェイスコマンドの使用方法も変更されました。詳細については、 Mech-Center 1.6.0 バージョンの更新説明 をご参照ください。