Mech-Center 1.6 バージョンの更新説明¶
本節では、Mech-Center 1.6 バージョンの新機能や機能最適化、問題修復について紹介していきます。
Mech-Center 1.6.1 バージョンの更新説明¶
以下は、1.6.1バージョンについての説明です。
新機能¶
Modbus TCPプロトコルに対応¶
1.6.1バージョンのMech-Centerはスレーブとして使用でき、マスターデバイス(PLCまたはロボットコントローラ)とのデータ通信用の標準インターフェイスオプションMODBUS TCP SLAVEを提供します。
なお、それを使用するには 設定 のMech-Interfaceタブでスレーブアドレス、ホストアドレスおよびバイト順を設定する必要がありますので、その点にご注意ください。
URロボットの標準インターフェイス統合に対応¶
1.6.1バージョンでは、Mech-Mind 3D Vision Interface <ur_standard_integration URCapプラグインを追加しました。それにより、標準インターフェイスを介して、URロボットとMech-Mind 3Dビジョンシステムとのシームレスな統合を実現します。
このプラグインはプラグアンドプレイのプログラミングテンプレートを提供し、ユーザープログラミングの難しさを軽減します。それにより、URロボットがビジョンシステムによる把持タスクをすばやく実行できるようにします。
このプラグインは、次のURロボットをサポートしています。
UR E シリーズ(Polyscope 5.3以降)
UR CB シリーズ(Polyscope 3.9以降)
TMロボットの標準インターフェイス統合に対応¶
1.6.1バージョンでは、 TM標準インターフェイスプログラムを追加しました。TM標準インターフェイスプログラムをTMロボットにロードすることにより、Mech-Mind 3Dビジョンシステムとの迅速な統合を可能にします。
TM主動制御プログラムを更新¶
1.6.1バージョンでは、TMシステムのバージョンに再適応しました。ソフトウェアをアップグレードした後、TM主動制御プログラムを再ロードしてください。
FANUC、ABB、KUKA、Kawasakiロボット側の主動制御プログラムのバージョンチェック機能を追加¶
1.6.1バージョンでは、ロボット側のプログラムがバージョンアップされていないことによるキャリブレーション中の異常なフランジ位置姿勢を回避するために、FANUC、ABB、KUKA、Kawasakiロボット側の主動制御プログラムのバージョンチェック機能を追加しました。
注意
主動制御をバージョンアップし、ロボットプログラムのバージョンアップが必要な場合のみバージョンチェックを行いますので、ソフトウェアバージョンアップの度にロボットプログラムを再ロードする必要がありません。主動制御を一時的に使用する場合、または現場で主動制御プログラムを変更した場合は、サポートチームに連絡して、1.6.1バージョンと互換性を持つようにロボットプログラムをバージョンアップすることができます。
機能最適化¶
仮想カメラが検出されたときのポップアップ表示を追加¶
Mech-Visionプロジェクトが仮想カメラを使用してロボット実機を制御する場合、ソフトウェアは進行中の操作の潜在的なリスクをポップアップウィンドウに表示し、仮想カメラを実際カメラに切り替えるのを忘れることによる生産上の事故を防ぐことができます。
フランジ位置姿勢の送信を標準インターフェイスの201コマンドに追加¶
1.6.1バージョンでは、EIHモードで関節角度を使用する計算による位置誤差を回避するために、フランジ位置姿勢の送信を標準インターフェイスの201コマンドに追加し、画像撮影時にロボットの位置をより正確に設定できるようになりました。
ログのエラーメッセージを最適化¶
1.6.1バージョンでは、ログのエラーメッセージにエラーコードを追加し、クリックして対応するドキュメントへのジャンプをサポートしました。この最適化により、ロボットが受信したステータスコードとエラーメッセージを直感的に取得でき、問題をすばやく突き止めて解決する時に便利になりそうです。
Mech-Visionプロジェクトの同期ボタンを最適化¶
1.6.1より前のバージョンでは、同期ボタンをクリックすると、プロジェクト番号の順序がMech-Visionに自動的に読み込まれたプロジェクトの順序にリセットされ、設定されたすべての順序がリセットされます。1.6.1バージョンでは、同期ボタンを最適化し、Mech-Visionプロジェクトの追加をより最適にしました。
注意
Mech-Visionでプロジェクトを追加し、Mech-Centerの同期ボタンをクリックしても、設定されたプロジェクト番号の順序には影響しません。
Mech-Visionでプロジェクトを削除または名前変更すると、Mech-Centerでのプロジェクト順序がリセットされます。したがって、同期ボタンをクリックする前に、設定されたプロジェクト番号の順序を記録してください。
インターフェイス最適化に関する機能¶
Mech-VisionおよびMech-Vizが実行されている場合、Mech-Centerのツールバーで 起動 をクリックすると、Mech-VisionおよびMech-Vizソフトウェア画面が前面に表示されます。
問題修復¶
PC起動時にソフトウェアが自動的に起動できない問題を修正¶
PC起動時に、1.6.0バージョンのMech-Centerが自動的に起動できない場合があります。1.6.1バージョンでは、この問題を修正しました。
Siemens Snap7インターフェイスサービスが起動できない問題を修正¶
1.6.1バージョンでは、Siemens Snap7インターフェイスサービスが起動できない問題を修正しました。
Mech-VisionおよびMech-Vizソフトウェアの起動が遅い問題を修正¶
1.6.1バージョンでは、Mech-VisionおよびMech-Vizソフトウェアの起動が遅い問題を修正しました。
Kawasaki、ABB、YASKAWA標準インターフェイスのサンプルプログラムを修正¶
1.6.1バージョンでは、Kawasaki、ABB、YASKAWA標準インターフェイスのサンプルプログラムを実行するときにエラーが報告される問題を修正しました。
Mech-Center 1.6.0 バージョンの更新説明¶
以下は、1.6.0バージョンについての説明です。
新機能¶
ログを表形式で表示¶
問題を効率的に突き止めるために、1.6.0バージョンではログを次のように最適化しました。
「出力先」列を追加しました。出力先には、Mech-Vision、Mech-Viz、Mech-Center、InterfaceおよびAdapterが含まれています。
ログレベルによってメッセージをフィルタリングできるようになりました。ログレベルは、デバッグ、一般、ワーニングとエラーの4種類のレベルに分けられます。
ログビューアに、Mech-Vision、Mech-VizおよびMech-Centerソフトウェアのログメッセージを表示できるようになりました。
標準インターフェイスコマンドの変更¶
1.6.0バージョンのMech-Centerの標準インターフェイスは、1.6.0バージョンのMech-Vizと併用する必要があります。
1.6.0バージョンのMech-Vizでは、「タスクID」パラメータを追加しました。タスク名またはタスクIDを使用したブランチとインデックスの設定も標準インターフェイスでサポートされています。1.6.0バージョンのMech-Centerでは、次のようなコマンドの使用方法を変更しました。
203コマンドでMech-Vizプロジェクトのブランチの出力ポートを設定する場合、ブランチタスクの指定方法をタスク名からタスクIDに変更しました。
204コマンドでMech-Vizプロジェクトの移動インデックス値を設定する場合、移動タスクの指定方法をタスク名からタスクIDに変更しました。
206コマンドで吸盤パーティションのDO信号リストを取得する場合、1.6.0バージョンのMech-Vizでタスク「DOリストを設定」のパラメータ「受信者」を「標準インターフェイス」に設定する必要があります。また、Mech-Vizプロジェクト名、タスク名およびタスク数はこのコマンドによって制限されなくなりました。
601コマンドでユーザー通知を受信する場合、「通知」のタスク名を「Standard Interface Notify」として手動で入力する必要がなくなり、1.6.0バージョンのMech-Vizプロジェクトでタスク「通知」のパラメータ「受信者」を「標準インターフェイス」に設定するだけでいいです。
TCPインターフェイスコマンドの追加¶
1.6.0バージョンのMech-Vizと併用するため、1.6.0バージョンのMech-Centerでは以下のTCPインターフェイスコマンドを標準インターフェイスに追加しました。
110コマンドは、Mech-Visionの「出力」ステップのパラメータ「ポートタイプ」が「Dynamic」に設定された場合にカスタマイズのポートデータの送信をサポートするために使用されます。
210コマンドは、Mech-Vizの「視覚処理による移動」タスクによって計算された計画結果(1.6.0バージョンのMech-Vizの新機能)を取得するために使用されます。
207コマンドは、構成ファイルでMech-Vizのタスクパラメータを読み取るために使用されます。
208コマンドは、構成ファイルでMech-Vizのタスクパラメータを設定するために使用されます。
Mech-Centerへの複数のTCPクライアント接続に対応¶
1.6.0バージョンでは、複数のTCPクライアントをMech-Centerに接続することに対応します。これは、複数のロボットステーションが同時にビジョンシステムと通信するのに便利です。
ソフトウェアにPython環境が組み込まれている¶
1.6.0バージョンでは、ソフトウェアのインストールと使用を簡単にするためのPython 3.6.5環境を組み込んでいます。また、ソフトウェアパッケージには環境チェックツールが含まれなくなりました。
1.6.0バージョンのMech-Centerの組み込みPython環境は、システムの組み込みPython環境から分離されています。 Adapterプロジェクトで追加のPythonライブラリを使用する必要がある場合は、それをMech-Centerソフトウェアの「python」ディレクトリにインストールしてください。
ちなみに
Pythonライブラリのインストール方法は次のとおりです。
「コマンドプロンプト」または「PowerShell」プログラムを起動します。
Mech-Centerソフトウェアの「python」ディレクトリに切り替えます(例えば:C:¥Mech-Mind¥Mech-Center-1.6.x¥python)。
「 ./python -m pip install library_name 」 コマンドを実行します。
オンラインマニュアルのアクセスに対応¶
1.6.0バージョンでは、オンラインマニュアルを提供します。
を選択して、主動制御のロードと標準インターフェイスのロード説明、数多くのPLCとロボットのサンプルプログラム説明が記載されているオンラインマニュアルにアクセスできます。機能最適化¶
ロボットとPLCのサンプルプログラムを追加¶
1.6.0バージョンでは、ABB、KUKA、FANUC、YASKAWA、KAWASAKIの5つのブランドのロボットの標準インターフェイスを使用した簡単な把持と配置のサンプルプログラムを追加しました。
さらに、1.6.0バージョンでは、Siemens PLC S7通信プロトコルの機能ブロックサンプルプログラムを追加しましたので、PLCプログラムをすばやく作成するのに役立ちます。
Fanuc CRX ロボットプラグインインストールパッケージを追加¶
1.6.0バージョンでは、Fanuc CRXロボット用のティーチペンダントプラグインを提供します。これにより、フラットパネルティーチペンダントをインストールした後、標準インターフェイス機能をモジュール化して、コードレスなロボットプログラミングを可能にします。
DoosanとDobotロボットに対応¶
1.6.0バージョンでは、DoosanとDobotロボットの主動制御に対応します。
4K解像度に対応¶
1.6.0バージョンでは、4K解像度をサポートしました。
問題修復¶
標準インターフェイスが複数プロジェクトによって呼び出されたときに間違った数の位置姿勢が送信される問題を修正¶
以前のバージョンでは、標準インターフェイスが複数のMech-Vizプロジェクトによって呼び出された場合、間違った数の位置姿勢を送信したことがあります。1.6.0バージョンでは、この問題を修正しました。
川崎ロボットのRSシリーズを主動制御するときにMech-Vizプロジェクトを実行できなかった問題を修正¶
Mech-Vizが主動制御する場合は、川崎ロボットのRSシリーズがMOVELコマンドによって動作すると、プロジェクトが正常に実行できない場合があります。1.6.0バージョンでは、この問題をを修正しました。
安川ロボットのキャリブレーションプログラムを修正¶
1.6.0バージョンでは、標準インターフェイスで安川ロボットを制御する場合のキャリブレーションプログラムを修正しました。
四元数を計算するときのエラーを修復¶
1.6.0バージョンでは、四元数を計算するときのエラーを修復しました。